危な愛

「お母さん、お母さん‼」



「え?あ?香織どうしたの?

何か忘れ・・・物?」

香織に気づいたミカは魂の抜けた

様な弱々しい声で香織を見た‼


「何言ってるの?

晩御飯一緒にってママが誘って

来たんでしょ!

蒼生とずっと待ってたんだよ。

ねえママシッカリして、

何があつたの?」


「え?もうそんな時間?

あ、ああ、行かなきゃね!

ごめ・・ん・・・なさうううう

うっうっうううー

あーあーわあーああぁあぁあぁ」


ミカは堰が切れたように泣き出した。

ミカの座っていたテーブルの

上にはA4サイズの封筒が封を切って

置いてあった。


何時も元気印の様な香織の母親

「もうっ、蒼生くんったらあー」

蒼生の肩をバシバシ叩きながら

笑い転げる姿とは対象的な

憔悴しきって疲れ果てた

香織の母親がいた。


蒼生も香織もビックリして

しゃくり上げながら泣き喚く

母親の背中を撫でながら

何があったのかと心配していた。


暗い室内は何かの怒りも驚きも

噛み潰したかのように不気味な

静けさの中ミカの泣き声だけが

響いていた。

TVにはDVDが入っていて蒼生が

再生を押した。


香織は不思議に思いA4サイズの

封筒を開けて見た。

蒼生が電気を付けたと同時に

写真がバラバラバラバラと

テーブルに落ちた。


するとDVDに再生された動画は?。

ガタガタガタガタ

ソコには信じられない映像が

流れだした。

蒼生の手にも香織の手にも

ハメ撮りと呼ばれる写真が・・・


映像も香織と蒼生もただただ

唖然として・・・

蒼生が写真をグシャグシャに、

握り潰し左手は蒼生の拳が血を吹いて

ダラダラと赤く流れていた。


ミカは何回も再生して見たのだろう。


「お、お、お母さんコレ・・って‼」

後ろ向きの蒼生の母親に覆い被さる

男性はハアハア言いながら

想いを果てた。

そしてその男性が振り向いて笑った


「ぎゃ━━━━━━━━━━━ツ‼」

その時の香織の絶叫は未だに

耳から離れない。




・・・な・・にコレ・・・?





「何回見てもお父さんよ、香織‼」

堰が切れたようにミカは

《《お父さん、10年も浮気して

いたのよ‼私達に気づかれないように

今まで続いていたんだって‼

どうしょう、香織・・・

終わり・・だワ!》》


そう話していた時も、乱れた

呼吸は続いて二人の気持ち悪い

情事は進んで行く。

蒼生の母親と、香織の父親は

何回も同じ事を繰り返していた。


「ね、ねえ〜あ‼ あ、ミカ、

ミカより愛してる慎吾ー」


ハッハッハッ

「ミカ?あれは家政婦だよ。

俺が、愛してるのは菜々香だけだ‼」


チュッチュッ

「あ、ああ嬉しいいぃぃ。」

香織はショックで動けない!


父親の裏切りは香織に耐え難い

傷を付けた。

母親の事を家政婦と言った、許せない💢


「お母さん

殺そうか・・・この二人‼」

ポッリと香織が呟いた。

冷えた聞いた事のない香織の声


蒼生も正気じゃ居られない程の

ショックを受けていた。

まるでメスブタの様な母親の姿に

気持ち悪くなり吐きあげた。



殺してやる💢💢、

そんな感情が湧き出してくる。


蒼生はもう菜々香の事を母親とは

思わない、あんな母親から生まれた

自分さえ穢れている様に思える。


この内容証明を送り付けたのは

蒼生の父親、御喜 夏生だった。

父親は何時から知っていたのか?


菜々香と慎吾は不倫旅行が

バレているとは知らず三日後

御機嫌様で帰って来た。


蒼生の父親夏生が6人で食事をするから蒼生の実家に集まるように集合を

かけていた。


「おう、夏生、地酒買って来たから

皆で飲もう。

蒼生くんも20歳だよな、

酒飲める年齢か、義息子と酒が

飲めるのかー

いやあ嬉しいなぁー」


浮かれた男に制裁初めの言葉が飛ぶ!

「慎吾、何処に行っていた?

菜々香との不倫旅行は楽しかったか?」

蒼生の父親夏生が血のはうような

冷えた声で叫んだ!


