奪魂双夢(わけ わかめ 様)

サイズ:DとEの境界線


概要:緑色の髪と瞳が特徴。大小二振りの刀を腰に差している。


     ***


「し、死ぬかと思った……」


 全身を穴だらけにされた私だが、一晩そのまま眠っていたら復活した。たかだか9ミリやそこいらの拳銃弾など、何発浴びようが睡眠による回復力の前にはかすり傷にもならない。


 朝日が眩しく差し込む中、私は新たなるおっぱい美女の気配を感じ、後をつける。

 依頼には無関係だが、私のおっぱいセンサーが反応してしまうのだ……あ、一応書くが私は男だぞ? 別におっぱいを持っているわけじゃあない。あくまでも「おっぱい(を察知する)センサー」なのだ。


 さて、ほどなくしてターゲットと一定の距離を保つことに成功した。

 しかしあの恰好、銃刀法違反にならないのだろうか? どう考えても、あれは日本刀だ。それも大小二本差しだ。


 とはいえ、銃刀法違反がどうのというのは、おっぱいの前では些事さじに過ぎない。

 先ほど横姿が見えた。一見ちっぱいだが、あれは着やせだ。でなければ、おっぱいセンサーが反応するワケがない。


 ややあって、路地裏に入っていく。

 デジャヴュを感じるが、ついていく以外の道はない。……おや、正面姿が見えた。


 ふむふむ。そこまで大ぶりでもないが、かと言って小ぶりでもない。DかEcupと中間的、程よいサイズだ。その証拠に、谷間が見える。

 谷間、だ。先ほどからチラチラと、恥ずかしがりの少女のように不意に見えている。


 しかし、どうにも見づらいものだ。もう少し距離を近づけて、じっくり眺めたいものである……と、女性の側から近づいてきた。

 よーし、だんだんと見えてきたぞ……服装に抑圧されしおっぱい。出来るならあの服を引っぺがして、美味なる空気を吸わせたいものだ……。


「さっきから尾けていてきていたのは…貴方ですね?」


「おっぱい」


 そう、おっぱい。目的はそれ以外に無いのである。


「はぁ……素直はいい事ですが、本人に直接伝えることではないでしょう」


 みるみるうちに表情が曇りだす。

 私はいまだおっぱいを見続けていたが――


「では、これから私達は"仕事"がありますので、口封じに……」


 パチンという、納刀音が響く。

 気づけば私は、腹部をバッサリ斬られていた。これ、上半身と下半身が分離してるんじゃあない、のか……?


「無念……。おっぱ、い…………」




 希望に満ちるおっぱいに空気を吸わせるという夢は叶わず、私は血だまりの中で意識を失った。

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