茫漠の日々の果て

雨月

序章

第1話 序 章




―――いったいどこが悪いんです?

―――どこもかしこもです。私は生きることも死ぬこともできません。すべてが誤りで愚劣です。



 

 ある文豪の書いた一節だと、昔、仕事仲間が教えてくれた。

 その一節が、頭の中を駆け巡る。




 美弥は思う―――。


 今の私、いや、これまでの私の人生をこれほど端的にあらわしているものはない――と。












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