第9話 蒼き炎 ルフィン 第1章 オスカーとハンネス ③

「お前は、エルフィンの本当の素性を知らなかったようだが、エルフィンはとても高貴な血を引いていて、本来ならば総統にペット扱いされるようなことは、絶対ありえない存在だ。ただ、事情があってそれを隠している」

と、オスカーは親友ハンネスに静かに言った。

「絶対にそれを総統に、知られるわけにはいかないから、拷問で体がボロボロになろうとも、口を割らなかった」


 静かに眠るエルフィンを愛おしそうに見つめながら、オスカーは言った。

「素性が総統に知れたら、強制的にあらゆるものを使って、総統はエルフィンを女性に変成させるはずだ。そして妻にめとり、この宇宙を制覇しようとするだろう」

とオスカーは、眠るエルフィンを見つめながら言った。


「エルフィンは不幸なことに、現アトランティス王朝と前アトランティス国王であった、将軍家の血を引いている。それも現統治神<シ>が誕生したとき、処刑されたことになっている王子で、あの将軍の直系だ」





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