居場所

 私の居場所はなかなかにあったかい。

 ふかふかのベッドがあって、きらきらのボールを叩いて弾ませたなら、胸がすっとする。少し移動するだけで、おいしいお水も飲めるし、魚の味がするおいしいおやつもたくさん置いてある。

 居場所の終わりは透き通っていて、その先には大きくて馬鹿な猫がうろうろしているけれど、それを見るのも面白い。

 四つの足で歩くほうが何かといいように思うけど、大きい猫はいつも後ろ足だけでうろうろしている。

 おやつがなくなったら、居場所の終わりを叩いたりすればいい。大きい猫はそれでたいてい、新しいおやつをくれる。

 居場所の終わりには、普通の猫もいるし、少し違った匂いの猫もいたけど、違った匂いの猫は昨日の夜にいなくなって、今朝、違う匂いの小さい猫がその場所に来て、少し震えている。

 居場所の終わりには細い隙間があって、たぶんそこから、きらきらとした音が聞こえる。大きい猫が、前足できらきらしたものを挟んで、それを色々なところに置いている。私も、私のきらきらのボールを弾ませたら、居場所の終わりの向こうと同じようにきらきらに光っている。

 ふかふかのベッドできままに伸びをして。

 私の居場所はなかなかにあったかい。

 

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