第17話 ミカエルとエルフィン 第1章 再会 ③

「ところで、まだ名前をを聞いていない。

 頼み事をするなら、名前ぐらい名乗るのが、礼儀ではないのか?」


「私はシャンバラ出身の医官でハンネスだ。

 連れは帝国軍の武官だったエルフィン」


 その言葉に、分析ロボットは、瞬時に反応し、集めた情報と分析結果をミカエルに伝えた。


『蒼き炎エルフィン、帝国軍最年少の将軍。戦績は・・・・』


 分析ロボットはなおも戦績を読み上げていた。


「驚いた! 敵の将軍とはな!

 それも凄い戦績だ。わが軍に甚大な被害を与えている。

 捨て置けないほどの被害だ」


「たとえそうだとしても、今は病人だ。

 何もできないし、無害だ。

 お前たちの宇宙連合軍は、抵抗できない病人まで殺すのか?」


「もちろん、そんなことはしないさ。

 だがしかし・・・・」

 ミカエルは迷っているようだった。


 苦しそうなエルフィンの様子に、

「助けてくれ、医療器具を貸してほしい。

 やはりもう少し、治療が必要なようなんだ。

 このままでは、エルフィンが死んでしまう」

と、ハンエスは 悲痛な声でミカエルに頼んだ。

 しかしミカエルはなおも悩んでいるようすで、何も答えなかった。

 ハンネスはついにエルフィンの秘密を打ち明ける決意をした。


「これは秘密だったのだが、彼はアトランティス王家の血を引いている。

 統治神<シ>の妹ぎみの子供なんだ」


「嘘を言うな! 妹ぎみの子供は、父親の前国王ネロ殿が処刑されたとき、一緒に処刑された」


「しかしそうではなかったのだ。

 殺されたのは代わりの者たちで、妹ぎみと子供たちは、逃げて無事だったのだ」


 ハンネスの言葉にミカエルは驚きと共に、不思議な感情がその心に広がるのを感じていた。


「彼の遺伝子を解析をすると良い。

 アトランティス王家の遺伝子と一致するはずだ」








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