8月6日

 8月6日。私は松山駅に戻ってきた。今日は香川へ戻る。琴電を乗りつぶして金毘羅山に登って岸井うどんのうどんを食べる。


 せっかくなので今回はしおかぜのアンパンマン列車に乗ることにした。アンパンマン列車は運行区間によって使われる車両が違う。今回はおととい新居浜で撮ったアンパンマン列車に乗る。


 改札の前から構内を見ると、そのアンパンマン列車が側線にいた。これからこれに乗るんだと思うとわくわくしてくる。


 しばらくすると、アンパンマン列車がホームに到着した。この後折り返しの電車とつないで走るらしい。多度津で切り離して岡山に向かう電車と思われる。


 しばらく待っていると、折り返しの特急用電車がやってきた。やってきたのは普通の特急用電車だった。アンパンマン列車と連結して、岡山・高松行きの特急しおかぜ・いしづちとして走る。幸いにも、後ろのアンパンマン列車が高松行きのいしづちだとのこと。よかった。


 8時10分。特急は岡山・高松に向けて出発した。出発すると、アンパンマンのアナウンスが流れる。これは6年前に乗った今はなきアンパンマン列車にもあった。これだけでもわくわくする。


 終点の高松まではかなり時間があるのでスマホで動画を楽しみながら過ごす。快適快適。


 10時30分過ぎ、私は高松に戻ってきた。琴電に乗り換え。高松築港に着くと、何と京急色の電車が!やった!京急色の電車に乗れる!車内は普通だったが、前の運転席には京急のゆるキャラ「けいきゅん」も乗ってる!これは面白い!


 終点の琴平に到着。ここでうどんに行くか。それとも金毘羅山に登るか考えたが、先に善通寺の岸井うどんに行くことにした。


 私はJRの琴平に向かった。琴電の琴平とは少し離れたところにある。琴電より立派な駅舎で、特急も停まる。


 ホームに降り立つと、特急がやってきた。なんと、新しいアンパンマン列車だった。土讃線を走るアンパンマン列車には赤と黄色があるが、今回は赤だった。思わず私は写真を撮ってしまった。外だけでなく、デッキも。明日、絶対乗りたい。乗って高知に行きたい。


 その後に発車した普通電車に乗って、私は善通寺にやってきた。この善通寺は現役では四国で最も古い駅舎だという。ただ、JRで一番古いと言われている明治19年製の亀崎駅が一度駅舎が焼失したという説がある。私は忘れず写真を撮ってきた。


 目的地の岸井うどんは尽誠学園を抜けた先にある。尽誠学園は高校野球が強く、日本人メジャーリーガーも輩出した。今年の春の選抜に出場が決まっていたが、コロナの影響で選抜は中止。交流戦で出るそうだ。


 1車線の道路を渡って、私は尽誠学園の前に来た。ここから尽誠学園の中の細い道路を抜けて、岸井うどんに向かった。


 道路を歩いていると、尽誠学園の生徒が歩いていて、声をかけてくれる。これは嬉しい。中でも野球部とすれ違った時には興奮した。この中に未来のプロ野球選手がいるんだろうか。


 尽誠学園を抜けると、ビニールハウスが見えた。ここが岸井うどんだ。岸井うどんは移転前から『ビニールハウスのうどん屋』として知られていた。


 しかし、営業していなかった。張り紙を見ると、コロナの影響で無期限休業とか。あーあ。食べたかったな。


 私はお腹を空かせながら行った道を引き返した。琴平に戻って中野うどん学校でうどんを食べよう。 うどん作りを体験するんじゃなくて、食べるためだ。


 私は善通寺駅に戻ってきた。よく見ると、次の琴平方面の列車は特急だ。自由席払ってでも琴平に早く行きたいと思って次の特急に乗ることにした。


 ホームで特急を待っていると、向かいにアンパンマントロッコがやってきた。これは知らなかった。思わず私は写真を撮った。


 1駅だけなのに特急に乗って、琴平に戻ってきた。確か、うどん学校は金毘羅山への参道の途中にある。以前、日帰りで香川に行って金毘羅山に参った時もここでうどんを食べた。


 いったん琴電の琴平駅に戻って、コインロッカーにキャリーケースを預けた。キャリーケースを持ったまま金毘羅山の長い階段を上り下りするのは無理だと思ったからだ。


 参道をしばらく歩いて、中野うどん学校に着いた。打つためじゃなく、食べるために。すでにお昼の時間を過ぎたからだろうか。そんなに人はいなかった。


 うどん学校のうどんといえば、以前行った時から気になっていたのがある。『うまかった箸』と『まずかった箸』だ。さすがにこれには笑っていたが、また来た時もやっぱりあった。もちろん私は『うまかった箸』に入れた。


 さて、ここから本番。金毘羅山登りだ。最初は短い階段が連続していた。この時はまだ大丈夫だった。しかし、長い階段を登るにつれて、暑さに加えて、疲れがたまってきた。次第に前かがみになってきた。


 その途中で、神椿という店を見つけた。あまりにも暑いし、疲れているので、ここでかき氷を食べよう。店内にはけっこう人がいた。こういう木立の中で食べるってのもいいよな。


 かき氷を食べて涼んだので、登山再開。しかし、歩くうちにだんだんしんどくなってきた。これでキャリーケースを持っていたら、まず登れないだろうな。


 ようやく登り終えた頃には、へとへとだった。ここから見る讃岐平野の風景は素晴らしい。私は見入ってしまった。


 しかし、ここからまた下らなければならない。まさに『帰るまでが金毘羅山』だ。しんどい中、私は下山した。


 琴電の琴平駅に着くころには、もう3時を回っていた。金毘羅山を登って下りて汗だくになっていた。私はいったんホテルにチェックインして服を着替えてから琴電を乗りつぶすことにした。


 4時半過ぎ、再び瓦町に戻ってきた。先日と同じホテルにまた宿泊する。


 着替えてキャリーケースを置いてきた私は、琴電の乗りつぶしに出発した。まずは志度線。長尾線もあるけど、海沿いを走っていて、暗くなったら美しい海が見えないだろうから志度線にした。


 志度線は元京王や元京急の電車が走っておらず、元名古屋市交通局の電車が走っていた。名古屋で活躍していた頃は非冷房だったが、移籍した時に冷房をつけたらしい。名古屋に住んでいる私は、どこか親近感を覚えた。


 志度線のホームは他の路線とかなり離れていて、動く歩道のある長い通路で連絡している。


 志度線は高徳線と少し区間が並行していて、終点の志度駅はJRの志度駅と隣接している。やってきた電車はすぐに折り返していく。


 周辺を少しだけ歩いて、私は志度駅に戻ってきた。徐々に陽が傾いてきた。瓦町まで戻って、長尾線に乗ろう。


 瓦町まで戻ってきた。次に乗る長尾線は緑の電車だ。琴電は路線ごとに電車の色が違っていて、琴平線は黄、長尾線は緑、志度線は赤となっている。


 長尾線の電車のほとんどは瓦町から琴平線に乗り入れて高松築港まで走っている。長尾線は以前香川に行った時に唯一乗ってなかった。


 私は終点の長尾駅に着いた。志度駅と同じくホーム1つだけの終点だ。


 駅舎を見ると、ガラスに社紋が入っている。私はそれが気になって調べた。するとこれは長尾線の前身、高松電気軌道の社紋だそうだ。


 あと2日は高知県。最後の2日を思う存分楽しもう。

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