第25話

 玄関を開けた俺達は、母親に挨拶そこそこに屋根裏部屋に行こうとした。が、そこは俺の母親だ。      

 「あ…圭吾君!いつも真治が御世話になってるわ。今度、真治の家庭教師に付いてくれないかしら。この子、最近赤点ばっかりで(呆)御礼に、おばさんが作った料理ご馳走してあげるから」

 「志帆ちゃんも、元気そうね」と、余計な言葉を投げ掛けてきた。

 二人は、苦笑いを浮かべると軽く会釈し階段を上がり、俺達はあの機械の有る屋根裏に向かう事にした。

 俺は、圭吾に「はーぁ、圭吾に生まれかった人生だったな」と、言うと圭吾は「知識が有りすぎるのも、余り幸せな事では無いよ」と、嫌みっぽくも言葉を選びつつ俺に言ってきた。

 その様子を志帆は、微笑ましく見つめていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る