第二節:外敵と空中戦

 飛行型大型亜竜で、とは書いたが、地球のプテラノドンの様な、翼竜を想像してはいけない。


 ワイバーンをさらに大きくしたような、全長二十五メートルクラスの、大型の肉食型飛行亜竜なのである。


 名称に『レードラン』とはあるのだが、生体がはっきりして無いので、現在研究中とのことである。



 しかし、この世は弱肉強食であることを、知らしめておかねばならないのだ。


 都市に、近づくと痛い目に合うということを、学ばせねばならないのである。


 幸いなのは、我々が新人ではなく、すでに二十数回にも及ぶレードラン撃退戦に参加して、生還している者であること。


 そいつらの弱点を知っており、それに対応した展開型高射砲なる射撃武器も手に入れていることである。



 だが向こうは、数で押してくるのだこちらは、いつじり貧になってもおかしくは無かったのであった。



 こちらにとって幸い? だったのはグランシスディア・ゼロよりも西に、グランシスディア・エイトができかけているというところであった。


 一度に、百数十機を運用できるほうが、強いハズではある。


 M・Mの、数からいっても、負けないはずであった。



 奴らレードランは、こちらからは食料が得づらいと判断したらしく。

 グランシスディア・エイト側に、目標を変えつつあったのである。


 向こうは、戦力が旺盛おうせいであるが、距離が近い。


 こちらは、距離が遠い上に、ある程度の手強てごわさを持っていると、判断されていたのである。



 これで三日位は、耐えしのげる、と思っていた矢先やさき警報アラート


 “グウォォォォッ! グウォォォォッ!”


 と鳴り響いた。


 各ゲートで一次退避格納たいひかくのうが、急がれ始めた。


 レーダーに、レードランが数匹来ていることが、分かったのである。



 今の、ギルド支部隊の持ち番は、副長ダイヤの時間である。


 高射砲の射程は、そこそこ長いとはいっても、奴らが上空で旋回せんかいし始めたら要注意である。


先鋒せんぽうでブルーアジュール三機が出た。だがまだこっちへの支援要請が無い」とダイヤからの不満げな報告があった。


 折角展開しているのに、といった不満が声に出ていた。


 その三機で、どうにかなれば良いが? と思い。


 データモードの画面表示を、長距離画像表示モードに切り替えた。


 確かに、『パワートレーラー』(以下Pt)たちをコンボイたちが護衛しているが、明らかにPtが目標になっていたのである。


 これでは、と思った矢先やさきに後方を走っていたPtから、何かが飛び上がった。


 軽装機であることは直ぐに分かったが、何をする気かと思ったのだ。


 すると、大型のレードラン相手に空中戦を、展開し始めたのである。



 しかも、剣技も使っていたのであった。


 長距離表示モードは画面が狭いが、動きで分かるのだ。


 あれは、真奥義だ! ということも、判った。



 確かに、M・Mで空を飛ぶことはできる。


 かなりの技量を、持って無いとできないが。


 荒業でもあるのだ、特に戦闘機動というヤツは。


(最高速度は光速といわれる)



 あっという間に、空中で二匹の大型のレードランの翼を、切り裂いて撃墜した。


 腕も、相当そうとうであった。


 シグナルマーカーで、どこかのギルドに所属してる機体であることが分かった。


 しかし、ギルドナイツのマーカーではなかった。


 そのため、連絡不足か? 取りこぼしでもしたか?


 と思ったが、そうでは無いようだった。


 しかし、こちらへの連絡は来ていない。


 泡食あわくって、他の一匹が逃げ出したようだ。


 その機体は、追い打ちはしなかったようであった。



 西側ゲートのほうでは、コンボイと輸送集団の受け入れが始まっていたのである。


 襲ってこないのを、確認して空中を悠々ゆうゆうと飛び。


 Ptに、対して着陸態勢に入った。


 しかも、走っている最中のPtに対して着陸も敢行かんこうして見せたのであった。


 そのまま、格納形態をとりPtの内部に格納されて行くのである。



 我々は、呆気あっけに取られることしかできなかったのである。


 だが、同じギルドマーカーでも、冒険者ギルドのシグナルマーカーであるらしいということが分かったのであった。


 パートナーの、クララ嬢の情報であるため、間違いは無い。



 コンボイの後方にいて、露払つゆはらいを行ったのだ。


 我々と、いっても起きているナイツは、私一人だけだ。


 西側ゲートに、急ぎ行くのであった。


 我々ギルドとしては、ほこり高かったのでギルドナイツMM支部隊を代表して挨拶あいさつに行こうと思ったのである。


 ギリギリで、コンボイの最後尾からそのPtが入ってくるところには、間に合ったのであった。


 階段を、一段一段駆け降りるのも面倒めんどうだったので、一気に五階くらいの高さを一気に飛び降りた。


(ナイツだからできるだけで、ノーマルがやれば死亡間違いなしである)



 ギルドナイツの、徽章キショウを付けたジャケットを着ていたため。


 向こうも、判断がつけやすかったようだ。



 エルフのお嬢さんが、Ptから降りてきた。


 コンボイの指揮官と、二~三こと話して別れる。


 直ぐに、こちらに来て、私に向かって敬礼を行った。


 私も、敬礼を返した。




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