正義の行方 ――政治の闇を知った私は――


 ベッドを出てリビングに入ると、毬恵さんはダイニングテーブルの上で、ノートパソコンを使って仕事をしていたが、私が起きて来たのを見て微笑みながら言った。

「おはよう。よく眠れたみたいね。良かった。朝ごはん食べる? それとも先にシャワーを浴びる?」

 私は二択を求められ、どちらがいいか考えたが、昨夜は格闘もして汗も掻いたし、先にシャワーを浴びてさっぱりすることにした。


「シャワーを浴びてきます。昨夜はシャワーも浴びずに汗臭いまま寝てすいませんでした」

 私が昨日の不手際を謝罪すると、毬恵さんは細い首を振って否定した。

「そんな、ぐっすり寝てくれたみたいだから安心した。そこに柊一さんの服と一緒にバスタオルを置いてるから、それを持ってシャワー浴びてきて。それからシャンプーとか女性ものだけど使ってね」


 昨夜脱いだ服はきれいに畳まれて、バスタオルと一緒にソファの上に置かれていた。私はそれを持ってシャワー室に向かった。

 熱いお湯が肌に心地良かった。生き返るような気がする。ボディソープで頭から足の先まで洗いつくすと、汚れと一緒に寝起きの気怠さが落ちていくような気がした。


 リビングに戻ると、ダイニングテーブルの上に、トーストとフルーツの盛り合わせが置いてあった。

「コーヒーにする? 紅茶にする?」

 毬恵さんの問いに「コーヒー」と答えて、食卓に着く。

 ぐっすり寝たせいか食欲があった。


「岩根さん、峠を越したみたいよ」

 毬恵さんは早く起きて確認してくれたみたいだ。

「良かった。朝食をとったら早速病院に行きたいのですが」

「慌てなくて大丈夫よ。まだ岩根さんは意識が戻ってないみたいだから。それよりも警察から慎二先生に、あなたの話を聞きたいと連絡があったようなの。私も一緒に行くから先に警察に行かない?」

「いいですよ。警察に行ってから病院に向かいましょう」


 前にいた世界では、警官というとロボットしかいなかった。

 人間の警官と話すと思うと少しワクワクした。

 初めてのことなので、毬恵さんが同行してくれるのは心強かった。


 毬恵さんは、慎二先生に連絡してきた静岡県警の刑事に電話をして、富士沢警察署に十時に向かうと伝えた。

 富士沢警察署には、毬恵さんの家から徒歩で十分程度なので、歩いていくことにした。

 今、九時半だから時間的には余裕がある。私たちは朝の富士沢の街を散歩でもするかのように、二人の時間を楽しみながらゆっくりと歩いた。


「参考人聴取ですけど、私も一緒に受けられるように、許可を貰いました」

「毬恵さんと一緒に受けるのですか?」

「ええ、私も昨日のできごとを把握しておきたいし、犯人について聞きたいこともあります。柊一さんも何度も昨日の話をするのは嫌でしょう」


 ありがたい心遣いだった。この女性ひとは必要な仕事を確実にこなす中で、私に対する気遣いを常に優先させてくれる。できることなら、この女性ひととずっと一緒にいたいと、心から思った。


「昨日はろくに話もせずにすぐに寝ちゃって申し訳ありませんでした。また、お邪魔してもいいですか?」

 私は何も考えずにそう言うと、毬恵さんは目を輝かせて応じてくれた。

「もちろんです。柊一さんが嫌じゃなかったら、また泊まりに来てください」

 毬恵さんはそう言いながら、また顔を赤くした。

 私は無邪気に、

「また行きますね」と答えた。


 歩いていると、毬恵さんが手をつないできた。

 細いけど柔らかい手だった。私たちは警察署まで手をつないで歩いた。

 警察署に着くと、担当する刑事に取調室ではなく、八人定員ぐらいの小さな会議室に案内された。


「今日はご足労頂きありがとうございました。私は今回の事件を担当する県警捜査一課の山下と申します。隣は同じく一課の重田です」

 山下と名乗った刑事はやや小柄で痩せていた。銀縁のメガネと七三の髪型から、刑事というより銀行マンのイメージがする。一方、重田と紹介された刑事は長身で胸が正方形のように厚みがあり、半袖のシャツから伸びた二の腕は、毬恵さんのウエストより太いように思えた。ただ、目が丸いせいか人懐っこい顔で、クールな顔つきの山下よりも話しやすそうな感じがした。


