第5話 連ね語り、連語り

 夜は苦手です。

 はやくに寝床に入ってしまうからです。

 だいたい8時頃でしょうかね、だから刺激的なアバンチュールとは無縁なのです、ミッドナイトアワーも楽しめません。

 そのかわり…たまに眠れないときもあるのです。

 そんなときは、あちらこちらでやっている夜の催しに顔を出しに行きもします。

 あまり長くはいませんよ、さめてしまってすっかり眠れなくなってしまうので。

 みんなで、クリエイティブさがあり、そんなに長くない時間働いた後はかなり自由な時間が流れています。エッセンシャルワークの人の方が、優遇されやすく工夫もされているので早くあがる場合もあるようです。

 思い思いの、スゴいが繰り広げられるのです。

 たわいのないよもやまから、即興、準備をしっかり、学術から芸術、エンターテイメント…いかがわしいことまでも、そこではかつてのようにはひどくはないんです。

 思い思いに、それぞれで、わをもってよしとするーーーそんな雰囲気です。

 次の日のことも考えてね、少しはねーーー休みの日は別だけどねーーー

 この前は大道芸をワイワイしてましたのに参加しててんやわんや。

 その前はスピリチュアルっぽい瞑想会で眠りこくってしまい、居心地が悪かったのです。

 大きいもあれば、小さいもある。

 わたしは…こじんまりと、和気藹々ができればいいな。

 適度な緊張感も好きには好きです。

 なんか、空気がぴしんとすんでるきがするからです。

 今日は、ふらりと、いってみますか。

 それに、お供に、これもあるし、ね。


 風の匂いに誘われ、

 木々が良い塩梅にふちされていて、なんだか森の童話のようで。

 語りの集い。

 連ね語りです。

 連歌ってあるでしょう。

 あれをもっと崩して、語りであれば、ゆるーくつなげてつらねてはなしましょう、そういう集まりですね。

 なんとなくだけど、ちゃんとルールはあるけれど、まったくもって自由形式です。

 逆にそれがあだとなって。

 入りがいつもくっ、ってなります。

 よかった、ちょうど誰もが黙っていました。

 緊張感のない黙りです。

 この子と一緒に、声をかけます。

「入っても、いいですか?」

 奇抜なミュージシャン風の黒丸メガネの男の人がサッと気が付き、さらに目をつけ、相好を崩します。

「スピーカー持ちかい」

 そうです、片手で持てるバッテリー内蔵の、(プレミアムと思ってる)スマートスピーカーを持ち寄ってきましたです!この子はAI搭載で、環境に適したねをかなでてくれる、Wi-FiとBluetoothに対応している、賢い子なんです。フフフ…花の自慢です。さあ、みるがいいっ、…恥ずかしいからちょんとそこらに置いて座ります。

「よろしくお願いします」

 その日のよくある、不満話に見えました。

 的確に、精確で、感情もそれほど盛っていない。

 だから余計心に響いてきました。

 一転、話術巧みに、どうしてこんな人が、ああ仕事でもコミュニケーション上手なのですね、でもこれは、好きで好きでたまらない、だから話が面白く、楽しめられる、間の取り方も心地よく、うわっわわわとなってきますーーー!

 聞き入ってしまいました。

 内容は単純です、2、3人の人間関係のもつれと畳み掛けた不幸な出来事の軽い連鎖。詳しく話せば話すほどこの語りを貶めてしまうので、具体には立ち入りません。元型って、あるでしょう。よくは知らないんですけど、陳腐な型じゃないんです、そのものとこがまじってひらく。そこに人はひかれるんだと思います。これだ、これだったんだよ、と。さすがにそこまでは、厳しくみて、おみそれではないとささやかに主張したいです。けれどもこれは、いけるんでしょう。…もうっ、ばっちりですよ!

 ぼーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!

 若者でしょうか、改造車の爆音がはなたれてうつ。

 ああ〜〜💦あ?

 とっさにスピーカーに動いてもらいます。

 続きを、と促しちゃったのでクラシックの、極みのコーダ。

 ここぞとばかりに、話者はひねった落とし方をしてきました、くるくるくるりん、ボイスパーカッションを立て続けに続けます。

 さっきの爆音でした。

 それからは擬音語りに移っちゃってこれはわたしもあたふたしましたが、面白かったのです、音楽もAIくん、いい仕事っぷりでした!

 とろけかかって即興セッションへってところで。

 たまたま通りかかった学者然とした高齢者の方が、闖入して日本の擬音とついでに祇園の講義をつとめてくれました。

 この方はトランスジェンダーで同性愛者で、障がい者でしたが、介助しながらドキドキワクワクが待っていたんです!

 クロスしている好;色艶語(造語!)は、わわわええっ?!熱気が篭っちゃって、それでも傾聴しちゃって、笑っちゃって。

 ダメですよ、目が覚めてしまったじゃないですか。

 クールダウン?するために多くの子どもたちも参加する安眠おやすみクマさんの集いへ入れてもらって、その日はようやく枕のもとへ辿り着けたのでした。

 みた夢は…スマートグラス、SKY-HIと果てなき旅、ゆらりふらふらぶらぶらくらり、相変わらず夢の中でもドキドキが収まりきれなくて、続きはそうです、アルファー波の気の向くままに♪




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