夏の日

 梅雨がすっかり明けてしまった。

 雨はいい。気持ちが落ちついてくる。

 だけど洗濯物が干せないのが難だ。

 やっと干せるのを嬉しく思って、溜まっていた衣類を洗濯してやった。

 君はいつも僕の洗濯の邪魔をする。

 干しあがったシーツを掛け布団にかけたいけど、君はきっと邪魔をするはずだ。

「コラコラ」

 ほらね。

 君の冬毛が布団とシーツの間に入り込んでしまうけど、洗濯物はまだまだあるから、今日は好きに遊ぶがいい。

 新しく洗い上がったTシャツを、物干し竿にかけていく。

 シーツから出てきた君は、うっかり床に置いてしまったパイル地たちの上で嬉しそうにしている。

 窓の外には、洗い立ての僕の白いTシャツが、白い太陽の下で静かに揺れていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る