第24話

「……………冬華さん、好きです。」


私はようやく一番聞きたい言葉を一番言ってほしい人から言われた。


秋ちゃんは顔を真っ赤にして私の目をしっかりとみてそういった。嬉しい!


本来なら秋ちゃんと私はもっと早くこうなっていたはずだ。でもそれを小夏と鈴音が秋ちゃんをかき乱した。秋ちゃんはうまく隠せていたみたいだがバレバレだ。秋ちゃんは日に日にわたしに対して罪悪感を感じていたのが顔に出ていた。


すぐにでも私はわかってるからと教えてあげるのも手ではあったが、私はあえてしなかった。秋ちゃんにはもっともっと私のために悩んで苦しんでほしかった。その後で私がすべてを許せばもっともっと私を愛してくれると思ったから。自分でも

何を言ってるかわからない。でもそう思った。


ただ誤算があった。強引にそして脅してセックスをしていた小夏に秋ちゃんがなびくはずがないと思った。でもあの科学準備室からでて来た秋ちゃんの小夏を見る目が。あれはまずかった。だから私はやり方を変えた。小夏を脅して協力して鈴音を潰しその後で小夏を潰そう。でも鈴音も手が早かった。鈴音も小夏同様無理やりに肉体関係を結び秋ちゃんを縛った。


それにより秋ちゃんの私への罪悪感が限界を越え、すべてを捨てたような表情をしていた。それからの一週間は見てられなかった。私が秋ちゃんの教室にお弁当を届けて一緒に食べてる時もどこか心ここにあらずでスマホをみてから私に断りを入れて出ていく。多分小夏の所だ。私は秋ちゃんの後をこっそり追って


案の定科学準備室に入る秋ちゃん。入ってすぐに艶めかしい小夏の喘ぎ声が聞こえてきたが秋ちゃんの声は聞こえて来ない。しばらくしてから秋ちゃんだけが出てきた。その時の顔を忘れられない。まるで何事もなかったような表情で出てきたから。


ようやく秋ちゃんが家に戻ってくる。帰ってきた秋ちゃんはまるで記憶喪失になる前に見た顔で私に告白の返事をしたいから部屋に来てほしいと言われた。このときわたしは


(あー秋ちゃんはもう限界なんだ。そしてわたしは振られる。多分秋ちゃんの本音とは違うんだろう。でももうどうすることもできないのだろ、秋ちゃんには。今こそわたしが出る番。)


案の定、秋ちゃんは私を振った。嘘だとしても胸が苦しい。ほんとに苦しいのは秋ちゃん。わたしは優しく抱きしめて今までの事を、わたしが知っていた事を秋ちゃんに話す。あと少し。あと少しで秋ちゃんは私だけのものになる。


だから私はキスをする。溶けてなくなるくらいに深く長くキスをする。私のこの狂ってしまうほどの愛を秋ちゃんに流し込む。


そしてその時がきた。わたしが約6年間欲していた言葉。


「…………冬華さん、好きだよ。」


私はその秋ちゃんの精一杯の本音に


「私もずっと好きでした。私と付き合ってください!」


私も精一杯の二度目の告白をした。心臓が飛んでいってしまうんじゃないかとおもうほどドラムロールが体中を鳴り響く。少しの沈黙のあと、


「……はい。こんな僕で良ければよろしくお願いします。」


私は嬉しくてまた抱きしめた。今度のは力強くもうどこにも渡さないという意思をこめて。

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