13話:気になるあの人と話がしたい

 あれから数日後。


「というわけで明日からゴールデンウィークだが、ハメを外しすぎないように。課題も計画的にやれよ」


 早いもので、明日からもうゴールデンウィークだ。しかし、改めて渡された課題一覧を見ると、一週間の量ではない。


「…課題の量エグくね?夏休みかよ」


 先輩達から課題の量がおかしいと聞いてはいたが、まさかこれほどまでとは。


「二、三年の経理科と進学はもっと多いらしいよ」


 一年は共通科だが、二年からは経理科、情報処理科、国際ビジネス科、特進の四つに分かれる。この学校が一番力を入れているのが経理科らしく、特進並みに課題の量が多いと経理科の先輩達は口を揃えて愚痴を言う。ちなみに、七クラスのうち三クラスが経理科で、まこちゃんは情報処理科、空美さんは特進。空美さんの所属するクロッカスのメンバーはリーダーと空美さん以外経理科で、リーダーのきららさんは国際ビジネス科。演劇部の先輩は情報処理科や国際ビジネス科が多い。うみちゃんは経理科か特進志望らしいが私はまだ分からない。


「あっ、そうそう百合香、ちょっと君に聞きたいんだけど」


「何?」


「誕生日っていつ?」


「6月25日だけど…」


「6月25日…百合の日か」


 スマホを取り出し、すぐにカレンダーにメモを始めるうみちゃん。私もカレンダーにメモをする。

 百合の日ってなんなんだ。初めて聞いた。その百合は花の方なのか、それとも女性同士の恋愛や友愛を表す方の百合だろうか。


「当日はお祝いするね」


「ちなみに、私の誕生日は3月3日。ひなまつりの日な。ほれ、今すぐメモれ」


「は、はい」


「ついでに私の誕生日もメモしておいてね。7月20日だよ」


 律儀にメモを取るユリエル。


「…百合香、もう一ついい?」


「えぇ。何?」


 どうやらうみちゃんの本題は別にあるらしい。


「…私の母さんの知り合いに、小桜さんって男性が居るんだけど、ユリカって名前の、同い年の娘さんがいるんだって。私と同じ学校で、同じ学年って言ってたから、多分君のことだと思うんだ。一応、確認のために色々聞いてもいい?」


 うみちゃんの質問に対して全てYESで答えるユリエル。うみちゃんの母親のかいさんはバーを経営している。人と関わる機会は人より多いが、凄い偶然だ。


「別居してるんだっけ」


「えぇ。兄が小学校に上がる前くらいから。…それ以来、一度も会ってないわ。…海菜、お父さんの連絡先、聞いてきてもらえない?」


「あっ、今送るよ。百合香が欲しがったら渡していいよって言われてるから」


「…なんでお前ユリエルのお父さんと友達になってんだよ」


 まさか父親に取り入って外堀を埋める気なのだろうか。


「ちょっとね。葵さんのことも知ってるよ。カズくんの高校の後輩だったみたい」


「カズくん?」


「みぃちゃんのお兄さん」


 空美さんの兄の和希かずきさんの高校というと、偏差値70を超える名門である蒼明そうめい高校だ。


「…カズくんと同じ高校ってすげぇな。あの人、蒼明だろ?」


「うん。そう。蒼明高校で三年間学年トップをキープし続けた化け物だよ」


「…私からしたらお前も化け物だけどな」


「あははっ」


 否定しない。まぁ、周りから散々不気味だと言われているから自覚はあるのだろう。

 彼女は頭の回転が恐ろしく早い。付き合いの長い私でさえ、考えが読めなくて不気味だと感じることがあるほど。しかし、同時に彼女は誰よりも人間らしくて繊細だということを私は知っている。人の声を聴き過ぎてしまうのだろう。


「ところで、百合香は今日部活休み?」


「いいえ。演劇部は休みなの?」


「休みじゃないけど自主練だからどうしようかなぁって感じ。けど、君が部活あるなら自主練しながら終わるの待とうかな。満ちゃんは帰る?」


「おう。どうせ自主練とか誰もんだろ」


 望はバイトだと聞いている。私は特に用事はないが、帰れるなら帰りたい。


「望はバイトだもんねぇ…」


「おう。じゃあな」


「うん、また明日。部活いこっか。百合香」


 一人で帰宅するのはなかなか無い。小学生の頃も、中学生の頃も、隣に二人がいる日がほとんどだった。二人がいるのが当たり前だった。高校生になったらその当たり前は当たり前じゃなくなるのかなと思っていたが、志望校が偶然被り、全員合格して当たり前の日常は延長された。しかし流石に、大学までかぶることはないだろう。