「早速、質問させてください。昨日の午後六時頃、三上さんは被害者の岩根さんと夕食をとるために駐車場に向かったのですね」

 山下の言葉はどこまでも穏やかで丁寧だった。


「はい。岩根さんが車で来ていたので、それに乗って夕食を食べに行こうとしました」

「駐車場ですぐ犯人の男に気づきましたか?」

「はい、その時駐車場には二、三台しか車はなかったですし、私たちが駐車場の中に入ると同時に、人が降りてきたのですぐに気づきました」


「気づいたときは犯人に対して、どのような印象を感じましたか?」

「普通の感じでした。ただ、あの駐車場を利用するのはFCHの関係者だけですから、見知らぬ人間が駐車場にいることは、違和感を感じました」

「なるほど、それからどうしました?」

「岩根さんの車に向かって歩いて行きました」


「犯人はどうしました?」

「我々の方に向かって歩いてきました」

「そのときに怪しいとか逃げようとか思いませんでしたか?」

「見知らぬ人間なので怪しいとは思いましたが、こちらに害をなすようにはまったく感じなかったので、逃げ出そうとは思いませんでした」

「それから接近して来て刺されるまで話してください」

 そこまでは誘導していた山下が、犯行場面についてはこちらに任せてきた。


「距離にして一メートルぐらい離れてすれ違ったのですが、まったく警戒するような素振りは有りませんでした。すれ違った後で、ふといったいどこに行くんだろうと思って振り向くと、あの男もこちらを振り向いていたので驚きました。その時、手に刃物を持っていたのですが、それでもこちらに害をなす感じが全然しなかったので、身構えることもなく見てしまいました。それが、自然にすっと寄ってきて、壁にぶつかるように岩根さんの背中にぶつかって、気づくと刃物が岩根さんに刺さってました」


 私の話に、重田さんの方がうんうんと頷いていた。

「そうですか、まあ害をなすという雰囲気が伝わっても、そういうときに人間の身体は簡単に動くことはないですがね」

 山下さんはそう言って、ちらっと重田さんと目を合わせて、再び話を促してきた。


「犯人が刺した後、刃物を岩根さんの身体から抜くと、岩根さんの腰から血が噴き出しました。犯人はまた刺そうとしたので、思わず体当たりをして犯人を地面に飛ばしました。それでも犯人は何事もないように立ち上がり、今度は私を狙って近寄って来ました。それも殺意のようなものはまったく出さずに、いきなり刺そうとしたので、左手で相手の右手を押さえて、右手で殴りましたが交わされました。その後、また刺そうとしたので、両手で相手の腕を掴んで、膝蹴りを入れました」


「犯人はどうなりました?」

「気絶しました。それで警察と消防署に電話して、先に救急車が来たので状況を説明しました。次にパトカーも来たので、同じように説明をして救急車に乗って病院に行きました」

 これで全てだった。


「ありがとうございます。三上さんは空手か柔道の経験はありますか?」

「えっ!」

 その場に沈黙が流れた。再び口を開いたのは毬恵さんだった。

「三上さんは記憶喪失なんです。過去のことは分かりません」

「なるほど」

 山下さんは不思議なことに感心したような顔をして私を見た。

「何か?」

 私が不審に思って聞くと、山下さんは頭を掻きながら言った。


「いや、これは私が言ってることではないので、誤解しないでくださいね。ある人があなたが怪しいと言ってるんです。記憶喪失と言いながら、現代の最先端を超えるようなITスキルを持ち、これまで試みられてないビジネススタイルを提案した。しかも刃物を持った相手を素手で制圧している。そんなスーパーマンのような人間はいない。今回は前の政敵である岩根さんを抹殺しようとして、故意に仕組んだんではないかと、言ってる人がいるんですよ」


