第34話「来襲」


 「おい、見たかよ。あの外国人」

 「見た見た。すっげぇ美人だったよな」

 「でも何しに来たんだよ」

 「なんでも松坂に用があるらしいぜ」

 「チッ、結局は松坂かよ。クソが」


 美人の外国人?

 誰? しかもまたこいつに一体何の用よ?


 「ったく、マジかよー。俺の人気はもうワールドワイドってか? モテる男はほんっと辛いねぇ。なぁ玲奈」

 「は? 知らないわよ。早く行きなさいよ」

 「へっ、拗ねんなって。行って欲しくないんだったら素直に言えって。行かないで陽介ってよ。わかるだろ? マジでお前のライバルはいっぱいいるんだぜ」


 「いや、はやく行けよ」

 「ったく、ほんと素直じゃねぇなぁ。ま、そういうとこも可愛いんだけどな」


 い、いらいらする。本当に。

 結局、色々と聞きたいことがあるのに朝から洋介とは会えずじまいだし。

 もうイライラでやばい。やばすぎる。

 特にこいつ。


 「うおっ、この窓から見れるじゃん。おいおい。美人すぎだろ」

 「え、う、うわっ、あの娘? やっべー綺麗すぎんだろ。女優とかモデルじゃねぇの?」

 「本当になんで松坂ばっかり。愛梨ちゃんもそうだし、あんな子まで。ずりぃよ。ずるすぎるだろ。クソがっ」

 

 え? そ、そんなに。

 い、一応どんな子かは私も見ておきたい。

 どれどれ.....って、やばっ、ほ、本当に美人。

 背も高いし完璧じゃん。

 本当になんであんな娘がこんな奴に。


 「えーっとどれどれ? うおおっ、やっべ、超イケてるじゃん。へぇー、俺のファンねぇ。やっぱ俺ってすげぇんだなー。へぇーいいじゃん。いいじゃん」


 くっ.......


 「しかもあんなに嬉しそうな顔で俺のことを待ってるなんてよお。いい子じゃんか。可愛いねぇ。誰かさんと違って素直でいいよなぁ」


 ク、クソが。こっちを見るな。


 「これは本格的にハーレムも考えないといけないかなあ? 海外の一夫多妻制が認められる国に移り住むってこともなしではないしよ。なぁ玲奈」


 「だから知らないって」

 「あー怖。女の嫉妬はこわいこわい」


 ほ、本当にやばい。真剣に手がでそう。

 殴りたい。完膚なきまでにぶん殴りたい。


 「おーおー、俺に逢えるからってあんなにはしゃいじゃって。そろそろ行ってあげないとな。ふっ、あの娘、俺に逢えた感激で失神でもして倒れちまうんじゃねぇか。はっはっはっはっ。じゃ、ちょっくら行ってくるわ」


 でも本当にあの美女は誰? 

 確かにこいつがサッカーに関してすごいことは知っているし、認めているけど。普通、そんな簡単に海外のファンがつく? 一体どこでこいつを?

 

 しかもあんなにソワソワと.......。


 真剣に意味わかんないんだけど。


 って、あいつだ。

 何よ。そのすかした感じ。

 むかつく。


 一体何を話してるのかしら。

 遠いし、窓からは姿は見えても話していることは当然わからない。

 

 へぇー、でも本当にあんな美女があいつを


 って、うわ。キモ。 

 あいつ美女の手にキスを......って え?


 あれ? え?


 ビ、ビンタ?


 「へ?」


 ど、どういうこと........? 


 って、今度は、け、蹴り!?


 え?


 な、なにあの娘.......え?



―—————————————————————————————————————


 ジェットンです。

 あけましておめでとうございます!

 そしていつもありがとうございます。

 

 今年も宜しくお願いします! 

  


    



  

 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る