二十、現世に結ばれぬ者ども

金よりも 銀よりも

輝かしい

あをを 知っていますか


そのあをは

ひんやりと 澄み切り

ほのかにぬくく ともり 


人里の 小川のせせらぎ ぬるむ頃

まだ凍てた 氷のほどけた 水の糸に

絡まり 絡まれ

尾を引き遊ぶ 

清いあをを知っていますか


その頃にはもう

藤の花も散ってしまって

野辺の緑も萌えぎて

いずれ燃え盛る炎天下の手前

長雨に日も腐る一歩前


ほう ほう


瞬くあをが舞うのです


ほう 

ほう


消え入りながら昇るのです


深山の狭間の白々と

架かった橋の 足元で

どうと流れる広い河

時にそこまで彷徨い出ながら


ほう


ほう


行き交う命の透き通る

あをを知っていましたか、

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