異世界の街とギルドパニック



本当に異世界なんだな〜

周りを見るが髪の色は様々、なんなら俺の黒髪の方が珍しい感じだ

街は東京のような大きなビルはないが宮殿を中心に商店などが沢山並んでいた

商店が沢山並んでいる商店街の様な所には人間の他にも亜人種という人が多くいた

お腹のすいた圭太は食べるものを探して散策を進めていると美味しそうな匂いがしてきた

その屋台に立ち寄り商品の確認をすると


鉄ワニのタレ焼き一本200デリ


と書いてあった

デリとは日本でいう円の類だろう

しかし鉄ワニとはなんだ?気になった圭太は少し太った感じの大柄な男の店主に尋ねてみた


「なぁ、おっちゃん鉄ワニってなんなんだ?」


「お前さん鉄ワニも知らないのか??どこから来たんだ??田舎か?」


「いや、実は俺転生者って言うらしいんだけど」


すると店主はとても驚いた表情をして圭太を屋台の中に連れてきてある事を助言した


「悪いことは言わねぇ、転生者って事は隠しておくべきだな、この街には転生者の事をよく思わない奴らも多くいる。お前の髪の色はこの世界では珍しい、あまり目立たない事だな」


「おっちゃんは俺みたいな転生者のこと悪く思わないの?」


「あぁ、お前さんは客としてきた訳だし悪い奴でもなさそうだからな」


ありがとおっちゃん!顔は怖いけど良い人じゃんよ!


「そっか、ありがとう!」


「ところでさっきの話だが鉄ワニ、見てみるか?」


「いいのか?見せてくれよー!」


屋台の裏側を覗いてみると小さなため池な様なものを簡易的に作っておりその中に鯉ほどの大きさの大きな鱗をまとったワニがいた


「なんだこのワニ俺の世界にはこんなのはいなかったぞ!」


「そうか!こいつが珍しいのか!そりゃ変わった世界だなぁ笑そいつは意外と凶暴だからあまり手とか出さない方がいいぞ」


目を凝らしてみてみると鉄ワニの口からはピカピカに光る鋭い歯がのぞいていたこれに噛まれたらひとたまりもないな、、

その後鉄ワニのタレ焼きを買いまた街の散策に行こうとすると


「お前さんなんて名前なんだ?」


「俺の名前は戸村圭太!あんたは?」


「ケイタかいい名前だな!俺はゲーダだ!大体ここら辺にいつもいるから困ったら声かけてくれな!」


「ありがとう!ゲーダ!それじゃあまた!」


「あぁ!また!」


いや〜異世界に来ていきなり知り合いができるとは、俺のコミュニケーション能力も捨てたもんじゃないな!

しかし、現実ではあまりできなかった知り合いがコッチに来たらいきなりできるんだから不思議なもんだ!

他にも店はあるし色々みて見るか

あれは武器屋か、今は用は無いけど恐らくしばらくするとここにも通う事になるんだろうな

隣にはギルドの様なものがあるな

この建物は周りに比べて派手で、大きいな

たしか現実世界で読んでいたラノベとかでもギルドってよくでてきたよな、、、気になるな

よしっ!入ってみよう!


少し大きめな扉を力一杯開ける


ギギギィィーーー


これがギルドの中かとても広くて賑やかだ、、ん?なんでみんな俺に注目してるの??

一瞬にしてギルド内が静まり返った

次の瞬間


「「「キヤァァァァァァァァァァァ!!!」」」


えっ?なになになに?怖いんですけど!


するとギルドの裏から綺麗な赤髪の長髪で鎧を身に纏った美女が現れた


「何事だ!お前達!」


「だ、団長急に、お、お、男がこのギルドに入ってきて、、」


「なに?!男だと!!そいつはどこだ!」


えぇーーみんな一斉に俺の方見るじゃん

少しは助けてあげようって気はないの?


「貴様ここら辺ではみない顔だなそれに黒髪、転生者か??」


さっきちょうどゲーダさんが転生者はあまりいい印象はないって事を言ってたな、何故だかは知らないけどとりあえず隠しておくか


「それは今言う事はできない、でも遠くから来たのは確かだ」


「そうか、なら教えておくがこのギルドは男禁制

なんだ、そして貴様は知らなかったとはいえその規則を破ったのだ、償ってもらうぞ」


「いや、ちょっと、それは理不尽ってもんじゃ、、」


「団長に口答えをするなんてなんて奴だ!今すぐ殺してやるぞ!!」


取り巻きの女兵士が声を荒げた

うわぁ、怖っ!殺すって言った、殺すって!


「まぁ、まて、償うと言っても拷問の様なことをする訳ではない、今から私達はギルドに来た依頼でモンスターを倒しに行くんだがその際の荷物持ちでもしてもらおう!荷物はやはり女が持つには重いものが多いからな」


「ちょ、団長本当にこの男を連れて行く気ですか?!?!」


「あぁ、さっきも言ったがこいつはこの辺りでは見ない顔だ、恐らく遠くから来たのは本当だろう

それにさっきからお前達を傷つける様な事もしてない、だから荷物持ちぐらいがいいだろう」


「ですが、、」


あれ?団長俺のこと結構信じてくれてない?

