神迎えの夜に。

「はい、みーこちゃん。熱いから気を付けてね」


「ありがとうございます〜!あとここだけ塗ったら休憩しますぅ」


「ふふっ。毎日沢山描いてるからどんどん上手になってるわね。今の絵もとっても綺麗だわ」


11月の夜。


お客様が帰られた後の店内はとても静かで、店の真ん中に置いた白い円筒形のストーブがほんのりと空気を暖めてくれています。


蜂蜜を入れたホットミルクを置いて、みーこちゃんの隣に座ってスケッチブックを覗き込むと、お客様のマキさんに影響されて始めた水彩色鉛筆の優しい色で描かれたお月様の絵がありました。


「堤さんにお借りした双眼鏡、とっても綺麗にお月様が見えたわね。あんな風に空を見たのは私も初めてだったから感動しちゃったわ」


今日、初めて来てくださった堤 敏史さんというお客様。


空を専門にした写真家の方だそうで、今夜は綺麗な地球照が見られると言う事で、興味津々に話を聞いていたみーこちゃんの為にと双眼鏡を貸してくださったのです。


「明日、堤さんがいらしたらお礼しなきゃですぅ。後でもう一度見てきます〜」


ふわふわと湯気が立ち上るホットミルクに息を吹きかけ、そっと飲んだみーこちゃんの頬が、ひとくちごとにふわりとピンク色に染まっていきます。


『太陽の光を地球が反射して、照り返しが月にあたると地球照っていう現象が起こるんだ。普段だったら三日月に見えていているものが、照り返しの光で月の暗い部分が見えるんだ。今日は良い天気だし、空気も澄んでる。日没直後くらいに、出来るだけ暗い所で見てみると良い』

 

そう言って、持っていた黒のボストンバッグから高価そうな立派な双眼鏡を取り出し、みーこちゃんに貸してくださったのです。


日没を待って、町外れの丘陵に建つ月夜神社から見た地球照に感動した彼女は、今こうして1日の終わりにその目で見た感動の風景を水彩色鉛筆に乗せているのでした。


蒼黒の夜空に浮かぶ白い三日月に、淡いグレーでうさぎ模様の月。


随分と上達したみーこちゃんは、さらさらと慣れた手付きで色鉛筆の上に水筆を滑らせています。


シャッ シャッ シャッ


音楽の無い二人だけの静かな店内に、歩くたびに鳴る床を掻く音が近付き、やがて私達の座るテーブルの足元からひょっこりとつぶらな目が私達を見上げました。


「アキ〜っ。ごめんねぇ、騒がしくて寝れなかった?」


みーこちゃんが、薄茶色い、短く切り揃えた毛並みの頭をわしゃわしゃと撫でてやると、元野良犬のアキは嬉しそうに耳を後ろに倒して、ニッと口角を上げます。


アキは10月の終わりのある日、れんげ草にやってきたメスの野良犬です。


宇佐美さんがいらっしゃっていた日の夕方、店先でみーこちゃんの足にでんと座り込み、随分と懐いていたのでした。


泥や砂、小さなゴミなんかが絡んだ荒れた姿のアキをみーこちゃんがお風呂に入れ、伸び放題の爪を私が切る。

アキと名付けたのはみーこちゃん。

当初は飼い主さんが現れることを考えて「わんちゃん」と呼んでいましたが、あれから1ヶ月近くが経ち、いつの間にかみーこちゃんが「アキ」と名付けていました。


左の後ろ足を事故か何かで怪我をしてしまったらしいアキは、治療も受けないままだった為に足を上げたまま3本足で歩きます。


宇佐美さんが病院に連れて行ってくださったり、歩行器も提案してもらいましたが、アキ自身がどうしても嫌がってしまい、今も3本の足で器用に歩いているのでした。


「みーこも、お片付けしたら休みますぅ。アキもゆっくり寝るんだよ。美鈴さん、ミルクごちそうさまでしたぁ」


色鉛筆を銀色のケースに戻し、マグカップを手にキッチンに入ったみーこちゃんは、慣れた手付きでカップを洗い、ついでに水筆の中の水を捨てると「おやすみなさい!」と、スケッチブックを胸に抱えて奥の部屋から2階へと続く階段を駆け上がって行きました。



