鋼の相棒と元警官の奇妙な人情物語

義務感でなく、使命感で働く元警官。
手にするのは警察手帳から黄色い旗へと変えて、今日も児童を優しく見守る。
優しい眼差しとは裏腹に、その心は日本の未来を憂いていた。が、心配事は尽きない。それは隣に若輩者の鋼の相棒がいるからだ。

こうして、物語は進んでいきます。読み進めていく内に人が持つ感情を鋼の相棒に教えて行く様は、どこか心がほんのりと温かくなります。指導は厳しくもありますが、時にはコントのような笑いを誘う場面もあるのは、読み応えがあります。
夢中になって読めるのは、作者様の想いが描写に詰め込まれているからだと私は感じました。

ただ、この鋼の相棒との人情ある交流が、暗雲の日本を予感させる未来ビジョンへと向かっていきます。
読み進めていけば、読み手の想像を覆すゾッとするものを見ることに……。
是非、一読下さい。読了した時、この意味がきっと分かります。