第4話 弟の歪んだ愛情

⚠第4話には、性的シーンがありますので、苦手な方や不快に思われる方はここでストップすることをおすすめします!⚠








俺はリュークに助け出され、お姫様抱っこの状態であの冷たい部屋から出る。


5年ぶりに見る外の景色は、眩しすぎてよく分からなかった。


リュークは俺をこの国【アルバルト】の国民広場へと連れて行った。


そこには、父の…いや、王の首がステージの上の、木製の質素な台の上に置かれていた。


本当に王は死んでしまったのだ…


俺はリュークに問いかけた。


「なぁ…どうして父上を殺したんだよ…なんでなんだよ…」


するとリュークは笑い、答えた。


「だって俺の、俺だけの兄様を独り占めした上に…俺を『お前は将来、余を殺しかねない』とか言いがかりをつけて、城から追い出そうとしたからに決まってますよ!」


俺は、父から開放されることを望んでいたはずなのに…

今になって、捕らえられてあんな生活をしている方が安全だったんじゃないかと思ってしまった。


するとリュークは戻りましょう、と言って何故か小走りで城へと向かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


それから数日後、俺はこの国の王になることが決まった。


父である先代が、俺への行いで処刑されたのがあったのか、国民は誰一人として意義を唱える者はいなかった。


だが、俺は5年も外へ出ていなかったため腕は棒のように細くなり、肌はまるで雪のように真っ白になり、一人では王の責務を全てこなすことはできなかった。


そこでリュークが俺の秘書兼護衛として、俺の生活と業務を支えてくれることになった。

だが、このとき俺は油断していた。


リュークと仕事ができるという、兄としての喜びに浸っている場合ではなかったのだ…


もう…弟が魔王への1歩を踏み出していることにも気づかずに…


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺が王専用の業務室で作業をしていると、リュークの声が扉の向こうから聞こえてきた。


「陛下、少しよろしいですか?」


「いいぞ、入れ。」


失礼します、とリュークが中へ入ってくる。

俺は手を動かし、かけていた作業をメガネの位置を直しながら言った。


「どうしたんだ?食事はもっと後なのに。来客か?」


すると、リュークは何も言わずに俺に近づいてきた。


この感じ、嫌でも分かる。

俺が先代の王にされてきたことだからだ。


「な…なんだ?」


俺が椅子から立ち上がろうとすると、机の上にあった資料を腕で全て叩き落とし、膝を乗せ俺の服の襟を鷲掴みにした。


俺は怖くなり、リュークの手を振りほどき扉のドアノブへ手をかけた。


だが扉は開かない。

ガチャガチャと何度しても開かない。


その間に後ろに来ていたリュークに見る羽交い締めにされて身動きが取れなくなる。


「やめろっ!離せっリューク!!」


すると、無言でリュークは俺の上着を簡単に破り捨てた。

そして、床へ俺を叩きつける。


「うわっ!!痛っ…リ…リューク、やめろ…やめてくれ!!」


リュークの目は、いつものキラキラなピンク色の瞳ではなく、全体的に濃くなり赤にも見える色になっていた。


そして頬を赤く染め、俺に言った。


「だめなんだよ…兄様は汚れてしまったんだ。俺だけの純粋で、無垢で、天使のようだった兄様は…だから俺が染め直してあげるよ…あんなクズな父上の色から、俺の色にね…」


逃げようにも、窓も敵襲に備え簡単には割れない結界の仕込まれたものだし、第一足が竦んで動かない。


「兄様の、この濃い紫色の髪も、綺麗な紫の瞳も…華奢で色白な身体も、全部俺のものなんだ…」


俺は、抵抗したが虚しくもリュークに全ての衣服を脱がされる。


そして俺の身体をリュークは頭のてっぺんからつま先まで撫で回すと、俺の中へと入って来た。


「うあっ!?くっ///やめて、くれ…!」


リュークは俺がやめろと言っても、さらに奥へと入ってくる。


リュークは12歳にしては背も高く、ほとんど食事をせずにいた俺の身長をいつの間にかこえていた。


なんでだよ…なんで弟にこんなふうに抱かれなきゃいけないんだよ…


俺は男で…リュークのお兄ちゃんなのに…


そう思うと、涙がつうっと溢れてきた。

リュークは涙を舌で俺の眼球ごと舐めた。


もう嫌だ…魔王になるならない関係なしに今すぐここで死んでしまいたい…


助けて…誰か。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る