 などと考えながら靴を履き替えていると、部活先輩の姿を見つけた。同じ中学だった酒井先輩だ。


「お、月ちゃん。部活行かねぇの?」


「逆に、私が自主練出ると思います?」


「ナイトくんとか王子ちゃんが行くなら行くじゃん」


「うみちゃんは行ったけど、望はバイトっす」


「ふーん。じゃあ一緒に帰ろっか」


「まぁ、帰り道一緒っすもんね」


 男子と二人で歩いていると色々めんどくさい絡まれ方するから正直嫌なのだが…わざわざ彼と時間をずらして下校する方が面倒だ。


「…そういや私、最近気になる人が居るんすよ」


「…すまん月ちゃん。俺も気になる子いるんだわ。君の気持ちには答えられん」


「いや、あんたはどうでもいい。…クロッカスのヴァイオリンの人」


「あぁ、一条さんか。柚樹じゃない方の」


「うん。…あの人のこと、ずっと気になってるんだけど話すきっかけが掴めなくて」


「なるほど…兄の方とは仲良いけど、妹の方はあんまり話さないからなぁ…クラスも違うし、向こうは多分俺のこと知らないと思う。安藤さんとは仲良いよ」


「それは分かってるんすけど…」


「その気になるって、恋愛的な意味?」


「それを確かめたいから話してみたいんすよ。…で、先輩の気になる人って?」


 なんとなく、聞けと言われた気がした。その勘は正しかったようで、彼はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに目を輝かせる。


「俺さ、小学生の頃に迷子になったことがあってさ。あれは確か、10歳の頃だったかな」


「お、おう?」


「その時に迷子センターまで手を引いて連れて行ってくれた一つ年下の女の子が居てさ…」


「…年下に助けられてんのかよ。情けなっ」


「う…助けられたというか、彼女も迷子だったんだよ。真顔で『奇遇ですね。私も迷子なんです。一緒に迷子センターに行きましょう』って」


「なんだその子。面白いな。…で?その子と再会したの?」


 こくこくと先輩は大きく素早く頷く。


「そう!まだ本人かどうかはわからないけどね」


「名前は?」


「ホウジョウさん。下の名前はマイカ」


 その名前には聞き覚えがある。財前さんと一緒に居た彼女だ。迷子になっても動じない姿は容易に想像できる。


「…うん。多分私の知ってる北条さんだと思う」


「マジで!?月ちゃん知り合い!?」


「まぁ、うん。クラスは違うけど知ってる。薙刀部入ったって言ってた」


「薙刀…そういや習ってるって言ってたな…」


「今度先輩のこと覚えてるか聞いて…「あら、月島さん」


 噂をすれば北条さんだ。珍しく一人。今日は部活は無いのだろうか。


「おう。ちょうどあんたの噂してたんだよ」


「私の噂?」


「そう。この人のこと覚えてる?昔、あんたと一緒に迷子になったことがあるらしいんだけど」


「迷子に…もしや、ゆうくんですか?」


「!そう!酒井遊です!」


 彼女が自分を覚えて居たことがよっぽど嬉しかったのか、北条さんの手を取ってぶんぶんと振る酒井先輩。尻尾の幻影がぶんぶんと左右に素早く揺れている。常に冷静なイメージがある北条さんも流石に困り顔だ。


「…あの、離していただけますか」


「はっ…ご、ごめんね!」


 ハッとして彼女の手を離す酒井先輩。彼は妹が二人と姉が一人の女兄弟の中で育ったせいか、女性との距離がやたらと近い。その距離感に戸惑う女子は多いが、北条さんは平然としている。


「いえ。…一度しか会ったこと無いのによく覚えてましたね」


「それはお互い様だろ?」


「まぁ…はい。名前だけは覚えていましたが、今改めて貴方の顔を見てもあの時の可愛らしい少年と結びつきません。…その人懐っこい性格は変わって無いようですが」


「北条さんこそ。…こんな形でまた会えるなんて…運命感じちゃうね?」


「いえ、全く。生憎私は運命なんて信じていないので」


 先輩の口説き文句をばっさりと切り捨てる北条さん。


「あはは…君も変わんないなぁ…」


「…運命は信じませんが、貴方とこうして再会出来たことは嬉しく思っています。驚きました」


 柔らかい笑みを浮かべる北条さん。その表情を見て酒井先輩の方が驚きを隠せない顔をする。北条さんはすぐに真顔に戻り、何か?と首を傾げる。


「いや…俺も嬉しいよ。…ずっと、君に会いたかった。あの時のお礼を言いたくてさ。ありがとう」


「こちらこそ。あの時私、一人で心細かったんです。迷子仲間を見つけてホッとしました」


「…心細かったって割には冷静だったけど」


「…表情が乏しいとよく言われます」


 なんだか弟の友人でうみちゃんの従兄弟—空美さんの弟—の七希ななきみたいだ。彼も表情の変化がほとんどない。幼少期から見ているが、笑ったところをほとんど見たことが無い。逆に、彼の双子の姉の七美ななみは喋らなくてもうるさいくらい表情が豊かだ。二人を足して2で割ると丁度いいのだが。


