2020/9/27に発生したアルメニア・アゼルバイジャン間の戦争についての現状況及び考察

扶桑のイーグル

政情の簡単な解説・軍事力について・前略など

 ※未確認情報を多数含む可能性があります

 ※各国の大本営発表により、戦果が過大もしくは過少報告されている可能性があります

 ※あくまで現状を書き残します


 アルメニアとアゼルバイジャンは昔から対立の深い国です。双方ともに確固たる虐殺の歴史があり、あった無かったで論議している日韓関係とは比較にならないくらいの闇があります。

 アルメニアはロシアとのつながりが深く、集団安全保障を結んでいます。一方のアゼルバイジャンは、旧ソ連領でロシアにガスや石油を輸出、兵器等の輸入などを経済的なつながりは太いのですが、仲は良いと言えません(ロシアはナゴルノカラバフ問題ではアルメニアを支援するが、少数民族独立問題では協調的な態度を取ったりと一概には言えない関係)。トルコとの方が仲が良く、兵器の輸出も受けています。

 ただしロシアは現状、ウクライナ東部及びシリアの二つの戦線を既に抱えており、革命の続く隣国ベラルーシの政情不安などもあって新たにアルメニアのあるコーカサスで戦線を抱えるのはリスクがあるため、深く介入するのは避けたい傾向にあると思われます。


 両国はこれまでにナゴルノカラバフという地域をめぐって何度も衝突を繰り返しています。ここは山岳地の多い、琵琶湖6.5個分、山梨県ほどの広さがある土地です。

 アルメニアはアルメニア文化中心の地と主張し、アゼルバイジャンは先祖の土地と主張しています。1990年代の戦争では、事実上アルメニア側が勝利を収め占領しましたが、国際的にアルメニアの土地と認められてはいません。


 両民族の関係性の悪化となっている虐殺の経緯は、20世紀初頭トルコがアルメニア人を大虐殺→共産革命で権力を得たアルメニア人がムスリムへの復讐でアゼルバイジャン人を虐殺→トルコ軍によって革命は阻止され、アゼルバイジャン人が復讐でアルメニア人を虐殺

 という流れです。



 今回はアゼルバイジャン側が相当な用意をしていたようです。

 アゼルバイジャンはバクー油田などの資源資本を使って軍を強化、トルコ、ロシア、イスラエルなどから兵器を購入しています。

 アルメニアと比べると、軍事力は数倍上です。特に空軍は隔絶した量を持っています。アルメニアが戦闘機を四機(Su-30、英語・フランス語・イタリア語wiki)、または五機(+MiG-25、ロシア語wiki)に対し、アゼルバイジャンは五十機以上持っています(諸説あり)。


 アゼルバイジャンはトルコからの支援が得られ、一方ロシアはアルメニアを助けたいものの、トルコがNATO加盟国であることとアゼルバイジャンとの関係性も保ちたい思惑があるため手を出し辛い状況に置かれています。

 よって、アゼルバイジャンが非常に有利です。

 また、ナゴルノカラバフ南部とイランの国境を封鎖してしまえばロシアが直接支援できるルートが無くなるので、そこを封鎖しようと軍を進めているようです。


 両国日本との関係は

 アゼルバイジャン 在留邦人55名 日系企業11社

 アルメニア 在留邦人27名 日系企業5社

 となっています(平成30年)。またバクー油田がある関係で研究所や出光なども深くかかわっています。


 既に大変なことになっていますが、戦争が早期に集結し、被害ができる限り少なく収まることを祈るばかりです。


Special Thanks(情報収集のために利用させていただいた主なアカウント)

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https://www.oryxspioenkop.com/2020/09/the-fight-for-nagorno-karabakh.html (@oryxspioenkop)

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