「アキ、寒くない?もう少しここに居るつもりだけど、あとでお部屋に一緒に行きましょうか」


アキは、お店のフロアの隅に置いたクッションと毛布の上に丸まって縁に顎を乗せたまま、耳をこちらに向けて立て、ピクピクと動かしました。


昼間は賑わう商店街も、9時を境に灯りは消えて静まり返り、その差に何だか感慨深くなります。


窓辺のテーブル席から見える夜空には、オリオン座の真ん中の三ツ星が輝いていました。


まだ今のように、情報も少なく、娯楽や便利なものが豊富に無かった世界の人々は、今よりももっと深い色の夜空を眺めては星に願い、様々な神に祈り、神話を語り継いできたのでしょうか。


−−人の心はきっと今も昔も変わらないのかもしれないけれど、見えなくなってしまったものもあるんじゃないかしら。


珈琲のまろやかな苦味が身体に染み渡り、そのぬくもりに1つ息を吐くと、突然アキが「くぅん、くぅん」と鼻を鳴らして立ち上がり、私の足元にすり寄ってきました。


コンッ コンッ


ゆっくりとドアを叩く乾いた音が、静かな夜の店内に響き渡りました。


「はい。あら・・・」

 

ドアの向こうに立っていらしたのは、檜笠を目深にかぶった、山吹色の着物姿の細身の男性。


少し吊り目のその方は、私を見るやいなや「夜分に失礼致します」と笠を脱いで胸の前に抱き、深く頭を下げられました。


「灯りがついていたもので、ついふらりと立ち寄ってしまいました。ご迷惑は承知しておりますが、ほんの少しだけ休ませては頂けませんか」


落ち着いた口調の男性は、夜風に乱れた短い黒髪と着物をサッと払い、申し訳なさそうに笑顔を作ってみせました。


「どうぞこちらへ。ストーブを炊いているので、傍のテーブルが暖かいですよ」


「これはこれは。ありがとうございます。でらあちらに座らせて頂きます」


アキは自分のクッションに背筋を伸ばしてお座りをしたまま、男性がアキにも「こんばんは」と会釈をすると、耳をぴくつかせて彼を凝視しています。



「何かお持ちしましょうか。遠慮なくおっしゃってください」


「では、お茶を頂けますか。温かいお茶を1杯だけ、お願いしたいのですが」


「かしこまりました」


私がキッチンに戻って緑茶を入れている間も、彼は静かに、何かを想うような眼差しで窓の向こうを見つめていました。



「お待たせしました。あと、こちらも良かったらどうぞ」


「おや、黒糖まんじゅう。良いのですか?ありがとうございます、とても嬉しい」


温かい緑茶と一緒に黒糖まんじゅうを2つ添えてお出しすると、男性はお茶を一口飲んだあと、そっとお饅頭を手に取りました。



「うん。美味しい。久々に頂きました。供え物を頂いていた頃が懐かしい」


「お供え物、ですか。・・・そうですね。近頃はどこも少なくなっているかもしれません」


私も隣のテーブルに湯呑みを置き、腰を下ろしました。

ふと目を向けると、アキは警戒心が少し解けたようで、目はしっかり開いてお客様を見ながらも、寝床の縁に顎を置く、いつもの体勢でくつろいでいます。


「こんな夜分に入れて頂いておいて名乗り遅れてしまい、申し訳ありません。と言いましても、私は−−」


リン


男性がその先を口にしようとしたと同時に、玄関の鈴が鳴り、ひとりの女性が佇んでいました。


「あの・・・」


女性はそう力なく呟くように言うと黙りこみ、男性のお客様を見たあと、まるで「すみません」とでも言うように小さく会釈して店を出ていこうと背を向けました。