 びっくりした。そしてある意味感心してしまった。

 こんな荒唐無稽な話でも言い張ってしまえば信じる者も出てくる。

 人が世を治めるということは、感情が入るだけに恐ろしい。


「それで、山下さんはそれを信じているんですか?」

「いえ私は信じてませんよ。第一あなたは犯人を捕まえてるし、黒幕ならそんなことはしない」

「どなたがそんなことを言ってるのか教えていただけませんか? 警察にそんなことを言ったとなると、名誉棄損や侮辱罪の対象になります」

 毬恵さんは口調こそ平穏に抑えていたが、目は吊り上がって、明らかに怒りが面に出ていた。気が付くと彼女の両手は拳を握ってぶるぶる震えている。


「いや、ネタ元は勘弁してください。ただ、三上さんが格闘して倒した相手が普通の奴じゃないんで、こんな明らかなガセでも信憑性が出るんです」

 私は自分が黒幕扱いされてることより、犯人がどんな男なのか興味が湧いた。


「申し訳ないですが、犯人について教えていただけないですか?」

 私が山下さんに、丁寧に犯人の情報を求めた姿を見て、毬恵さんは冷静になった。

 そう、こういうときは、冷静さを失った方が損をする。


「いいでしょう。捜査情報ですが特別に教えましょう」

 山下が許諾すると、隣の重田はおやっとした表情を見せたが、すぐに普段の顔に戻った。

 この二人のつながりも相当強いようだ。

「岩根さんを襲ったのは九条龍彦くじょうたつひこ、年齢は三六才、裏の業界では『九竜』と呼ばれる有名な男です。職業は殺し屋です。と言っても、これまで殺しの場面を掴まれたことは一度もありません。彼が関連したと言われている殺しの場面では、そこにいる者が全員殺されているんです。だから証拠がない」


「すごいですね。いったい何人殺してるんですか」

「推定八三人。もちろん警察で把握している事件だけですが」

「八三……」

 そんなに殺人をして捕まらないなんて理解できなかった。


「これだけ監視カメラが発達しているのに捉えきれないんですか?」

「それが犯行前にほとんど切断されているんです。今回駐車場に設置されていた監視カメラも切断されていました」

 そんな凄い殺し屋とは考えてもなかった。マイクロチップ制御でなかったら、間違いなくやられていただろう。思わず首筋に手を当てた。


「驚くべきは、九竜ほどの男が、あなたには素手で制圧されている。九竜自身も驚いていて、あなたは自衛隊の特殊部隊出身かと言ってました」

 言葉が出なかった。私でも変だと思う。


「火事場の馬鹿力というやつではないですか。私自身、なぜそんなことができたのか分からない」

 苦しい言い訳だった。山下は重田と顔を見合わせた。


「そうでしょうね。この重田は実は柔剣道合わせて十段の猛者中の猛者ですが、彼から見てあなたの動きは、既に達人の領域だそうです。だが偶然にしても、いい時に出ましたね。火事場の馬鹿力が!」