「ねぇ、北条さん。連絡先もらっていい?」


「はい」


「あ、ついでに私も」


「どうぞ」


 彼女とLINKを交換する。アイコンは花の写真。桜だろうか。タップしてみると、壁紙は月明かりに照らされる夜桜の写真。アイコンの丸に収まっている写真と同じ桜だろうか。


「アイコンと壁紙の写真、いいねこれ」


「桜?」


「はい。庭の冬桜の写真です」


「庭に桜あんの!?すげぇ!」


「あ、いえ、私の家ではなくお嬢さ……友人の家の」


「…へぇ…いいなぁ…庭に桜いいなぁ…」


 と言いかけたということは財前さんの家の庭だろうか。財前さんといえば、実さんのことをと呼んでいたことをふと思い出す。ヴァイオリン教室の先輩後輩の関係だと言っていた。やはり実さんもお嬢様だったりするのだろうか。


「…北条さんってさ、財前さんとどういう関係なの?」


「私の両親が彼女の家でお手伝いさんをしているんです。その関係で彼女に昔から奴隷扱いされてます」


「ど、奴隷?」


「…奴隷は冗談です。両親の話は本当ですが」


 彼女の冗談は表情が変わらないから分かりづらい。


「まぁ、幼馴染であり、使用人みたいな感じです」


「なるほど」


「静ちゃんと一条さん達みたいな感じか」


「そうですね。ただ、西城さんは正式に雇われていてお給料を貰っているようですが、私は雇われてはいませんのでお給料は出ません」


 西城さんというと…あぁ、そうだ思い出した。クロッカスのベースの人だ。


「ふぅん…やっぱ実さんお嬢様なんだ」


「一条グループのご令嬢だからな」


「一条グループ?」


「ヴィーナスは分かる? 化粧品メーカー」


「あぁ」


「あの辺の親会社」


 ヴィーナスというと、有名な化粧品メーカーだ。私が使っている化粧水もそこのものだ。


「へぇ……財前さんは?」


「お父様が市会議員、お母様が弁護士です」


「すげぇな…」


「青商は割と会社とかお店を継ぐために勉強しに来たって人多いよ」


 そういえばうみちゃんもそうだ。それに比べて私は大した目標はない。


「…凄いなぁ…私はまだ何やりたいか分からないのに」


「あはは。大丈夫。俺もだから。北条さんは何かある?」


「いえ。私は部活で学校を決めましたから」


「あぁ、薙刀部がなんてなかなか無いもんなぁ…」


「先輩は?」


「俺は高校卒業したらさっさと就職しようかと思って商業で一番偏差値高いとこ選んだんだけど…最近はちょっと進学も視野に入れてる。部活で音響やってるし、そのまま仕事にしちゃうのも良いなとか思って」


「あぁ、なるほど。部活でやってることを活かせるのは良いっすね」


 とはいえ、私は役者を目指したいと思えるほど演技に熱があるわけでは無いが。私が今一番気になる仕事といえば…


「…教師って、大学行かないとなれないっすよね」


「…えっ、な、何?勉強嫌いの月ちゃんが教師って。何があった?」


「いや…。…私、恋愛感情が分からないって前から言ってるじゃないっすか。周りからはよくいつか分かるなんて言われるんすけど…恋愛感情って、全ての人間に備わってるわけじゃないらしいんすよ。…それもセクシャルマイノリティの一種らしくて。その事をもっと色んな人に知って欲しいなって思って」


「なるほど…未来の子供達にそれを伝えたいわけか」


「そう。でもやっぱそのために勉強すんのは嫌っす」


「それだったら目指すべきは教師よりLGBT講師じゃない?」


 中学でも一年に一回、それぞれ違う講師が来てLGBTの講習会を開いていた。しかし、真面目に聞いていたのは少数だ。ほとんどが寝ていた。私は真面目に聞いていたが…結局講師達はLGBTの4つにしか触れてくれなかった。彼らも結局、人には等しく恋愛感情が備わっている事を前提に話をしていた。三回の講習の内容は保健の教科書にも載っていることとほとんど変わらなかった記憶がある。うみちゃんの話の方がよっぽど分かりやすくて為になる。LGBTの4つに当てはまらないマイノリティもいるという話をしてくれたのは彼女だけだ。今まで会った三人の講師が無知だった—あるいは敢えてそこまで触れなかった—だけかもしれないが。