一瞬で菜々香と慎吾の笑顔が凍りついた。


「あ、(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…

あなた何勘違いしてるの?

仕事よ‼

いやだァ、ミカが勘違いするじゃ

ない、そこのコンビニで会ったのよ‼

変なこと言わないで‼」


ミカの目が`✧ω✧´光る。


「菜々香、最近出張、残業ばかり

だったろう。

毎週出張はおかしいだろ‼

出張のあとは残業、さすがに怪しいワ‼ 俺お前が残業と言ってた日

何回か迎えに行った・・・

しかしお前は、1回も居なかった。


トイレかも知れない、食事かも知れない、そう思って気持ちを落ち着かせた。

それから1時間俺は車の中で菜々香を

待っていたんだよ。


警備は、会社には誰も居ないと

言ったんだ、もしかしてすれ違って

しまったかと思い家に帰った。



そして日を跨ぐ頃

お前・・・帰って来たよな‼

残業で疲れたって言いながら💢💢


お前は会社で仕事して居たと言った。

怪しむのは仕方ないよな(笑)

俺は興信所を頼んだんだよ。


泳がせて1週間、直ぐ大量の証拠が

揃ったよ、お前ら毎日会ってたし

疑いたく無かったが認めるしかない!

菜々香お前は浮気していたんだよ、

でも、でもな‼許せないのは

そこじゃ無い」


💢💢💢

バサバサバサバサ━━━━━ッ

不倫の証拠を夏生は慎吾に叩き付けた

フローリングの床に散らばった。


二人の熱烈なキスシーンや抱擁

ついにはあの場面迄繊細に


映し出されていた。

目を背けたくなるような、えげつな

い物迄あった。


香織と香織の母ミカは大声を出して

泣き崩れた。


「お前達が不倫旅行でハワイに

行っていた事は、分かっている。

さぞ楽しかったろうな‼」


ミカは思わず声をあげた。


「す、すまん夏生‼

俺たちは遊びで、仕事で疲れて

お互い愚痴をこぼして、

じゃあ気晴らしに・・・って

事だったんだ、

菜々香もストレスが溜まってて

気晴らしだったんだよ‼」


慎吾は土下座で謝罪した。


「ほ、ほんとよアナタ

ミカも聞いて‼

私たち、あなた達が思うほど

の関係じゃないのよ‼


蒼生と香織ちゃんも結婚するし

ね、ね、許して、ちょっとした

気の迷いよ‼

菜々香なら分かってくれるよね

私達親友じゃない。


軽い気の迷いなんだから

本気にしないで‼」


傍で聞いていた蒼生は凍った声で

言った。


「母さん、いや

香織と結婚できる分けないだろ‼」

ぅぅぅぅううう

ミカと香織の泣き声が響く!


「俺にはアンタの血が流れてるし

香織には(慎吾を睨み付け)

アンタの血が流れている。


おばさんや、親父の気持ち考えたら、

んな事出来るわけ無いだろ‼

考えろこのメス豚‼

なんで香織の父親を💢💢💢💢

ウッウッウウゥゥ

不倫相手にえらんだんだよ‼」


蒼生が怒鳴りつけている間、香織の

鳴き声は蒼生の背中を流れていた。


《《親父とおばさんの気持ちを

考えろよ‼》》


バアアアァァ━━━━━━ン‼

とテーブルの椅子を蹴り倒し温厚な蒼生の何かがキレた。

蒼生が怒鳴っている間も香織の泣き声が響いていた。


「お前なんか母親じゃ無い、

メスブタ、なんて格好で尻ふって

んだヨ‼

いい歳したババアが気持ち

わりーんだヨ‼」



「あ、ブルブルあ、蒼生

ゴメン、ゴメンなさい

でも母親を

メスブタとかババアとかそんな

呼び方しないで・・・」


(≧▽≦)アハハハアハハハハハハハ

「じゃあこのDVD見てもそんな事

言えんのかヨ‼メ・ス・ブ・タ・‼

よ━━━━━━━━━━くみて見ろ

ブヒブヒ言ってんじゃねーよ!!