「その件は、もういいんじゃないですか。三上さんは何も嘘をついてないし、結果的に岩根さんの命も救われたのですから」

 毬恵さんが強い口調で抗議した。


「確かにそうですね。まあ、大目に見てください。本来なら取調室で一対一でやるところを、こういうオープンな場所で複数聴取に変えたわけですから」

 山下はそう言って、帰ってもいいとドアを開けてくれた。


 出がけに山下からまた声をかけられた。

「もし、また不審な者に気づいたら、私に連絡をください。今日は悪い印象を与えましたが、私個人はあなたのやってることの支援者の一人のつもりでいます」

 そう言って、裏に携帯番号が書かれた名刺を渡された。


 警察署を出て、毬恵さんと一緒にタクシーに乗り込む。

「また警察から何か言ってきたら、すぐ私に連絡くださいね」

 毬恵さんはまだ怒っている。


「でもあの山下さんは悪い感情を私に持ってるようには感じませんでしたが」

「柊一さんに気づかれるようでは、警察はやっていけません」

 ぴしっと反論された。やれやれ、毬恵さんは手厳しい。


「でもそういう人を疑わないところが好きなんですが」

 うーん、そういう風に言われるのも複雑な気持ちだった。


 今日は昼間なので、道路は混んでいた。なかなか進まない道の中で、警察で抱いた疑問を毬恵さんに訊いてみた。

「殺し屋を雇うなんて、依頼者は誰なんでしょうか?」

「うーん、そうですね。柊一さんではなく岩根さんが狙われたので、特定は難しいですね。笹山先生の秘書をしているときには、そうとう恨まれるような立場に立つことが多かったでしょうから」


「それなら、本当の親玉である笹山代議士を狙うんじゃないですか。その線ではないような気がするんですが」

「そうね。普通に考えれば狙う相手が違うわね」

 有名な殺し屋を雇うぐらいだ。裏の世界にも顔が利く人物に間違いない。岩根さんへの恨みでないとすると。次は東先生や毬恵さんにも危害が及ぶかもしれない。

 岩根さんが刺された時のような思いはもうたくさんだ。絶対に黒幕を暴いてこの凶行を止める。強い思いが身体中を駆け巡った。



 岩根さんの意識はまだ戻らない。病室には慎蔵先生と藤山さんが来ていた。

「一馬は脊髄も少し傷ついたらしいな」

 慎蔵先生が暗い声で言った。

「ええ、慎二先生の話では、良くて松葉杖が離せぬ身体に成り、場合によっては一生車椅子のお世話になると言ってました」

 岩根さんに制服を渡したのは慎蔵先生のお母さんと言うことだった。十五才年上の慎蔵先生は、頭の上がらぬ近所のお兄さんといったところらしい。


「車椅子だろうと、松葉杖をつこうが意識が戻れば大丈夫だ。一馬の価値は頭脳と情熱だ。それさえ無事ならば、歩けないことなど何のハンデでもない」

 藤山さんは珍しく感情むき出しだ。


「そうですね。早く意識を取り戻して欲しい」

 祈るようにそう言う私に毬恵さんがそっと寄り添う。

 暗い雰囲気で言葉が少なくなったときに、あの女性がやって来た。岩根さんの奥様である亜希子さんだ。


「あら、まだ目を覚まさないんですか?」

 亜希子さんは意識が戻らないはずはないとばかりに、不安を微塵にも出さない。

 その堂々とした態度に、いつもは泰然として余裕があるお二方も押され気味に見える。


「亜希子さん、そんな簡単にはいかないよ。一馬も少し休みたいんだよ」

 藤山さんが岩根さんを庇って思わず擁護した。

「そうですよね。できることなら少し休ませてあげたい。でも世の中はそうもいかないみたいですよ」


 そう言って亜希子さんが自分のスマホを藤山さんに渡す。そこには、『謎のウィルス、ロンドンを急襲』という見出しのニュースが表示されていた。

 藤山さんと慎蔵先生が食い入るように記事を読んでいる。私と毬恵さんは自分のスマホを検索して記事を表示する。


 ロンドンに高熱が出る感染症が発生し、既に九人が亡くなったということだ。しかもこのウィルスに感染すると、発症から二四時間以内に亡くなるとある。


「キメラウィルスですね」

 私の言葉はしんとした病室の中に虚しく響いた。藤山さんと慎蔵先生は亜希子さんのスマホを、食い入るように見たまま何も言わない。毬恵さんが私の右腕をぎゅっと握る。


「ねぇ、もう読んだでしょう。返してください」

 亜希子さんが二人からスマホを取り上げる。

「本当に年寄りってダメねぇ。こんな一大事に声も出ないなんて。その点あなたは合格よ。ちゃんと発信してた。柊さんでしょ。岩根から聞いてるわ。いい、こっからがふんどしの締めどころよ」


