第37話 美容師始めます

準備が始めってから数日が過ぎた。やっと今日が過ぎたら、明日から開店だ。緊張しながらも楽しみだった。この世界でお店を持てるなんて夢にも思ってなかった。そもそも、美容師が出来るとは限らなかったし出来ただけで満足だったのに。私は、幸せだなと実感した。


「ツキノ様、これはどこに置きますか?」

「ん~それはここにお願いします」


ちゃんとレティ様には開店する日にちは伝えといた。こっそり来てくれるらしい。色んな人のおかげでここまで来れた。感謝しなければいけない。


「ちょっと休憩してから作業の続きをしましょうか」


ここに来る前に調理場に行き、軽い軽食などを作って持ってきたのだ。冷たい飲み物はレーナさんたちが用意してくれた。


「いよいよ、明日開店ですね!」

「そういえば、ルードに開くこと伝えましたらなんで教えてくれなかったんだって言ってました。部下と一緒に来てくれるらしいです」

「それは嬉しいです」


ちゃんと休憩を取れた所で作業再開しますか!家具などある程度置いて、掃除をする。これぐらいでいいかな。よし、準備終わり!


「準備、終わりましたね。今日はもう帰りましょうか」

「そうですね」



◇◆◇



まだ、空は明るい。日が落ちるまでまだ時間がある。何をして暇をつぶそう…部屋の前の草原でお昼寝しちゃおうかな。


「部屋の前お昼寝してもいいですか?」

「いいですよ。今準備致しますね」


すぐ毛布をしてくれたり、時間は掛からななかった。


「どうぞ、お疲れでしょう。ちゃんとお守りしますので安心してお休みください」

「ありがとうございます…」


寝ころんだだけで日の温かさや草の匂いでお礼を言ったあとすぐ眠気に襲われた。


「ついに、明日オープンね。今までよく頑張ったわね。葵」


前回、聞いた声が聞こえた。どこかで聞いたことある気がする…思い出そうとしても思い出せない。


「あなたは誰…」

「まだ言えないの、許して頂戴」

「いつか教えてくれますか?」

「勿論、葵が…なったらね」

「なんて…?」


途中なんて言ったか聞こえず、聞き返そうとした瞬間突然急に声が聞こえなくなったと同時に目が覚めた。


「目が覚めましたか?おはようございます」

「おはようございます…」


目が覚めた前は明るかったがすっかり日が落ちている。結構寝てしまったらしい…


「日が落ちていますしお部屋に戻りましょうか」

「そうですね。ありがとうございます」


少し本を読んだ後、また再び眠くなった。今日は明日の開店のために早く寝ることにした。



◇◆◇



開店当日、いよいよ。今日から開くお店名前は「ミラージュ」フランス語で光と言う意味。誰かの光になれますようにと言う願いを込めて。


「今日まで、手伝ってくれた方がありがとうございました!みなさんのおかげで開くことが出来ました。それでは、ミラージュ開店します!」


これから、このミラージュで私は美容師始めます!

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