「…そっか。そうっすね。LGBT講師か…」


 そういう道もあるとは考えもしなかった。


「…月島さんはセクシャルマイノリティについて詳しいのですか?」


「ちょっとだけね。うみちゃんの方が詳しいよ」


「…そうですか」


「興味あるの?」


「えぇ、まぁ。私は恐らく当事者ではないと思いますが…知り合いが当事者かも知れないんです。人を好きになることはあるそうですが…好きになった相手でさえ触れ合うことが出来ないそうです。例えば接吻せっぷんとか、性行為とか…そういう性的な行為に抵抗があるらしくて」


「…キスのこと接吻っていう人に初めて出会ったわ」


 酒井先輩が苦笑いする。初めて聞く単語だが、なるほどそういう意味なのか。


「とにかく…その人はプラトニックな恋愛しか出来ないそうなんです。それが原因で恋人と長続きしなくて、自分はおかしいんじゃないかと嘆いていて…」


「あ、そういやなんか静ちゃんもそんなこと言ってたな…」


 それはあれだ。私と真逆なやつだ。そう。ノンセクシャルだ。


「多分、ノンセクシャルってやつだな」


「ノンセクシャル…初めて聞きました」


「へぇ…」


「私も曖昧な知識だから、それで合ってるかわかんないけど…でも、そういう人を表す言葉があるのは確かだよ」


「そうなんですね…ありがとうございます。本人に伝えます」


「うん。そうしてあげて」


「月ちゃんはそれなの?」


「いや、私は別にキスとかセックスに抵抗ないっす。相手が女ならの話ですけど。女ならイケるんすけど、男相手だと無理なんすよ」


「お、おう…」


「…なるほど」


「なるほどって北条さん…」


 酒井先輩は若干引いているが、北条さんは動じない。意外と下ネタ平気なのだろうか。


「…まぁ、とにかく…私はノンセクシャルとは逆なんすよ。恋愛感情は無い…というか分からないけど、性的なことに対しては抵抗はないっていう」


「…あ、もしかして月ちゃん、柚樹と同じタイプなんじゃない?」


「…そうですね。なんだか私もそんな気がします」


 そう。私も彼のことは気になっている。話したことはないが、話を聞く限りは私と同じなのかも知れないと思う。


「それで…私みたいに恋愛感情が無い人をアロマンティック、ノンセクシャルとアロマンティックの両方の性質を併せ持つ人をアセクシャルというそうです」


「…勉強嫌いの月ちゃんの口から聞きなれない横文字がどんどん出てくるのすげぇ違和感」


「うるせぇ」


「…はい」


「…あの、野暮なことをお聞きしますが」


「うん?」


「…月島さんはそういう経験がおありなのですか」


 北条さんの問いに酒井先輩がぎょっとして、慌てて自身の耳を塞ぐ。


「すみません。ずけずけと」


「ほんとだよ。…何?そういうことに興味あんの?相手してあげようか」


 彼女の制服のリボンに手をかけて揶揄うと、耳を塞いだままの酒井先輩に睨まれる。


「いえ、結構です。私はそんな軽い女ではありません」


 北条さんに手を振り払われる。酒井先輩がホッとする。彼も分かりやすい人だ。北条さんは分かりづらいが。


「冗談だよ。冗談」


 恋愛感情は分からないが、恋をする人間を揶揄うのは楽しい。悪趣味だと自覚はしている。


「北条さん好きな人居るの?」


「いえ、今はいません」


 だってさ、先輩。と口パクで先輩に伝える。先輩は私を睨み、北条さんは私と先輩を交互に見て首を傾げた。彼女は彼の好意に気付いていないのだろうか。


「月島さんは実さんが気になるとおっしゃっていましたよね」


「あぁ、うん。恋愛対象として気になってんのかはまだ分かんないけどな。でも…憧れ的な感情は抱いてる気がする。あの人の演奏が好きなんだ。まだ二回しか聴いたことないけど」


「俺もあの子の弾くヴァイオリン好きだわ。なんか…心が洗われるっていうか…」


「分かります。私も彼女の演奏が好きですよ」


 二人の好きと私の好きは同じものなのだろうか。その答えはきっと彼女と直接話さなければ出ないだろう。

 何か話すきっかけを探さなければ。

 そうだ。そういえばうみちゃんに実さんからヴァイオリンの音源を貰えるように頼んでいたんだ。それを貰えたら感想を言いに行くとしよう。

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