第16話 君はビキニを着ないのか!?

「一体、何なんだね急に?」日暮先輩は疑問を俺に投げかけてくる。しかし、その身なりはすでに水着であった。黒のビキニの水着・・・・・・・凄いスタイルの良さに俺はゴクリと唾を飲み込む・・・・・・・・、って、学校のプールでその恰好はなんだ。


プールの周りにはどこからかギャラリーが集まっている。


「なに、ニヤニヤしてるのよ。気持ち悪い」後ろから詩織の声。ピンクのワンピース、うーん惜しい日暮先輩に比べると少し幼児体形・・・・・・・・。


「い、痛い!!なにするんだよ!!」いきなり詩織は俺の太ももの辺りにローキックを食らわせる。


「解んないわよ!なんか無性にムカついただけ!」腕組をして背中を向ける。こいつはもしかしてエスパーなのかと疑ってしまう。


「なんだか知らない間に仲良くなってんのね。あんた達」高原が俺達のやり取りを見て呟いた。彼女は緑の、可愛いビキニ。フリルの付いたパンツが可愛い。詩織よりは少し先を発育がいいようであった。


「「何処がやねん!」」俺達はシンクロするように叫んだ。


「ところで、何をするんだね。服部から水着で来るように言われたから来たんだが」日暮先輩が髪をかき上げる。その仕草はまるでセクシータレントのようであった。


「いや、細川さんのダイエット作戦で、足に負担を掛けないように運動するには水泳が一番良いかと思ったんですけど・・・・・・・・」


「どうせなら、みんなでやったほうが楽しいと思ったでござる」服部が補足する。ってお前は水着じゃねえのかよ!


「私は、いつでも戦えるように備えて奥でござる」誰と戦うねん。


「で、肝心の細川さんは?」詩織が辺りを見回す。細川の姿が見えない。


「それがまだ、着替えから戻って来ないんだ」結構な時間が経過している。まさか水泳が嫌で逃げ出したのかと思った。


「私が見てくるでござる」そう言い残すと、服部は忍者のように姿を消した。一体どんな仕掛けなのか不思議であった。


「おい、ちょっと・・・・・・・・・」プールの外のギャラリー達の中から声が聞こえる。その声の主を確認すると、そこには顧問の松下だった。


「松下先生まで・・・・・・・・・、どうしたんですか?」日暮先輩達の水着に釣られてやってきたのだと呆れ顔で俺は見つめた。


「なぎさ君!君はビキニを着ないのか!?」松下は訴えるような目で見つめる。


「へっ?」俺はその言葉の意味が解らず頭の名がを「?」マークが異常発生する。


「いや、HANDYMAN倶楽部の部員達が水着ショーをやっているっていうから、てっきりなぎさ君も・・・・・・・・・・、う、痛てててて!な、なにを!!」俺は怒りに任せて松下の顔をグリグリと足で踏みまくった。


「見つけたでござるよ!」そのタイミングで服部の声が聞こえた。皆の視線が声の方に集まる。


 その隣には、恥ずかしそうに背骨を丸める水着姿の細川の姿があった。




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