第12話 冒険前日

小さい頃さぁ~、将来何に成りたいって、聞かれなかった。

小さい頃さぁ~、何かに成れる気がしなかった。


それが何かは分らないんだけど。

時の向こうに、何か、こぉ~う、輝く何かが見えていた様に思えたんだ。

でさぁ~、そこに向かって冒険に出るんだと思ってた。


だからさぁ~、色々なアイテムをそろえて、かばんに入れたんだ。

あこがれに、希望に、夢に、可能性に、出逢であいに、

UFOとか、アトランティスとか、ムー大陸とか、とにかく色々さ。


旅の中で、多くのモンスターに出遭であった。

まず不安にりつかれ、あこがれを失った。

自身が生き残る為に、他の者を沼地ぬまちに取り込むゾンビ、最悪の出遭であいだった。


才能にあふれた勇者達に出会であたびに、可能性はってゆき、

行く手をらす希望の光は小さくなった。


どんな物にでも、どんな者でも、交換できる、お金と言うアイテムを得るたびに、

疲れ果て、心がけがれて、夢は消えていった。


でもね、それが今でも残ってて、まだ続いている気がして。

気持ちだけは、まだ先に進める気がして、

まだにごってない何か、何かがある様に思えるんだ。


どうしよう、どんなアイテムを集めれば、先に進めるかな。

考えるだけで、胸がおどらない。

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