アンドロイドが創造されるまで

オレンジのアライグマ【活動制限中】

1.

  2年進学コース中間試験  世界史



 問3 これから、2150年に公開された動画を見ます。感想を200字以内で書きなさい。


  



 ※データ読み込み中です......




 ★アンドロイドが創造されるまで★



 制作 スギヤ電機株式会社



 2102年に世界で最初のアンドロイドが誕生して以来、アンドロイドは常に復興の一翼を担ってきました。初めは高性能なロボットという位置づけでしたが、現在では人間と同等の権利と義務が与えられいます。アンドロイドと人間は平等だという考え方は今や常識です。

 

 さて、皆様はこの素敵な時代を生きているわけですが、残念ながらアンドロイドに対して思わしくない考え方を持っている方々もいらっしゃるようです。


 この動画ではアンドロイドについての正しい知識と共に、弊社のアンドロイドに対する考え方もお伝えしたいと思います。


 

 




 人間が数を減らしている一方で、アンドロイドは増加の一途をたどり、30年後には人間とアンドロイドの人口が逆転すると言われています。アンドロイドは人間の後継者としてふさわしくなくてはいけません。


 しかし、アンドロイドを創造する会社の工場を見てみますと、創造を機械に頼り過ぎたり、必要以上に人間に媚びた外見のアンドロイドを作っていたりすることかが珍しくないようです。さらに、驚くべきなのは未だにアンドロイドにグレードを設ける会社があることです。


 

 アンドロイドは工業製品ではありません。アンドロイドは機械ではなく人間やアンドロイドが中心となって創造すべきなのです。ましてや、人間のためにアニメに出てきそうな奇抜な外見にしたり、お金を多く払えば性能を高められるといったことが許されるはずがありません。


 

  

 弊社では、2107年よりアンドロイドを創造するにあたって多くの作業を人間やアンドロイドによる手作業で行っております。また、アンドロイドの容姿は、お客様の遺伝子や設計をしっかりと分析し、それを踏まえて決めております。性格はコンピュータがランダムに作成したものを、お客様の性格をもとにして手を加えます。勿論、オプションもレスオプションもありません。



 そして、最後に朗報です。お客様は、調査(およそ3週間)を終えた後、遅くとも41週間以内にお子様に会うことができます。また、創造の進捗状況はインターネットを通じてリアルタイムで知ることができます。



 



 それでは、工場の中を見てみましょう。こちらが弊社が誇る大阪工場です。主に骨格の製造と最終組み立てを行なっております。

 

 

 情報管理センターに入ります。東京にある研究所兼デザイン室より、これから創造されるアンドロイドのデータが送られてきます。サイバー攻撃など不測の事態に備え、右側に見える2台のFAXをを使うこともあります。


 FAXから伝票が出てきました。担当者が伝票に記された情報を素早くコンピュータに入力します。現在このような光景が見られるのは、日本でも弊社だけです。これらのFAXは100年以上前に製造されたもので、今でも現役なのは担当者が保守点検を欠かさず行なっているおかげなのです。



 別の担当者がデータを確認して、バーコードシールを印刷します。これがバーコードシールです。白いシールに黒いバーコードが印刷されています。

 


 バーコードシールは台車の形をした運搬ロボットによって倉庫まで運ばれます。そして、バーコードシールを受け取った従業員がそれを一枚ずつトレーに貼り付けます。


 倉庫係がトレーを受け取ります。シールにバーコードリーダーをかざすと、眼鏡型端末にどの棚からどの部品を取れば良いのか表示されるので、指差し確認を行いながら部品を一つ一つトレーに入れます。アンドロイドの骨格を作る部品が全て揃ったトレーは再び運搬ロボットに載せられ工場内を移動します。


 

 

 アンドロイドの骨格はチタンが多く使われています。軽くて丈夫、しかも腐食しにくいからです。チタンの他に、アルミニウム合金とステンレス鋼も使われます。炭素繊維強化プラスチックは衝撃に弱く、リサイクルが難しいので弊社では原則として骨格には使用していません。


 

 チタン製のパイプやアルミニウム合金製の金具などがロボットに載せられ、列を成して工場内を移動する光景は壮観です。


 



続く......

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る