人前でしかも公園

誰かに見られるのが興奮するん

ダッケ?・・・・ド、変態‼」



蒼生はDVDを菜々香目掛けて投げた


キャッ‼

如何わしいDVDは菜々香の頬を掠めて落ちた。


「汚らしい!4ね‼」

蒼生の口から軽蔑した言葉が菜々香に

投げかけられた。


黙って項垂れていた慎吾が

ハッとしたように言った。


「蒼生君、香織と私は別に

考えてくれ‼

香織は小さい時から君と結婚

する事を思ってきた‼

ずっと夢見て来たんだ‼

頼む‼

頼む‼ 香織の気持ちを優先して

考えてくれ‼

私の事と香織の事は別なんだ‼

香織は関係無い、な、な‼」

追い縋る慎吾を蒼生は


「ケダモノ‼二度と顔を見せるな

アンタを義父と呼べるワケ無いだろ‼

オバサンもあの女から

生まれた俺を息子とは呼べないはずだ‼


俺と香織はあんたらの汚い汚れた

血が流れていますからね‼💢💢」


「蒼生くん頼むよ!

香織、香織は、関係無い‼」


「お母さんが泣いているのよ!

見えないの?関係無いなんて

何で言えるのよ‼

パパにとってママは、

ただの、家政婦だったの許せ無い‼


ママはパパの健康を

シッカリ考えていてくれてたのに‼

パパを大事に思ってくれていたのに

10年も私達を騙して酷い‼」


黙って聞いていた夏生が


「フッお前ら会うのが遅すぎたんだろ、菜々香お前は何回も慎吾を

愛してるって叫んでいたぞ


お前らは遊びで真実の愛を

誓い合うのか、フッ笑える‼

もう俺達に嘘つく事無く真実の

愛を貫けば良い!

お前達は運命の相手らしいからな‼」


「そうよ‼」


ミカも涙声をからして叫んだ!

「公園でも駅でも何処ででも

勝手にどーぞ‼私と夏生さんにも

遠慮要らないわ

情けない!ウッウッウッ」


「畜生め‼

もう話す事も会うことも無い

弁護士を立てて話し合いをする。

あとは弁護士と話してくれ‼


菜々香、荷物纏めて1週間で

出ていけ、

残った物は業者に頼んで全部捨ててやる。

菜々香、お前の物は全部だ‼」


蒼生は菜々香に唾を吐きかけ

「早く消えろババア‼」


そう言うと夏生は、蒼生を連れて

出て行った。




ミカは急に般若の顔になり

菜々香の頬を

バッシ━━━━━━━━ン

叩きつけた‼


その剣幕に慎吾も驚いた。

大人しく従順で、慎吾に逆らった

事無くハイハイと言うことを聞く

奥ゆかしい妻の姿は無かった。


「アンタ達が壊したのは

私達の家庭だけじゃない‼

香織と蒼生くんの人生も

壊したのよ!💢

土下座しょうが、関係無いって

言おうが、この子達の将来も

終わったの‼


慎吾、香織に謝っても

家政婦の私に謝っても

壊れ💢たのよーー💢💢」


息を切らす程叫んだミカは

香織の手を取り


「帰ろうか、香織‼」

ミカは香織を抱き起こた。


「待ってくれミカ‼

お前だけなんだ、菜々香とは

本当に遊びで付き合っていたんだ

愛しているのはミカだけだ‼」


「は?笑わせないで今更‼

あなたは菜々香と暮らせば!」


「な、なあミカ謝るよ

もう菜々香とは会わない‼

菜々香そうだよな

菜々香も夏生だけだよな‼」


「そうよミカ

許して私たち長い付き合い

じゃない‼」


「やめてよ💢私も弁護士立てて

キッチリ制裁するから」

菜々香忘れた?

私が生徒会長だった頃

学校を取り仕切ってたのよ、

私は大人しく従順じゃないのよ、

あんたも私の手伝いしてたじゃない。


あの進学校を動かしてた実力が

あるのよ!

舐めてんじゃないわよ!

何人もの男子生徒を従えて

働かせていた!


アンタに負ける気なんか

しないわよ!


愛情も友情も木っ端微塵に吹き飛んだ、

今更、容赦しないわよ!

やる時はやるわ笑

楽しみにしてなさいよ‼


ねえ慎吾、私を甘くみていたの?

なら見当違いね、

私やあの子達の未来を壊したお前らに

容赦なく後悔させてやる‼


地獄に堕ちろ!💢💢

許さないから・・・せいぜい苦しめ‼

息も出来ない程叩き潰してやる!

せいぜい後悔しろ‼💢💢


裏切り者‼💢




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