封印されし聖剣戦記!~幻のアーティファクトを求めて~

naturalsoft

0章:プロローグ

平和な日常

約100年前、勇者が魔王を倒して世界に平和が訪れた。しかし、世間には広まっていない口伝があった。魔王は倒される前に必ず甦ると呪怨を残していたのだ。


それを危惧した一部の有力者達は、次世代の勇者を守るため、山奥に集落を作り隠れ住んだ。いつか復活する魔王を倒すために勇者の血脈を絶やさぬように育てて育成してた。


そしてちょうど100年経ち、ついに魔王が復活した!

魔物が活性化し世界が闇に飲まれようとした時─


勇者が立ち上がると云われている。



「お婆ちゃん、その話しは耳にタコができるぐらい聞いたよ~」


私、シオン・グラスハートは近所のお婆ちゃんに昔話を聞かされて脱力気味であった。


「このたわけ者が!」


コチンッと杖で殴られた。


「いたッ!何すんのよ!」

「御主がしっかりと話しを聞かないからじゃろうが!」

「だってもう飽きたんだもん!べーだ!」


シオンはあっかんべーをして駆け足でその場を後にした。


「もう、殴らないでもいいじゃん!」


プンプンしながら町を………失礼、村の中を歩いていた。


「はっはっはっ、災難だったなシオン?」

「見てたんなら助けなさいよ!グレン!」


シオンの1つ下の幼馴染であるグレンが笑いながら近付いてきた。


「だって、僕まで捕まっちゃうじゃん?」

「捕まればいいじゃない?そしたら私が逃げられるから♪」

「ひどっ!?」


わいわいぎゃーぎゃーと言い合いながら目的地へとたどり着いた。


「はぁはぁ、だったらこれで決着を着けてやるわ!」

「望む所だ!!!」


ガンッ!!!


二人は、村の外にある草原で木刀で斬り合っていた。何合も打ち合い汗が飛び散った。

グレンが上段から振り下ろすと、シオンは斜めに受け流し、その勢いを利用してグレンに斬りかかる!


「あぶねっ!?」


とっさに身を屈めて一撃を避ける。しかし態勢が崩れたグレンにシオンは追撃を加える!


「もらったわ!」


今度はシオンが鋭い一撃を放った!


「なん………の!」


ガンッ!?

グレンは上段から振り下ろされたシオンの一撃を倒れながら木刀を横にして防いだ。


「やるわね。でも、今回は私の勝ちかな?」


グレンはシオンが片足を後ろに上げている事に気付いた。


「ま、待て!俺の負け!負けでいいから!その足を下ろせ!!!頼むーーーーーー!!!!」


そう、倒れている状態のグレンをシオンはグレンの男の急所を蹴り上げようとしていたのだ!?


「はぁ~、だらしないわね。急所の1つや2つ潰れても掛かってきなさいよ」

「無茶言うな!!!」


グレンはこの時、悪魔のような女であるシオンに心底恐怖したという。


「ふぃー、助かった………マジで」


冷や汗を拭いながら、立ち上がったグレンはこの後の予定を聞いた。


「シオンはこの後はどうするんだ?」

「んっ?家の掃除と夕食の用意かな?」


!?


「………明日はサンダーレインかな?」


バキッ!!!


「何、格好付けて言っているのよ!久し振りにお母さんが帰ってくるのよ!」

「いて~な。ってか、賢者アイラ様が帰ってくるのか!?」


シオンの母親は賢者アイラと呼ばれ、この国の国王の相談役として多忙を極めており、1ヶ月に数日しか帰ってこないのです。

シオンもまだ16歳、寂しいお年頃であ─


「はぁ~!最悪だよ…………」


─る?


あれ?


「ああ、最悪だ…………」


あれれ????


ズーーーーン!!!!

と、二人の空気が重くなった。


「ああぁ…………次に戻ってくるまで、まだ先のはずだったのに………」

「今回はすぐに帰って(城に)くれるといいんだが………」


二人は賢者アイラの厳しい修行にビクビクしていた。


「………前回はなんだったけ?」

「………やめて、思い出したくない」


すでに辛すぎて記憶から消している二人だった。そして時間が過ぎていく。


「余り時間がないから帰る……」

「ああ、死ぬなよ!」


シオンはドナドナのメロディーが聴こえるような哀愁漂う空気で帰宅するのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

※久し振りに作ってみました!

某RPGっぽいマップとイラスト!

(なろう、アルファに投稿してあります。パソコンを使って作者が作りました)


ストックがあるうちは毎日更新頑張ります。

ストックが尽きたら火曜日、土曜日更新になります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る