統一歴14年7月18日 2ページ目


 さて、なぜ今になって気づいたか話そう。私は君が亡くなったと聞いて君のことを思い出したんだ。それで、少し懐かしくなってね。歳をとって懐古的になったんだろう。あんなに嫌いだった君このことすら懐かしく思えてたんだ。それで、昔のレターボックスを見てみたんだ。そこには、未開封の君の手紙が山のようにあってね、私は驚いたよ。当時の私は君の手紙を開けることすら億劫だったみたいだ。それで、その手紙を私は読んでみたんだ。


 私は君の手紙を読みながら涙を流してしまったよ。どれもこれも私を気づかう言葉ばかりで、こんなに私のことを想っていてくれたとは知らなかった。なぜ、あのとき手紙を手に取らなかったのかと嘆くばかりである。もし、一通でも君の手紙を読んでいれば、私は君の想いを知ることができたのに!! 当時の私は本当に何をやっていたんだ!!! 

 

 つまらないことで嫉妬して、君の忠言にも耳を傾けず、さらには、君の想いが篭った手紙すら気づけないとは……。自分の不甲斐なさに苛立ちを覚えるよ。本当に申し訳ない。


 君はよく私に「正しさは後になってから気づくものだから、ときどき足を止めて後ろを振り返って自分の行動を省みなさい」と言っていたね。確かにその通りだったよ。君の言葉は一々的を射ていた。私が歩んできた人生を振り返れば、そんなことばかりだ。君の言葉は私の人生で培った教訓そのままだった。そう、私は君から何も学ばず君が危惧していたように生きてしまったのだ。本当に申し訳ない。


 こんなところで書いても自己満足に過ぎないと分かっている。だけど、書かずにいられない。


 君が私を恨み、私のもとに幽霊としてやってきて私のこの日記を見てくれないだろうか。私は、君が見に来ていると思ってこれから日記を書き続けることにするよ。自分勝手な願いだが、どうか許してくれ。私にはこれしか思いつかなかった。出来れば、私が地獄に落ちるときまで見ていて欲しい。我儘にばかりですまない。今日はここまでにしとくよ。


 親愛なるオレリアに捧げる。

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