第5話 ギルドと装備と仕事と仲間と…➁

異世界へ転移した玄人は怒涛の一日を終え、

道中助けたレイカの両親の経営する宿を拠点とすることになる。

レイカの『お手伝い』である森への同行という

仕事を引き受ける代わりに、1カ月の宿泊無料という

良条件を提示され快諾し【拠点】と【仕事】という

超重要な2つを簡単に手に入れてしまうのであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

玄人Side


『チュン…チュン…』


朝か…。

急いで会社の準備をしなくては。

えぇと、今日のタスクは…って

どこだここ。


あぁ、違う。


間違えた、もう【会社】も【早出・残業】も無いんだった。



そうなると、だ。


今日一日どうするか…。



まずは、やることだけ整理するか


①ギルドへ

昨日の事で話を聞きたいって事だったな。

ここで新しい仕事も都合をつけておきたい。

あとは情報収集だな。

昨日渡したベアラットの報酬も貰わなくては。


②町へ

この世界で武具・防具がかなり重要という事はわかった。

このまま丸腰というのも仕事にならないからな。

武器屋と防具屋、道具屋には必ず行こう。

他にもソルレイクの町を一周してみるか。


③レイカの手伝い

これはレイカに確認だな。

そもそも今日もあるのか知らんしな。

まずはこれからか。



よし、あらかた整理できたな。

まずは③レイカに確認しに行くか。


その後に①、②って感じだな。



玄人Side out

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


玄人)おーい、レイカ!


レイカ)はーい?


玄人)昨日の今日なんだが、今日は手伝いはあるのか?


レイカ)ううん。

今日は無いよ!

昨日のベアラットの件がギルドでかなり問題になってるらしくて、せめて今日はやめなさいってお母さんが。


玄人)そうか、わかった。

その件ももしかしたら俺待ちかもしれないからな。

早速ギルドに行ってみるよ。

大した情報もないんだが…。


レイカ)うん。

早く解決してくれないとお手伝い出来ないからね!

よろしくお願いします。


玄人)ああ、行ってくるよ。

あ、そうだ、借りていた5ガルを返しておくね。


レイカ)うん。

って、これ50ガルもあるじゃない!


玄人)あぁ、ベアラットの情報をギルドに話したらかなりの額の報酬が貰えたんだ。

あの時は本当に困っていたからな。

少し少ないが、感謝の気持ちとして受け取ってくれ。



レイカ)本当に!

やったー!

あの一件で数日は外に出られなくなるって聞いてたからどうしようか悩んでたの。

逆にたすかっちゃった。

本当にありがとう。

改めて、いってらっしゃーい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〜ギルド〜


玄人)やぁ、どうも。

昨日世話になった玄人という者です。

今日来るように言われて来たのですが、

イルさんは居ますか?


イル)クロト様わざわざお越しいただきありがとうございます。


玄人)あ、イルさん。

昨日はどうもありがとうございました。


イル)こちらこそありがとうございました。

さて、本日ですが、昨日お話しした通りベアラットの件を詳しく教えてください。

ギルドの一室をご用意致しました。

こちらにお越しください。


玄人)あ、はい。

わかりました。

どのくらい有益なお話しができるか分かりませんが、全てお話し致します。


イル)はい。よろしくお願い致します。


『ガチャ』


イル)こちらでございます。

あちらのソファにお掛けいただき、少々お待ちくださいませ。

何かお飲みになられますか?


玄人)わぁ、すごい良い部屋ですね!

飲み物に関してはどうぞお気になさらず。


イル)そうは参りません。

玄人様はお客様ですから、

お茶をご用意させていただきます。

今しばらくお待ちください。


玄人)ありがとうございます。



『ガチャ』



?)イル俺にも茶を頼む。

特別熱ちーのな。


イル)お客様の前ですよ、ノックされてから入ってきてください。

ギルド長。


玄人)…《この人がギルド長…!》


ギルド長)悪りぃな。

クロトとやら邪魔するぞぃ。


玄人)あ、はい、どうぞ。


ギルド長)俺はこのソルレイクのギルド長をしているテリーだ。

よろしくな。


玄人)クロトと申します。

お世話になります。


テリー)それで早速なんだが、ベアラットがすぐそこの森で出たそうじゃねーか。


玄人)えぇ、すぐ近く、歩いて30分程ですかね。


ギルド長)それは穏やかじゃねぇなぁ。

本来奴らはそんな距離にいるモンスターじゃねぇ。

それにな、俺が1番危惧してるのは、奴らが集団で来てるんじゃねーかって事なんだよ。

この森は子供達も出入りする比較的安全な森なんだ。

そこにあんなのが住み着いてみろ、大問題だ。


玄人)なるほど、それでこの騒ぎなのですね。

今後はギルドで対処するという事ですか?


