第2話~2

父の介護を止め、本格的に自分の歴史を文章化した。ある映画プロデューサーに励まされ、何度か書き直した。その度に私は過去の思い出したくなかった筈の出来事をなぞる事でかなり心の重荷を下せたのだと思う。しかし、結局書いたものはモノのにはならず、このカクヨムに「歪んだ座標軸~近親姦サバイバー~」を置く事になり、そんな時、父が陥落した。丁度その時、私は初めての介護の職場でイジメにあっており、私の体にも様々変化が生じており、相手がその時の会話を改ざんして本社に報告したりと。。本当に酷い目にあっていた。。結果、私は同じ会社の違う事業所へ転勤させてもらう事によって、新たな出発としたのだが、その際、「生まれてきた目的に辿り着くまで」という題名で一つ文章化した。。

それを書き終わる頃、子供の頃の異次元へ行ったという記憶の違和感を覚え始めたのだ。。

地面は白い靄だった筈が、地面があったのだ。。


あれは。。。異次元なんかじゃない。。



「歪んだ座標軸~近親姦サバイバー~」に登場するシーターヒーリングの先生に相談しようと思いつくが、シーターの先生の環境がよろしくなくなり、フェイスブックや何もかもから撤退するときかされた。。それでも私をみます。。と連絡方法を教えてくれたけれど、その時、岐阜の教授の言葉が蘇った。。

「紫ぐれさんにはパワーの弱いヒーラーではあなたに負けてしまう。」として紹介されていた事。。

はじめてのシーターヒーリングの際、私はシーター先生に言ったことがある。

「私の潜在意識には先生を騙そうとする輩がいるかもしれません。。お気を付けください。。」と。。。

先生は「それは霊的なことですか?」と聞いてきたので「わかりません。」と答えたような。。。

実際わからなかった。。。私が過去に作り出そうとしたもう一つの人格なのか?霊的な事か?等。。素人の私では分からない。。という事が本当だった。。

ただ。。。先生の状態が悪くなったと聞かされた時、うすらぼんやりと私のせいのような気がした。。。


父は役者としてブレイクした事のない役者であり、それでも長年仕事を切らすなど無く、ずっとじりじりとでも役をあげて晩年は結構なお金を稼ぎだせる役者にはなっていた。。

顔を見れば「ああ、この人!」と思ってもらえるのに、名前が出てこない。。そんな人だった。。


ブレイクするには必ずキーマンが必要。

そして、父を持ち上げようとする人が居なかった訳ではない。。ただ。。そのような人物と御縁が始まると、決まってその方が早死にしてしまう。。そんな事が運命づけられていたように思う。。勿論結果論だが。。


母にしても、マネージャーになった義母にしてもみんな早死にしている。。


父は「食い殺す」。。そんな忌神のような性分をもっているのかもしれない。。

そして私はその娘でもある。。


そんな父に最後の最後で食い殺されまいとしてもがく力が残っている娘なのだ。。


岐阜の教授が言っていた。パワーの無いヒーラーではあなたに負けてしまう。。


これを考えるうち、私はシーター先生を頼る事はやめた方が良い様な気がして、連絡はしないだけでなく、その連絡方法も無かった事にした。。


私は幼少期を何度もなぞり思い出そうとした。。そうすると、ポツポツと少しづつ正しい記憶が蘇ってきた。。


そう。。地面だけでなく、そこはガードを超えて行った先右手にあった空き地。。

その空き地の奥には大人でも頭を落とせば入れるような大きな土管が横倒しに積まれている事も思い出した。。

そして私はその土管の中に居た事まで思い出した。。

異次元などではなかったのだ。。


この頃、父の事。。憎しみが残っている事に気づき、「歪んだ座標軸~近親姦サバイバー~」は書き直さねばならない。。として仮題ではあるが、「親と言う仮面を被った忌神」というのを書き始めた。。が、仕事に追われ放置が続くので一旦さげているが、そこにはその事も書き込んでいる。。


そしてその後、芋づる式に細かい事も思い出した。。

ガードをくぐる時から人が一緒だった事。。

そしてやたらと手をつないだ手だけが頭の中を駆け巡る事が多くなった。。

次に思い出したのは

白髪の老婆がただのしらないオバチャンだった事。。

この人にどこから来たのと泣いている私は聞かれ、元来たガードを指さし、そのオバチャンと一緒にガードをくぐり、私は礼も言わず走り出し、商店街から帰った事。その後、土管の中で知らないオジチャンにパンツの中に手を入れられいたずらされている事も思い出した。。怖くなって私は泣き出した。。現代だったらおそらく首でも絞められて殺されていたのだろう。。しかし、そのオジチャンは逃げて行った。。そして知らないオバチャンが土管を覗き込んでくれたことに記憶は繋がった。。しかし、商店街から家に到着するまでの私の心理の変化や情景は今も思い出せない。。母には異次元に行ったという話をその日のうちに雄弁に語っていた事も思い出した。。


後に母は娘が誘拐されそうになったとして警察を呼んでいる。

要は私が家の前で遊んでいると、しらないオジチャンがおいでおいでをするのだが、私はそのオジチャンをみるとフリーズしてしまっていた。。数回そんな事があっただろうか。。ある日、オジチャンは乗ってきた自転車を止めて降りてこちらへやってきた。。私はフリーズしていたものの、危険を更に感じてやっと体が動いて、家の中に入って鍵を閉めた。。「母がどうしたん?」と聞くので「ママ。怖い」と言ってそれまでのいきさつを話して、お巡りさんが家にやってきたと言う訳だ。。ただし、土管の出来事は異次元へ行った記憶に塗り替わっており、繋がらなかった。。今、ハッキリ断言できる。。私にいたずらをしたのはそのオジチャンだ。。


これは、近況ノートに昨年2月に思いついてかいているのだけれど、小学校4年くらいの頃、学校帰りに私は痴漢にあっている。。いきなり後ろから着て私のお尻を触って走って逃げて行った男が居た。。私はあの時、「置いて行かないで!」と妙な事を心の中でつぶやいたのを思い出したのだ。。おそらく、記憶の中で置いてきぼりになった事を繋げようとしていたのかもしれない。。

「歪んだ座標軸~近親姦サバイバー~」には中年期に至るまでにどんどん

酷くなる悪夢の内容を書いているところがある。。

その洞窟の悪夢に出てくるゲル化した門番の顔。。


その顔は酒やけしたような赤ら顔の土管の中のそしておいでおいでしていたオジチャンの顔だった。。

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