第2話

 過去の話で盛り上がることも多々。私と尊君はよく話をするようになった。


 私はノートを使うことを決意した。


「あのね、下谷君。ちょっとお願いがあるの。このノートなんだけど、預かってもらいたいんだ」

「? ノート? 何のノート?」


 尊君は不思議そうに聞いてきた。私はちょっと意味ありげに微笑んで見せた。


「それは内緒。中は見ちゃダメだよ?」


 釘を刺しておく。


「えっとね、返してって言うまで持ってて欲しいの」

「まあ、よく分からないけど俺が持ってればいいんだな? 分かった」


 尊君はノートを受け取ると、鞄の中に入れた。


 これは賭けだった。私の大切なノート。

 役に立つだろうか。

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