第6話『夢へ続く道』
ザッシュらとの戦いから、数日がたった今フリードはとある場所にやって来ていた、その場所とは…
―――――冒険者ギルドだ
少し古びた木製の扉を開けると、フリードは深く息をして堂々と中に入っていった。
中に入ると、いくつかの視線が集まるが直ぐにもとに戻る、その様子に安堵の息を漏らす、
実はフリードはとても緊張していた。というと酒場に来ている冒険者に、冒険者ギルドについて話を聞いたときに新人はよく悪い冒険者に絡まれると言われたことを思い出して内心ドキドキしていたのだ。
ちなみに、その話はかなり昔の話で冒険者ギルドの規制が整った今ではほとんどそういうことはない。
では、なぜ件の冒険者がそんなことを言ったのかというと、それはフリードの緊張を解くためのその冒険者なりのジョークだったのだ。
何故それで緊張が解けると思ったのかはいささか疑問だが、フリードの為を思って言ったことには違いない。
――――――― ―――― ―――
フリードは少し周りを見渡してから目的の場所まで一直線に歩いていく
―――その時、フリードは後ろから肩を叩かれた
恐る恐るフリードが後ろを振り返ると、そこには―――
「ヴィントさん!?」
「よう!フリードこんなところで何してるんだ?おっとこの質問は野暮だったな、この場所にいるということはついにフリードも冒険者になるんだな」
「はい!」
「フリードの実力ならもっと早くになっててもよかったと思うんだがまぁいいか」
このヴィントという男は、実は《魔槍士》という職業を持つBランクの凄腕の冒険者なのだ
何故、フリードのことを知っているのかというと、ヴィントはフリードの両親が経営する酒場の常連客でたまにフリードに稽古をつけたりしてくれて、フリードをとても可愛がってくれているのである。
「フリードは、今から冒険者登録か?」
「はい、そうです」
「そうか、じゃあ俺はこれから依頼があるからじゃあな、今度また稽古つけてやるから楽しみにしとけ」
「はい!!」
そういってヴィントは冒険者ギルドから去っていった。
ヴィントと話したお陰で気づいた時にはもう緊張は欠片も残っていなかった。
緊張がなくなって軽くなった足取りで目的の場所に進む、目的の場所とは…受付である。
受付にいくと綺麗な受付の女の人に話かけられた。
「こちら受付になります。本日はどんなご用でしょうか?」
「冒険者登録をしに来ました。」
「冒険者登録ですね、ではこの紙に記入事項を記入してください。代筆は必要ですか?」
「わかりました、代筆は必要ないです」
「かしこまりました」
この世界での識字率は低く、字を書けない人がほとんどなのである。
では、なぜフリードは字を書けるのかというと母親に教わったのである。フリードの母は何故かとても物知りで頭がいい、そのため幼少の頃にフリードに字の教育などを施したのである。
記入事項は、名前、年齢、得意なことなど簡単なことだけなので直ぐに書き終わった。
昔は職業も記入していたらしいが、職業が人に知られるのをいやがるものが冒険者には多かったため職業を記入するのはなくなり、得意なことなど簡単に記入するようになったという経緯がある。
紙に記入事項を書き終えると、それを受付嬢に手渡した。
「はい。確認しました」
「冒険者について説明は必要でしょうか?」
「はい、よろしくお願いします」
「では、説明しますね…」
説明されたことを簡単にまとめるとこうだ
1.冒険者は実力によってランク分けがしてあ
り、一番上からS、A、B、C、D、E、Fとなっている。
2.魔物も同じように強さによってランク分けがされていてこちらは、
S、A+、A、B+、B、C+、C、
D+、D、E+、E、F+、Fとなっている。
3.依頼は冒険者ランクごとに受けられる依頼が変わって、ランクが高いほど達成の難易度が上がる。もし、依頼が達成できなかった場合ペナルティがある。依頼の未達成が何度も続くと最悪冒険者の資格剥奪の可能性もある。
4.冒険者ランクをあげるには、依頼を受けたりギルドへの貢献度を上げる必要がある。
Cランク以上にランクを上げるにはギルドから出される試験をクリアする必要がある。
5.Bランク以上の冒険者には、緊急依頼への強制参加の義務がある。参加しなかった場合罰則がある。
6.冒険者ギルドは冒険者同士のいざこざには介入しない。
――――――――――――――
「では、これが冒険者の身分を証明するプレートです。フリード様は一番したのFランクからのスタートになります。これから頑張ってください」
「はい!頑張ります!!」
そういってフリードは冒険者ギルドをあとにした。
「あなたのこれからの冒険に幸あらんことを」
フリードは夢への第一歩を踏み出したのだった。
―――――こうしてフリードの冒険がはじまった。
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