てかこの女の人達のパーティーの荷物持ちか〜

現実世界では女子と手すら繋いだことなかったのに一緒に遠くへ行くのか、、うっ、緊張する


「おい貴様!名を聞いてなかったな教えてくれぬか?」


「俺の名前は戸村圭太です」


「ケイタか、では今日の夕方ここにまた集合だ

今回の依頼は恐らく少し遠くに行くだろうから野宿の準備をして、ここに来いよ!」


そっか、えっ?野宿?この人達と遠出どころか一緒に夜を過ごすの!?!?ヤバいってそれは!!!心臓が飛び出すレベルで緊張してしまう!


「おいケイタ!お前今変な事考えてたな?顔が上の空だったぞ」


「いえいえ!そんな事ないですよ!!それより団長と呼ばれている貴方の名前を教えてもらえないですか?」


「そうだな、私の名を名乗ってなかったな

私はこの女人のみのギルド、レッドピーコックのアイナだ!」


「アイナさん、ですねよろしくお願いします」


なんで俺女の人と喋る時は敬語になってしまうんだぁぁーー


「うむ、それでは改めてよろしく頼むぞケイタ」


うっ!ちょっとした笑顔が眩しい〜


その日の夕方ケイタは一応着替えなどを商店で買い食材などを少し揃えてからレッドピーコックの拠点の前に着いた


「ちゃんときたなケイタ!お前が来なければ我々総出でこの街を探し回って殺すところだったぞ」


うわぁ美人なのに言う事怖ぇ〜


「それではこれが今回の荷物だよろしく頼むぞ」


よーし!ここは男として重い荷物とか全て持って良い所見せるぞー!

まずはこの重そうなバックから、、ん?

動かないぞこのバック、

必死にバックを持ち上げようとするが一向に持ち上がらない


「はぁ〜お前これが持てないのか?」


「すいませんアイナさん、」


「まぁ、いいさ、少し私が預かろう

すまんが残りは頼むぞ」


「はい、ありがとうございます」


結構アイナさんに持ってもらった、てか軽くしてもらっても充分重いんだけど!!!


アイナと圭太一向は暗い森の中に入った


「団長あの男力もないですし、さっきからちょっとした虫にもビビってるし使えませんよ〜、そこら辺に捨てて帰りましょ〜」


「確かに使えないが、人が多いだけ荷物も軽いだろう?我慢するんだ」


おい、ヒソヒソ話しているが全部聞こえてるぞ

俺の地獄耳舐めんな


ガサガサ、ガサガサ、


ん?今草むらが動いた様な、、


「ウギャアァ!!!!」


げっ!!ゴブリンじゃん!本物初めて見たけど緑の肌に尖った爪と牙、正直グロデスクだ


「ひぃぃぃーーー」


ゴブリンに飛び掛かられた圭太は思わず悲鳴をあげてしまう

やべぇ俺ここで死ぬのか、


「はあぁぁ!」


シャキン!!!


甲高い音と美しい咆哮とともにゴブリンの首が飛ぶ


はぁぁ、助かった


「ケイタ、お主男だろ?こんなのにビビっていたら話にならないぞ」


「す、すいません俺の街にこんな奴いなかったもんで」


「随分平和な街だったんだな」


うぁぁぁぁ、またアイナさんに迷惑かけちゃった絶対嫌われたよ、最悪だよ、もう帰りたいよ〜


「団長そんな奴ほっといて早く行きましょ!日が暮れますよ!今日寝る寝床作れそうな所がすぐそこにありましたから!」


「あぁ、分かった!今行く!ほらケイタ今日はもう少しで休憩できるぞ、あと少し頑張れ!」


「ありがとうございます」


アイナさんマジで優しいな、本当に女神だ!

あんな俺の事を、笑っていた彩とは大違いだな

隆史も桜も今俺がこんなクエストみたいな事してるとは思わないだろうな〜


アイナが団員の後を追おうと歩き出した時

後ろから緑の影が迫っていた


ん?あれゴブリンじゃない?てかこのままじゃアイナさんが、やられてしまうなんとかしないと!


圭太はアイナさんの名前を叫び走る


「アイナさん後ろ!!!!」


アイナは声に反応し振り向きゴブリンを確認したが少し遅かった

アイナは死を覚悟し目を瞑った


「うぐぅっ、、、」


アイナは不思議と痛みを感じなかった

目を開けるとそこにはアイナをかばい長い爪で腹部をえぐられた圭太がいた


痛っっ、てか熱い、これはヤバい怪我したんだろうな俺こんなところで死ぬのか、、、、、、





圭太の意識はここで途切れた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る