 何ともすさまじい変貌ぶりだった。昨夜病院のエントランスで会ったときは、いかにも良家の奥様風だったのに、今日はアマゾネス顔負けの闘う女である。

「世界中でパンデミックが始まるわよ」

 慎蔵先生の肩がビクッとする。


「これは柊さんたちが言ってた感染症なのか?」

「どう考えてもそうじゃない。北半球でこんな真夏にインフルエンザじゃないでしょう。しかも二四時間以内に死亡なんて、まさにこの前あなたたちが必死で対処したウィルスの症状じゃない」

「でもこれで政府も本腰を入れますね」

 私が勇んでそう言うと、亜希子さんは不思議な動物でも観るような顔をした。


「どこまでおめでたいの。しっかりしないとあなたたちが大変な目に遭うわよ」

 そして毬恵さんの顔を見て言った。

「あなたなら分かるわよね。柴田毬恵さん。この人たちは政治をまったく分かってない」


 私は反射的に毬恵さんを見ると、青褪めた顔で亜希子さんに頷いていた。

「どういうこと?」

 私が訊くと、毬恵さんが躊躇いながらも説明を始めた。

「笹山剛は、二週間前にこの話を知っていたのに、世間の動揺を気にして握り潰した。でもロンドンでは同じ病気が発生してしまった。笹山は二週間前に既に知っていた事実を隠蔽するために、一番不都合な岩根さんの口を塞ごうとしたの」


「正解! あなた、岩根が言う通り切れるわね。さあ、ぼんくらさんたち、ここでボーッとしていたら、すぐに日本中の敵に成りかねないわよ」

「どういう意味ですか?」

「この人を殺しそこなった笹山は、富士沢市の一部の者はこの話を知っていて隠蔽した、と発表をするわ」


「そんな人もいるんですね」

 私がまじめな顔でそう言うと、今度は全員が呆れたような顔で、私の方を見た。

「柊さんのそういうところは、いいんだけど今はもう少し考えてくれ。我々のことだろう?」

「私たちは保健所に届けたじゃないですか……」

 藤山さんの言ってる意味が分からなかった。毬恵さんの言ってることも分からない。なぜ、笹山代議士が親戚の岩根さんを殺さねばならないのか。口を塞ぐとはどういう意味なのか?


 私がフリーズしている様子を見て、毬恵さんが言った。

「一度に全部理解しなくてもいいけど、権力を維持するためには肉親だって、殺すことを厭わない人はいるの。それは権力を得るために苦しんだ人ほど大きくなるわ。そういう人たちは事実を捻じ曲げることなんて造作もないことなの」

 私は混乱した。


「分からないわよね。でもこれだけは覚えといて。この国では正義の行方は決まっていない。自分たちで導くものなの」

 今度は何となく理解した。正義とは概念的なものだが、現実世界では人が作り出すものなのだと。


「こんな時こそ、この人が力を発揮するんだけど……」

 亜希子さんはそう呟いて、岩根さんの顔を覗き込む。

「ちょっと、瞼が動いたわ!」

 亜希子さんの声に全員が一斉に岩根さんの顔に注目する。岩根さんの瞼が二、三回ピクピクと震えながら、パッと目が開いた。岩根さんは少し眩しそうに目を細めながら、周囲を確認する。


「どうしたんですか、先生方がお揃いで、あれ柊さんに毬恵さんもいるじゃないですか」

 死の淵から蘇った岩根さんの第一声はそれだった。

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