「あっ。待ってください。えっと・・・大丈夫ですか?少し休憩していかれますか?温かいお飲み物を淹れますから。良かったら、あちらのお席にどうぞ」


20代半ばくらいでしょうか。

少し幼さを残したような愛らしい顔立ちの目を赤く腫らし、力任せに掻きむしってしまったようにあちこち絡んで乱れた肩までの栗色の髪。

散々泣いたのか、今にも抜け殻になってしまいそうな表情に、思わず手を引いて席にご案内してしまいました。



「オレンジアールグレイのミルクティーです。どうぞ」  


先程まで私が座っていたテーブルで待つ女性に、白磁のティーカップをお出ししました。


私は男性の向かいに座り、アキは片目でちらりと女性の様子を伺っているようです。

しんと静まり返る私達を、そばにあるストーブが暖かい空気でそっと包み込んでいました。


しばらくの間、流れてい沈黙に口を開いたのは男性でした。


「捨てる神あれば、拾う神あり」


ミルクティーを淹れる際に、淹れ直した緑茶を啜った男性は、優しい声色で言いました。


「なんて、私が言うのもおかしな話かもしれませんが。周りが見えないくらいに落ち込んだ時こそ、普段見もしないものに目を向けると、手を差し伸べてくれている人に気付けたり、意外なものが生きる支えになってくれたりするものです」


男性は誰に向かって言うでもなく、両手を添えた手元の湯呑を見つめて含み笑いを浮かべました。


「私はマツカゼと申します。美鈴さんはお気付きかもしれませんが、私は人間ではございません。実は今夜は、私の遣えるある方を迎えに行っていたんです。だけど、帰ってくるはずも無い。あの方は悲しみに暮れて旅に出てしまったのですから」


湿ったため息を1つ吐いた彼は、ここに来た経緯を話してくださいました。


ここから遠く離れた地に、町があります。

その町の外れにある山の麓にある小さな社に、私と、私の御使えするハルネ様は住んでいました。


昔は草木の神として信仰されていたハルネ様も、町の発展と共に手を合わせる人も少なくなった。

神というのは、信仰が無くなるとやがて消えてしまいます。


「ハルネ様、そんなに人間が好きですか?」


「あら。マツカゼは嫌いになったの?」


夏のある夕方。

ハルネ様は、境内の隅の竹やぶが開けた場所から町を望みながら、夕陽に目を細めました。


「嫌い・・・になりそうです。芽吹きの神と崇めて五穀豊穣をと願っていたかと思えば、豊かになると、まるでハルネ様のことすら忘れているかのように、この場所に誰も見向きもしない。挙げ句、私は先日、町の人間がここの事を『汚い神社』『虫がいるだけで何もない』と言っていたのを聞きましたから」


「ふふっ。便利になって豊かになれば、必ず失われるものもある。食べ物に困らなくなったのは良い事よ。昔に比べたら、赤ん坊も随分と肉付きの良い子が増えたもの。その流れで必要とされなくなったのであれば・・・それは喜ばしい事なのかもしれないわ」

慈愛のこもった目で人々を見つめては、少し寂しげにも見える表情で微笑んでおられました。



それからも、日毎荒れて朽ちてゆく社についてもハルネ様は、

「形あるものは必ず朽ちる。この社も人が作ったものですからね。命が生まれ、また地に還る。そしてそこから新たな命が生まれる。例え私が必要とされなくなっても、儚く美しい一瞬を懸命に生きる者たちが、私には愛おしいのよ」


