第2話オレウム高地

〘 オレウム高地〙

この高地一帯が酷く干ばつしており、植物は1つも生えていない、もちろん動物も居ない。この高地はスピカへ向かうのに1番の近道である。しかしここを通ってる人は誰もいないそれには理由がありこの高地は非常に危険な場所であるからだ。


もちろんそんなことは啓示は知らない。


「うわぁああああああああぁぁぁ!!!カニ食いてぇええええええええ!」


『クッソ!!なんでこんなことに…どうしよう!この星にカニがなかったら……ぁぁぁあああぁぁぁぁぁあああ!!』

啓示はカニが大好きで1時間以内にカニを10杯以上摂取しないと食いたすぎてイライラが止まらなくなる


『ってか!スピカどっちよ!?あいつなんもいわねぇんだもんな!道中誰かに会えたりして道聞かねぇと…お?』


離れたところに人影が見える



『ラッキー!!』

(全力ダッシュで近づく)


『 ちょっとそこの人、スピカって国どっちにあるか知らねぇか?』(100メートルくらい離れたところか大声で喋る)


『え?』(こちらを振り向く)


『ん?!』(眉間にシワを寄せる)


『ん!!!??』(驚く)


『うわぁああああああああぁぁ!!!???!』

(その人は俺の方を見た瞬間慌てて走り出した)


『おい!なんで逃げんだよ!!殺すぞ!』(大声で)


『うわぁあああああ殺される!!!』(大声)


こいつ…逃げ足早い…


ていうか離れててよく見えなかったが、なんか変な形してるなこいつ。

わからんが体全身カニの青い甲羅見たいので覆われているな………人型のカニか?


はぁ?なんだそれw美味しそう


そんなことを考えながら徐々に距離を詰める啓示。


(クソ、まずいこのままだと追いつかれる!)

(なんなんだこいつは、離れててよく見えなかったが絶対やばい)

(こいつの顔、めちゃくちゃ怖いし、口からよだれめっちゃでてる!…食われる!?)


(追いつかれたらなんかやばい!)

一瞬振り向く………………………………すぐうしろ

『うわぁああああ』

『おい!なんで逃げんだよ!!』『ちょっと話聞くだけじゃねぇか』


じゅるり


『ていうかお前の顔なんだよエビか?』


じゅるり


『食うぞ!』


「ああああああああ!」

『やっぱり食われる!!』

『ああああああああぁぁぁ!』


1時間後


『グツグツ』っと鍋が音を立て、その中にはカニの様なものが煮え立っていた。

ちなみに啓示が追っかけていた者ののものでは無い。


鍋を俺とカニかエビかよくわからんやつとつつく…


エビとカニと人間が合体したような全身青い見た目をしているこいつの名前は海蟹(えがに)


カニ怪人だ。


『 お前これよくわかんねぇけどうめぇな!気に入った!毎日俺にこれ作れ!』


『 毎日!!』


『 はい』


『 あ?!😠』(クラブロンを睨みつける!)

『え… ?あ すいません…』なぜ怒鳴られた…




『 ところでよぉ!』(声でかい)

『 俺、さっきこの星に来たばっかでよ!この星についてなんにもしらね!』

『 だから教えろ!まずカニはいるのか?!』


『 カニ…いるんじゃないすかね。色んな星が合体してできた、宇宙でもっとも大きい星ですから。』


『あ?どういうこと?』


『他の星を吸収するというか、まぁ星が降ってきてそれがくっつく感じです』


『だから他の星の生き物が一緒にやってくることもあって、色んな種族や生き物、植物、環境、宗教、文化、神などなどが沢山あるんです。』


『 へぇー』


『啓示さんも星と一緒にやってきたんですか?』


『いや!違う。俺星の星、地球は…』

啓示はそれから地球のことと自分のこと、神にあったこと、そして、カニのこと、について海蟹に語った。


『そんなことがあったんですね…じゃあガイアってやつを早く倒して奪い返さないとですね。』


『いや、別にいいわ』


『…え?』


『いやだってカニがこの星にもあるんだったら別に地球取り戻さなくてもいいし。』


地球<カニ


『そういやお前なんで最初あんなに逃げてたんだ?』

『 いやだって啓示さんの顔めっちゃ怖いです』

『はぁ?何言っちゃってんの。俺の顔が怖い?イケメンすぎて怖いっていうことか?』


『…あっそういえば』ガン無視


『鏡持ってるんだった』(クラブロンは背に背負っていた蟹のバックからカニの鏡を取り出した。)

『これで自分の顔みてください』


『?』(啓示はゆわれるがままに顔を、鏡で見た。)

『 ん?なんだこれ?』

『 おい!この鏡なんか俺の顔写したらなんか、紫色のゴムボールみたいなのになんかベノムみたいな口の化け物映るぞ!』


『 そうですね…』


『 いやそうですねじゃなくて…』


『 ?』(少し考える)


『 ?』(顔に手を当てる)


『 ?!』(触った感じがなんか変)


『 ?!!』(自分の顔の異変に気づく)


『 え?俺の顔?これ』


『怖い!』


『こんなの俺じゃねえ!うわぁ!多分夢だ!寝る!』


啓示はそう言うとカニ柄の寝袋に入ってすぐ寝た


『夢なのに寝るんだ…』



『 翌朝』


啓示は海蟹の案内によりスピカを目指して歩いていた。


『 おい!』

『 おい!』

『 おい!!』


『 うるさいです!』


『 スピカってどんな国』


『スピカはいろいろ凄いですよ……』



昔、複数の国が経済、植民地、宗教などでの覇権争いを繰り広げており、長きに渡り戦争を続けていた。その戦争は勢いを増し続け、覇権争いに関与していない国まで巻き込んだ。スピカもその1つでスピカはこの戦争で滅んだ魔法使いの国であった。


そしてこの戦争を終わらせたのが、現女王『マナ』そして銀河最強の剣王女『ウィリディス=ロンドン』の2人。


彼女らは突如隕石とともに空から降って来て、敵艦を蹴散らした。


拳と大剣1つで国を消滅させるというデタラメな強さで次々にスピカ周辺の国々を壊滅させ、スピカを中心とし、他国を吸収し続け大国となった。


以上スピカの伝説の書から抜粋…











『とても大きい国でこの星で最も人口が多く、魔法技術と科学技術がこの星で最も進んでいるぞって居酒屋のおっかさんが言ってました。』


『 ふーん そう なんで海蟹は、スピカに向かってんだっけ?』


『 出稼ぎです。』

『出稼ぎ?』


『スピカでは今冒険者稼業が盛んなんですよ』


『え?冒険者だと!?それってなんかダンジョンとかモンスターの討伐とかするあれか?』


『まぁそんなことですね。』


『すげぇ!ファンタジー!』


『はぁあ!ワクワクしてきた!から歌うわ!』


『え?』


『 口笛はなぜぇ〜とぉくまでぇ〜聞こえるのぉ〜🎶』(肩に手をかける)

『 あの雲はなぜぇ〜わたぁあ〜しぃ〜を〜待ってるの〜』(めっちゃ左右に揺れる海蟹と一緒に)

『 おしぃ〜えてぇ〜おじい〜さん〜🎶』

『 なんすかその歌?』


『 あ?これはな俺の星では知らないやつはいない超有名な歌だ!』


『 どういう時に歌うんだ』


『 教えてほしいときだ!』


『 なにを?』


『低燃費だ!』


『低燃費?……』


そうして2人はスピカを目指して歩いていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る