第47話

クッキー、パンケーキ、パウンドケーキ、タルト、ブラウニー風(チョコが無いけれども無理やり紅茶のブラウニー風を作ったの)などを順調に教えて行くがみんな楽しそうに覚えてくれてこっちもやる気が出てきた時に限ってトラブルって起こってしまうのよね。


ちゃんとは聞いたこと無かったけれどもナンミや下っ端イジメをしていた陰湿な料理人たちの話はサラッとルッカ様には最初の頃話の流れで伝えていたんだけどその後の事を知らなかったのよね。

その料理人たちが私の知らないところでナンミをずっとイジメていた事がアンナ達が来たことで発覚。

さすがに元冒険者なだけあってやられっぱなしではなく絡まれて降格や解雇の恨みからナンミを守ってくれていた時に私とルッカ様かタイミングよく鉢合わせしたの。

小説や漫画みたいな展開だわ、なんて思わずあさっての方向の考えになってしまったけれど、ひとまずナンミには怪我もなく無事で本当に良かったわ。



解雇された料理人を屋敷の中に入れたということで降格で済んだは人たちも軒並み解雇というか警備兵に引き渡され犯罪奴隷として過酷な鉱山に送られる事になるらしいと聞いた時にはちょっとびっくりしたわ。

この世界に来て奴隷制度の事は聞いたこと無かったから。

他国では借金奴隷や戦争奴隷っていうジャンルもある所も有るらしいけれどもこの国はあくまで犯罪奴隷のみの取り扱いのみでその他は全て違法奴隷となるらしいわ。

よくよく照らし合わせてみるとココには刑務所で服役ってシステムは無いしそう考えると合理的なのかもしれないわね。

悪い事をしなければ縁のない事で今まで知らなかったのもある意味治安が良いという事なのかもしれないわね。


ナンミとアンナには迷惑料が支払われてそのお金は鉱山で借金扱いで稼ぐみたい。

軽度犯罪者ならその借金が返済が終わって自分の身請け代も返せたら釈放されるみたいだけど、ルッカ様がかなりお怒りで結構な金額を迷惑料として搾り取ったみたいなので何時までかかるかわからないそう。

少し気の毒にも思えるけれど行った事は犯罪だものね。


幸いナンミもトラウマにならずに済んだようでアレからも元気にスィーツを作ったり料理をしたりしているので本当に良かったわ。


「うん、随分上達したわね。これならルッカ様にお出ししても問題ないわ。」

「本当ですか!やったー」

ナンミが作ったクッキーは本当に上手に焼けており私のよりもサクッとしていて美味しかったわ。

「ふふ、次はパンケーキね。」

いくらこの世界の料理が乏しいからと言っても教えたモノがある程度のレベルに達していないのに提供はされられないもの。

そういう心構えというか私が言えた事では無いけれども料理の発展のためにもプロ意識的なものは持って欲しいしね。


「パンケーキはやっぱり膨らみがユーコさんみたいにふわっとしないんですよ。」

「私も最初はナンミみたいに苦労したわ。こういうものはコツを掴むまでが大変だけれども頑張りましょうね。」

「はぁー私も頑張ろっと」横で自分のクッキーを試食していたアンナもカミル君もあと少しだと思うから頑張って欲しいところ。

「僕も料理人になりたいけどこうやってお菓子も作ってて楽しいのでもだと色々知りたいです。」

と10歳とは思え無いほどしっかりしているから無理しすぎない範囲で頑張って欲しいわ。


新しい事を受け入れてもらえう事は難しい事もやっぱりある事を今回の事で身に染みたわ。

今までは理解のある人達に恵まれていた事に改めてサンクート様に感謝しなければと思う由布子だった。


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皆さん大掃除してますか?

私は年明けに引越しを予定しているので今年は手抜きで少し余裕ぶっこいてたらあっという間に年の瀬ですね。

良いお年を!

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