そう仰っては、いつも人里を見守っておられました。


自身の姿を維持する事すら厳しい状況の中、時には人が人を殺める事を悲しみ、また病に苦しむ人々を見ては心を痛め、人々の幸せを願い続けていらっしゃいました。


しかし、7年前の今頃。


「では、マツカゼ。後を頼みます」  


「はい。・・・ハルネ様、やはり今年からはもう参加なさらなくて良いのでは無いですか?大国主様には私がお伝えしておきますから」


「えぇ。私も力が失われつつありますから、来年あたりが最後になるかもしれません。だからこそ、きちんと私も皆様にご挨拶しておかねばなりません。では、行ってきますね」


日本全国の神々が出雲の大国主様のところへ集まるこの時期、ハルネ様がご不在の間、私は良くないあやかし者などが町に入らぬよう見張る為のお留守を任されておりました。


そんなある日の夜更け。

3人の男達が肝試しと称して境内で騒いでおりました。


「こえー!真っ暗じゃん!見ろよここ、あちこちボロボロー。ぜってー出るよなここ!」


酒臭いそいつらは、下品な笑いを響かせながら高欄に跨っているのです。


−−あぁ、嫌だ嫌だ。その汚らわしい尻で座るな!苦しい時だけ願いにきて、用無しになれば朽ちるまで放っておくばかりか、今度は肝試しだと。罰当たりめがっ


すると3人の男の内のひとりが何やら石を片手に、社の屋根を支える向拝柱にガリガリと傷を付け始めたのです。


「うわ。流石にそれはやべーよ」


「どうせ誰もこねーんだから大丈夫だって!何書いてんの?」


「昔の女の名前ー」


「ぎゃはは!誰得だよ、その情報!」


――何て事を!!やめろ、やめろ!


それを止める力も術もない私も、そんな人間達に懇願しましたが、やはり私の声は聞こえる訳もなく。


御神木への落書き、社の柱に刃物で掘った無数の傷。

その後も、荒れた社には心無い人間がハルネ様の目の前でお賽銭箱を壊す事もありました。

 

沢山の傷が付いた社を見て、ハルネ様は酷く悲しんでおられました。



次の年、最後となる出雲へとお出かけになりました。


「ハルネ様、今年で最後ですね。大丈夫ですか?」


「えぇ。マツカゼもこれからはゆっくり過ごすのですよ。この社に留まる必要も無いのです。元々あなたは、ここに縛られる理由も無い者。四季の移ろいを、様々な生き物の姿をもっと色んな所から見てご覧なさい。そうすればきっとまた、人間の事も好きになれますから」


「私はハルネ様とずっとご一緒します。ハルネ様にこんな仕打ちをする人間を好きになるつもりはございません」


ハルネ様はそんな私の頭をそっと撫でると、ただひと言「ありがとう」とだけ残して、出雲へと向かわれました。



ハルネ様がお帰りになる、ちょうど今頃に、この町の向こうにある飯森までお迎えに上がりました。


ですが、ハルネ様は帰っていらっしゃらなかったのです。



「今日も、ハルネ様が出雲に行っておられれば通って来られる飯森へお迎えに行っていたのです。あの日が最後という話でしたから、行っている訳は無いのですが。それでも、この時期であれば、あそこで待っていれば会えるのではないかと、一縷の望みを抱いていたのです」


湯呑に残っていた、ぬるくなってしまった緑茶を一気に喉に流し込んだマツカゼさんは、暗闇の広がる窓の向こうに目を向けました。


「先程申し上げました、落ち込んだ時こそ普段見もしないものに目を向けると手を差し伸べてくれている人がいるというのは、このれんげ草の事なのです。この場所に、こんなカフェがあるなんて知りもしなかった。そして、優しい店主の方と、そちらのお客様にもお会い出来た」


「美鈴と言います。私も、同じ気持ちですよ。ここに足を運んでくださるお客様は、とても心の優しい方ばかりですから」


私は女性の方にもそう言って微笑むと、ミルクティーを飲み終えて少し落ち着いた様子の女性は、眉をハの字にして恥ずかしそうに俯きました。


「ハルネ様は、全ての出会いは縁だと仰っていました。色々な人間が居て、損得では無い、意味があって出会うのだと。それが良くないものに思えても、自分の学びになる。経験になる。大したことのない出会いだと無下にすると、大切なものを失うと。自分に無いものを持つ人に出会うことは宝なのだと。ハルネ様の居ない寂しさに落ち込んでいた私も、この店の不思議な雰囲気と、美鈴様の優しさにとても救われた気がします」


