第7話 みんなの笑顔

なんだか段々意識が戻ってくると慌てて、起き上がる。そうだ眠すぎて少し仮眠を取ったんだ!あれからどのくらい経ったのだろうか…


「おはようございます。ツキノ様」

「あ、あのあれからどのくらい時間が経ちましたか?!」

「大丈夫ですよ。そう、経っていません」


それを聞いてホッとした。これで起きたら夜だったとかだったら大分落ち込んでたよ私ってそれより!髪をきるんだったよねと思い出しベットから降りてさっそく準備する。


「さて、仮眠もとれたことだし髪切りましょうか!誰からですか?」

「はい!私からです!」

「クリスタさんからですね~」


と準備をしながら聞く、て言うか会った時から思ってたんだけどみんなの髪綺麗すぎない?めちゃくちゃ触りたかったんだよね~道具を用意してさて切りましょうか!


「クリスタさんはどんな雰囲気にしますか?」


クリスタさんは髪が長いから色々出来そう…髪色はめちゃくちゃ似合う金髪だし髪質もいいしどんなシャンプー使ってるんだろう…美容師としてはとても気になる。


「えっと最近髪が長くて邪魔なので思い切って短くしたいいんですよね…」

「イメチェンですね!似合うと思います。」


イメチェンと聞いたクリスタさんは不思議そうに首をかしげている。


「イメチェンは、長い髪のイメージを一気に変えるみたいな?意味です!それでどのくらいまで切ります?」

「そうなんですね!ん~そこはツキノ様のおまかせでお願いできますか?」

「分かりました!じゃあここの椅子に座ってもらえますか?」


とお願いしその僅かな時間でどこまで切ろうか考える。クリスタさんはどのくらいが似合うかな~とよく考えた結果、肩より少し下に決めた。


「今から切り始めますね~」


とグレンさん同様に声を掛けてから結んである髪をほどき、くしで髪をある程度まで梳かすでもクリスタさん髪サラサラだし梳かなくても良かったかも…よしこれぐらいでいいかなと思った所で梳くのはおしまい。次にハサミを入れていく、サクサクと髪の毛の切る音が部屋に広がる。さっきまで腰ほど長かった髪はあっという間に肩下ほどになった。うん、思った通りに可愛い!長さ調節はこれぐらいにして髪の量を減らすためにハサミを持ち替え、量を減らすために梳き始める。よし、梳くのもこれぐらいにしてじゃん~出来上がり。鞄から鏡を取り出してクリスタさんに向ける。


「出来ました!こんな感じで大丈夫ですか?クリスタさんどうですか?」

「凄い可愛いです!ありがとうございます。ツキノ様!」

「いえいえ、喜んでもらえたのならよかったです。」


レーナさんたちもクリスタさんのことを可愛い、似合ってると言ってる声を聞いて切ってよかったと思った。今日中に全員切ってあげたいな…


「次は、誰で切りますか?」

「お願いします。」


次は、クラウスさんかクラウスさんは髪色がきれいなんだよね。銀髪でカッコいいと思ってたんだよ~


「クラウスさんはどんな感じにしますか?」

「ツキノ様のおまかせでお願いできますか?」

「分かりました。では椅子に座っててください」


クラウスさんは私好みに切っちゃおっ!バリカン充電式なんだけどここでも使えるのかな…試してみるか、鞄からバリカンを取り出して電源を付けてみる。すると、驚くことに動き出したのだ。驚いたけど今は髪を切るのが優先だよね。


「今から切りますね~」


と言って髪にバリカンを入れていく、見てるみんなはバリカンに驚いてるみたいだ。まぁそんなのは気にせずどんどん切っていく。ん~これぐらいはどうかなとクラウスさんを前から見て確認する、せっかくだしワックスつけてカッコよくしようかな。ワックスを出して髪につけて整えてあげる。


「終わりました、どうでしょうか?クラウスさん」


と鏡をクラウスさんに向ける。


「うわぁ、めちゃくちゃいいです!ツキノ様ありがとうございます!」

「ちなみに、ワックスって言う髪の毛を整えるのを付けたので今日はいつもより頭をしっかり洗ってください。」

「分かりました。本当にありがとうございます!」


うん!自分的にはいい感じに出来たかな…?喜んでもらえて嬉しいな。こんな腕でいいならいつでも切ってあげれるんだけどって考える前に次の人


「次は、誰ですか?」

「私です、お願いします。」 

「椅子に座って少し待っててくださいね。」  


レーナさんは、クリスタさんよりは短いけどそれでも髪が長いんだよね~しかも髪色茶色とかか可愛すぎですか?


「レーナさんは、どんな感じにしますか?」

「今の長さより半分ぐらい切ってもらえますか?」

「分かりました。それでは切り始めますね。」


クリスタさんと同じように結んである髪をほどいて、くしで梳くでもやっぱりさらさらだからそこまで時間かけなくていいから楽だし触り心地最高!梳くのはこれぐらいにしてハサミでチョキチョキと切る。長さはこれぐらいでいいかなぁ~次は梳いて軽くする。レーナさんは、これぐらいでいいかな!よし出来上がり。鏡をレーナさんに向けて声を掛ける。


「よし!どうでしょうか?レーナさん。」

「とても素敵に仕上げてくださり、ありがとうございます!」


最後は、ライナさんかな?待たせてしまって悪いな…


「遅くなってすみません…ライナさん座ってもらえますか?」


と椅子に座ってもらう、その間に道具を片付けたり出したりして用意をする。


「ライナさんは、どうします?」

「特にはないですが、護衛に支障が出ないような長さにお願いしたいです。」

「分かりました~それじゃあ始めますね!」


まずは、自分の頭の中で完成形を想像する、バリカンでその想像のように切り上げていく。一通り切ったけど思った通り似合ってるし金髪にも合う!と思いながらも手を動かす。これぐらいでいいかなとキリをつけて最後にワックスで少し整える。完成が見えるように鏡を向ける。


「ライナさん、どうですか?」

「今までに、こんな髪にしてもらったことないので嬉しいです。ツキノ様ありがとうございます!」

「クラウスさんと同じようにワックスをつけたので、今日はよく洗い流してください」


そう言って道具を片付ける。髪が落ちてるから掃除しなきゃなと思って掃除しようとするが


「ツキノ様は、ゆっくり休んでいてください。掃除などは私たちがやっておきますから」

「いや、そんなことさせれないですよ!」

「いいんですよ、私たちにやらせてください。切ってもらったお礼ですから」

「でも、そこまでお礼されるようなことは…」

「それでは、これからも髪を切ってもらう事ってお願いできますか?」


確か、この前グレンさんにも言われたよね…私的には、全然いいんだけどそんなことでいいのかな?


「私は大丈夫ですけど…そんなことでいいんですか?」


「「「「いいんです!」」」」


「それじゃあ、これからも切らせていただきますね!」


そう言って、窓の外を見た。集中していたからかいつの間にか暗くなっていた。もう、そろそろ1日が終わりか~早いような遅いような気がした。

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