第50話

リーシアの転移でウェールさんの所に向かったのだが、そこにはウェールさんと楽しそうにおしゃべりしているカンナ達の姿があった。


ダンジョンにまだ入っていない、なんてことはないだろうしもしかしてもうクリアした後なのか?



「あ!お疲れ様です!翔さん、こっちはもう終わりましたよ!」



俺の予想フラグ通り、ダンジョン爆速攻略をしていたようだ。

俺が言うのもなんだが早いな……

カンナ達もダンジョンごと吹っ飛ばしたりしたのかな?



「お疲れ、皆ー。ウェールさんもご無沙汰してます!

かなり早かったね、そっちはどんな感じだったの?」



「えっとですね、こっちのダンジョンは一つではなくて複数に分かれていたんですよ。だから私の眷属全員召喚して一気に攻略したらすぐ終わっちゃいました!」



「うん、複数ダンジョンがあるからか、他のボスより弱かった」



二人はそう言っていたのでそういうものなのか、と思っていたが不意にフロッティの方を見ると青ざめた顔で首をふるふると横に振っていた。



あ、察した……



「翔さん、異世界に帰られるという風に聞きましたけど、本当に帰ってしまわれるのですか?」



俺達の会話が一段落した時にウェールさんが不安そうに聞いてきた。



「まあ、帰ると言えば帰りますけどすぐ帰ってきますよ。

遊びに行ったり物を買って持ってきたりするだけで、あくまで俺の住む世界はこっちですから。」



そう言うと、そうですか、そうはよかった!と安心しているようだった。

ウェールさんの不安を解消してほっとしていた時、



「主様の異世界に行くの私楽しみです!早く行きましょう!」



リーシアが嬉しそうにそう言ってきた。


しかし、一つ問題がある。天使様に異世界転移の方法を聞くのを忘れていたのだ。



ダンジョン攻略のことばかり考えてて肝心なところを忘れてた……


どうしよう、天使様!やり方教えてー!って言っても聞こえないだろうしなぁ。



「え!?聞こえてるよ!異世界転移の方法だね!そう言えば教えてなかったもんね、やり方は簡単だから今から教えてあげる」



頭の中に天使様の声が聞こえたきた。



あ、聞こえてた……声に出してなかったんだけどなぁ。



「ちょうど今君のことを見てたからね、心の声まで聞こえてきたってわけさ!

それよりやり方だけど、

ログアウト!って心の中で念じて、出てきたメッセージ画面のYESを押せば行けるよ!簡単でしょ!

あ、他の子達はパーティーメンバーシップに入っていれば、自動で君と一緒に転移するから操作は君一人がすれば問題ないからね。」



おそろしく簡単に異世界行けるんだな(笑)

ログアウトって、まんまもといた世界のゲームみたいだ。

もしかして、ここの世界の神様は俺のいた世界の元住人だったりするのかな?

ってそんなわけないか。



それより、こんなやり方が簡単なんだったら今すぐにでもできるな。



「そうだね、リーシア!

今天使様に転移の方法を教えてもらったし、早速行こうか!

皆もいい?」



リーシアはもちろん、他の皆も転移について了承してくれた。



じゃあ、久しぶりの元の世界に戻るか!



ログアウト!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

元いた世界への転移を行いますか?


YES or NO

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



天使様の言っていたようにYESを選ぶ。


すると、俺達の体が光に包まれていく。リーシアの転移の時も同じように光に包まれるが、この光はそれの比ではないほど強烈な光だった。


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