二月の雪

 自動ドアが開くと、頬を冷たい風が包んだ。

 まつ毛に雪が降りてくる。

 モーションより早く、だんだんと冷えていく手足。

 息を吐くと、白さに包まれる。

 それが心地いいような気がした。

 早く帰りたいけど、味わっていたい。

 毛布に包まれた君の小さな手はきっと暖まっていて、面白そうに僕の冷たい頬をぺたりと包む。

 そんなことを思うと早く帰りたいけど、すやすや眠る君も好きだって思う。


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