第19話 ミカエルとエルフィン 第1章 再会 ⑤



 獄を解かれたハンネスは、まっすぐにエルフィンのもとへ走っていった。

 そして持ち直したエルフィンの顔を見つめ、また泣いた。


 ジャド医官は、ハンネスに医術を教えた恩人でもあった。

 宇宙一と言っても良い治療を受けたエルフィンは、みるみるうちに回復し、元気になっていった。


「最後に会った時から比べたら、数段、お前の腕は上がったが、お前の医術はまだまだだ」

と、医官ジャドはハンネスに笑いながら言った。

 もう会えないと思っていた血のつながらない息子に再び会えて、ジャド医官は嬉しかった。そして、

「まだまだ修業せねばな」

と優しくハンネスに言った。


「はい、ジャドさま。

 エルフィンを直してくださって、ありがとうございます」

 そう言ったハンネスの瞳は喜びの涙で濡れていた。 

 

 医官ジャドが二人の身元を保証するかたちで、エルフィンとハンネスは地球に滞在することを許された。

 ハンネスとエルフィンは、教団の敷地内にある医官ジャドの宿舎で、共に暮らすことになった。

 ハンネスは医官ジャドと共に宗教団体「光の泉」の医療部員として働き、エルフィンはミカエルのもとで働くことになった。









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