マツカゼさんは、足元にふらりと寄ってきたアキの頭をぽんぽんと優しく触れて「もちろん君にもね」と笑っておられました。


「神様って居るんですね。でも全然助けてくれない。私の人生、これから先に良いことなんてあるんでしょうか・・・。彼には浮気されるし婚約破棄されるし、友達って呼べる人もいないし・・・。」


私達の隣のテーブルで、女性が泣き腫らした瞳に、じわじわと涙を溜めて声を震わせていました。


「神は人ならぬ邪な者を祓う事は出来るが、人間に対して人生を変えたり、運命を覆す事も、もちろん生死に関わる事にも手出しは出来ないのです。ただ願い、祈る。見守る。行き場の無い人の心の拠り所になる。それだけの存在なのです。人の思う神とはきっと自分自身そのもの。自分を変えられるのは、自分だけですから」


マツカゼさんの穏やかな言葉を、女性は時折鼻を啜りながらも聞いておられました。


「人生には良い事と悪い事が半分ずつ起こると言いますが、きっと物事の見方を変えると、中には良い事に変えられる物もあるんですよ。悪い事と良い事の割合を変えられるんです。悪い事もあるかもしれないけれど、とっても良い事があるかもしれない。そんな素敵な可能性を自ら悲観して潰してしまうなんて、勿体無いと思うんですよ」


私は夜風に揺れるポプラの枝葉のシルエットを眺めて、言葉を続けます。


「壁にぶつかったら、ゆっくりと足元を、頭上を。遥か遠くの景色にも目を向けて見てください。当たり前の日常にも、実は沢山の変化があって奇跡に溢れています。自分がいる世界は意外に小さく、身の回りには色んな世界が広がっています。人間の中にも様々な人がいます。だから、辛くなったらまたここにいらして下さい。今夜の出会いもご縁ですから」



「では、ごちそうさまでした。突然お邪魔したのに、とても良くして頂いて。ありがとうございました」


「またいつでもいらして下さい・・・あら、どうかなさいました?」


じっと私の目を見つめた彼は、「いえ」と小さくかぶりを振りました。


「この店を初めて見た時から気付いてはおりましたが。そうですか、美鈴さんは・・・。ハルネ様もあなたのように、今もどこかで人々を見守っているのでしょう。傷付くことはあっても、やはりあのお方は人が好きでしょうから。ハルネ様が戻られるまで、私は社で待つことに致します」


マツカゼさんは檜笠を目深にかぶると「それではまた」と、静かに夜の闇へと消えて行きました。



「アキ。あら、眠ってたのね。起こしちゃってごめんなさい」


女性も帰られて、寝室に戻った私は窓辺の文机の前に座り、木枠の窓の向こうに昇る鋭利な三日月を眺めていました。 


アキはみーこちゃんの眠る小さなお布団の足元に丸まって、私の声に耳をそばだてています。


今夜来てくださった女性は、藤咲あかねさん。


彼女は、帰る頃には『神様に逆恨みしちゃいけないですよね。神様とか妖怪とかそういうの見たことないから信じてなかったけど、私が知らないだけで、あるって信じたら案外楽しいのかもしれない』と仰っていました。


何でも見えているようで、何でも知っているようでも、意外と知らないことが沢山あるもの。


見えていなかったものに目を向けると、自分を救ってくれるものに出会えるのかもしれませんね。


「マツカゼさんも、ハルネさんに会えるといいわね・・・」


人に傷付けられてしまった、人が好きな神様。


彼女を待ち続けるマツカゼさん。


−−大切な人がどこかで待ってくれている幸せは、きっとハルネさんもわかっているわ。だから、いつかきっとまた二人が会えますように。


真夜中の深い闇に鈍い光を放つ三日月に、願いました。

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