弁当タワー

毎日食べるコンビニ弁当のケースを

綺麗に洗って積み上げていく

いつか空を突き抜けて

人工衛星に届くかもしれない

本当はただ

君に見つけてほしいだけ


旅立った頃の志は

資源ごみの日に出してしまった

青いコンビニのまん前の家

最上階のバルコニー付きの部屋で

ただひたすら生き続けている

眺めると遠くには山々

語りかけて答えない塊


ある日全てのケースが消えていた

そして置き手紙が

残念ながら弁当のケース語はわからない

手も足もない姿で

とても苦労することだろう

そして君の目に

届くことはないだろう


再び弁当のケースを積み上げはじめた

鎖で縛っている

僕の目から

逃れることはないように

いつか銀河も突き破って

過去まで届くように



(「無責任」第四号より)

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