第51話 年始特別話 その2
「おぉ!」
「お口に合いますか?」
出来上がったおせちとお豆腐で作ったなんちゃっておもちのお雑煮を出したのだけれども、気に入って貰えたかしら。
「ユーコの料理は全て美味しいが、この料理はいつもと違いなんというか繊細な感じで素晴らしい。」
確かにおせちは少しずつつまめるものが多い気がするので繊細に感じるのかもしれないわね。
でも思ったより懐かしい味に仕上がったのには少しほっとしたのだけれども、調味料系は日本にあったものはほとんど無いのでおせちを食べると余計に日本食が恋しく感じてしまうわ。
「元々は新年に主婦がお料理をしないでゆっくりできるようにと作られたものという説もあるので、ほとんどのものが保存の効く料理になってます。」
「それは素晴らしい!新年くらいゆっくり主婦を休ませるその考えは見習いたい。」
「ふふ、私の故郷のおせちを他の国の味にアレンジしたモノなども有りましたから街の人達が作れるようなレシピを考えて見ますね。」
「是非お願いするよ。出来上がったら兄上にも教えて公爵領ではそれが当たり前の文化にしたいと思うよ。」
私とルッカ様は薬草茶(緑茶に似ている)を飲みながらのんびりおせちを堪能中で、最近では咲百合もしっかりしてきていてルッカ様のお兄様のお子様たちとも相変わらず仲良くさせてもらっている関係で今日もお泊まりで留守にしているの。
親離れの早い世界で咲百合はすっかり馴染んでいるのだけれども日本育ちの私からしてみれば二十歳くらいまではゆっくり傍で成長を見ていたいなんて思ってしまうのは仕方がないわよね。
ルッカ様も相変わらず私をお屋敷に置いてくださっているけれども結婚は良いのかしら。
彼からの好意にも気づいては居るけれども異世界人の上に子連れなので(もちろん咲百合は大切な娘よ)この人の人生に深く関わるべきではないと今でも思っているのだけれどこの人の傍は居心地いいのでついそのままの状態なの。
「ユーコ?」
「なんでしょうか?」
「いや、難しい顔をしていたから大丈夫かい?」
柔らかく微笑んでくれるこの人を独占したいなんて言えるわけ無いわね。
「ちょっと考え事をしてしまってすみません。」
「何を考えていたか聞いても?」
「ええ、サーユがもう親離れしつつあるのが寂しくなってしまって。」
「なるほど、私は親になった事は無いので分からないがサーユは初めにあった頃より随分しっかりしたし、ユーコがそう思っても仕方がないことなのかもしれないね。」
「ええ、いつかくることではあるのですが、もう少し傍に居たいと思うので私の方が子離れ出来ていませんね。」
「私ではサーユの代わりにはなれないが傍に居ることはできるから寂しい時は頼ってくれ。」
イケメンのこんな言葉にグラッときてしまいそうになるけれどもグッと堪えてお礼を言う由布子だった。
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流れがグダグダですみません!
次回から本編に戻りますが、この2人焦れったすぎデスよね……
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