奨励賞を受賞してみて、思ったこと

 書籍化は逃したものの、賞はやっぱりうれしい。


 でも、狙って獲れたものではない。


 一度、当時を振り返ろうと思う。



 実は、狙っている部分もある。


 あの作品のカテゴリは、元々【ライト文芸】だった。

 だが、【大衆娯楽】に移した。


 個人的に

「アルファポリスで【カテゴリ:大衆娯楽】は狙い目」

 とは、分かっていたのだ。


 ライバルがいないから。

 いても、短編ばかりだから。


 オレが個人的に好きな作品を書く作家さんがいて、

「うん、ライバルはこの人と『居酒屋ぼったくり』やな」

 と、連載当初は思った。


 なので、試しにカテゴリを変えてみた。


 恐ろしいことに、これが見事的中。

 完結した当時、「日間1位」まで取ってしまう。


 見たこともないインセンティブをいただいて、自分でも怖かったのを覚えている。


 不思議に思うこともあった。



 賞自体は、「作品完結から半年後」に開催されたのだ。



 それでも、賞を獲得できたことである。


 オレは、「どうせ無理やろ」と思い、エントリーだけしていた。

 いわゆる、「賑やかし枠」である。


 アルファポリスのスケジュールを把握していれば、もっと対策できたかもしれない。

 後悔しながら、結果を待つ。


 そしたら……ねえ。


 自分が一番、驚いていた。


「根強いファンがいてくれたんやな」

 と、感謝しかなかった。


 ただ、今も怖い。



「アオイホノオ」というドラマで、主人公が少年誌で受賞した。

 なのに、本人はちっとも喜んでいない。

 そこに庵野秀明が来て、


「怖いだろ? それがプロになるって責任なんだよ」


 という。


 今のオレが、まさにこの状態なのだ。


 まだプロになったワケではないのに、重圧がすごい。

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