第7話 美海《ミュウ》

『はい、これ』

 プレゼントを手渡された。小さな包みに入ったモノだ。



『え、な、何❓』

『ロケットよ。私の写真が入っているわ』

 美海ミュウは照れくさそうに微笑んだ。



『ありがとう。大事にするよ』

 

『うン、開けてみて』


『えェ、ああ』

 僕は包みを開けてロケットを手の平に乗せた。

 


 ロケットを開けると、美海の写真が入っていた。

『フフ😌✨ 可愛いね』


 

『でも、安物よ』



『ううん、美海ミュウちゃんからのプレゼントなら何だって僕に取っては宝物だよ』

 値段なんて関係ない。



『ありがとう…… 付けてあげるね。

 後ろを向いて』


『うん……』背中を向けると美海はロケットを付けてくれた。

 緊張しているのだろう。かすかに手が震えていた。



美海ミュウちゃん、僕……

 ずっと忘れないよ』

『うん、私も…… アユム君のこと忘れないわ』


 淡い初恋だった…… 



 しばらくの間、僕たちは見つめ合った。

 胸の高鳴りがおさえられない。



『ン……😚✨』

 どちらからともなく唇を寄せていった。



『ゥ…ン……✨💏✨』

 柔らかな唇が重なりあった。



 初めてのキスは、ぎこちなく緊張した。



 ほんの少しスースーするガムのミント風味の味がした。





 まさか……。

 あのときの美海ミュウが、目の前の金髪ヤンキーのキララとは……










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る