ギルド長)そうだな。

基本的には俺達で対処したいと考えてる。

だが、万が一にも大軍で襲って来た日には対処しきれるかどうかわからねぇんだ。

そもそもこの辺境の町のギルドに高ランクの冒険者は来ないんだ。

だから低ランクの冒険者ばかり居るんだよ。


玄人)そ、それはまずいですね。


ギルド長)あー、そうなんだ。

だからよ、お前さんを見てみたかったんだよ。

ベアラットを軽々倒せちまう新人冒険者をな。


玄人)いや、軽々って事は無いんですが…。


ギルド長)謙遜すんなよー

あの傷を見ればどう倒したかなんでわかるんだ。

一太刀。

あれはかなりの実力がないと不可能だ。


玄人)まぁ、あれはたまたまみたいなものなので。


ギルド長)…。

まぁ良い。

冒険者は手元に力を隠し持っておくもんだ。

深く詮索はせんよ。


玄人)まあ、そういう事にしといてください。


ギルド長)わかった。

だが、力は借りてぇ。

こちらからの依頼ととってくれて構わねぇ。

ちゃんと報酬も出すし、少し増してくれてやる。

だからベアラットの調査、あわよくば殲滅をしちゃくれねぇか?


玄人)それは勿論、自分達に被害が出そうであれば全力で戦いましょう。

ですが、殲滅をお約束は出来かねます。

そもそも殲滅した証拠を提示できない。


ギルド長)それもそうだな…。

なら積極的に倒してくれるだけでも良い。

どうだ?


玄人)わかりました。

それは、引き受けましょう。

ですが、勿論無理と思った場合は撤退させていただきますので、ご理解ください。


ギルド長)わかった。

契約成立だ。

まずは、これだ。

先日のベアラットの報酬だ。

少し増してある、俺からの気持ちだと思ってくれ。


玄人)1万ガルも!?

いくらなんでも貰いすぎでは!?


ギルド長)毎回じゃないさ。

今回は特別な。

解体料も、生産済みでその報酬額だ。

次回以降は元の報酬額に戻るからな。

ま、その分期待していると思ってくれ。


玄人)わかりました。

私も戦う上でお金は大切だと思っているので、ありがたく頂戴致します。

あ、それと、この町でオススメの武器屋、防具屋、道具屋はどこにあるか教えてもらってもいいですか?


ギルド長)あぁ、わかった。

後でイルに地図を渡すからカウンターで受け取ってくれ。

それまではしばらくロビーで掲示板でも見ているといい。


玄人)わかりました。

ありがとうございます。


ギルド長)これから、よろしく頼むぞ。


玄人)はい。

それでは失礼します。



…………

………

……


ギルド長)《アイツ(クロト)の頭のキレは半端じゃないな。

報酬の事もそうだが、店を俺に聞いてくるあたりかなりの知恵を持っているな。

なんとしてもアイツ(クロト)とは懇意にしておかねば。

さて、俺もベアラットが攻めて来た時に備えて動いておくか。》



…………

………

……



玄人)《あー、緊張した。

ギルド長いきなり入って来るんだもんなぁ。

なんとなく想像出来た展開だけど、上手く交渉出来てたかなぁ…。

それにしても、あのギルド長頭いいなぁ。

地頭がいいというか、回転が早いのと洞察力が半端じゃない。本当に、味方で良かった。

まぁ、無理のない範囲で頑張りますか。》


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


玄人)んー。

あまりいい仕事は無いなぁ、ベアラットの件で外に出るのが止められているのがでかい。


イル)クロト様。

大変お待たせ致しました。

こちらが、この町の地図でございます。

ギルド長オススメのお店にチェックが入っておりますので参考になさってください。


玄人)ありがとうございました。

早速行ってみます。


イル)はい。

くれぐれも無理をしないよう気をつけてくださいね。


玄人)はい。

それでは。


〜ギルド out〜

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


玄人Side


さて、2つ目の用事も終わったし、

ギルド長に聞いたオススメの店を探してみるか。

てか、この待ち本当に広いな…。

町を全部見回るのはレイカに頼んで一緒に回った方がいいかもな。

とりあえず、武器屋、武器屋…。



…あ、あった。

ここか…えぇと?

【小さな破壊者達】?

なんか、懐かしい気がするのは俺だけか?


まぁ入ってみようか。


玄人)ごめんくださーい!


………

……

…。


玄人Side out


――――――――――――――――――――


皆様こんばんは。

yukke21です。



またまた難産。

そして三連休は家族サービスという事で、なかなか執筆が進まず。

なかなかしんどかった…。


また改めて頑張ります。


それではまた次回お会い致しましょう。


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