第2話

 アシュガは魔法研究会の会長で星と月の研究をして名誉を残している。いつも何かの研究に没頭しているがその研究については教えない。ドクターともこの街では呼ばれていて医者もできる凄腕だ。


 ミチルはいつも物語を書くのに夢中になって自身の身をかえりみないため、アスターはこうしてミチルをアスターのもとへ連れて行くのだ。


 アシュガ研究所は一面真っ白で黒いドアが鈍く光っている。ミチルは大きくドアをたたいた。


「アシュガ、いないの」


 何度か叩くとようやくねぼけまなこでアシュガが現れた。身長184センチメートルもある背に色白の肌。垂れた目に涙袋が女子に人気を博している。

一方,そのアシュガに気に入られているミチルにはよくない噂がながれているが・・・・・・。


「やぁ、そんなに俺の名前を呼んで・・・・・・」


 もう、ほかの女子たちに対する態度が何もかも違う。それは愛らしいものを見る目でミチルを見ている。


「うるさいよ、なかなか出てこないからでしょ」

「ごめんな、ほら中へおいで」


 そしてアスターを見る目はなかなか残酷だ。


「あ、いたんだ」


 ふいと顔を背けてアスターは知らん顔だ。何も話さない。もはやただの猫だ。

 空はより暗い紺碧色になり朱色の陽はとっぷりとつけこんだ。


「ミチル、もう夜遅い。今夜は泊っていきなさい」

「はーい、お父さん」

「お父さんではない」


 アシュガは笑った。

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