聖女勇者見習いたちと追放された魔界最恐王子の逆襲青春記～復讐するには、まだ早い

第38話 デッカイ山

「ったく、大胆なことしやがって……アネスト、もうやるなよな」

「ええ！？」

「ええっ、て当たり前だろうが！　だいたい、人の指なんて舐めてうまいか！？」

「お……美味しいです！　す、好きな人の体なんですから！」

「……………」

「あっ、あの、今のは！？　い、今のはなし……あ、いえ、うそではなくて本当なのですが、いや、え、あの……」

「あ、お、おお……そ、そうか……」

「うぅ……はい……」

　って、ドサクサに告るなぁああ！？

「ちょ、アネスト！　卑怯よ、わ、私だってダーリンのことを……」

　いやいやいや、あの、二人とも私がここにいるの忘れないで！

　っていうか、アネストちゃんは数日前、ディーちゃんは昨日ともう完全に態度やら性格やら、なんなら人格が変わっちゃってるよ！？

「いや、待てお前ら……あ～、その……そこまで好かれるとは思わなかったんで俺も戸惑ってるが……基本、俺はお前らをそういう対象には思ってねぇから、告られても受け入れられねえ」

「「ッッ！！？？」」

　っと、これまたハッキリと。セカイくんは私の可愛い幼馴染二人の好き好きオフェンスをアッサリ拒否った！？

　今の二人なら「エッチしたい」って言えば喜んで裸になるぐらいデレデレなのに、これは……まさかセカイくんは硬派……はないよね……

「ど、どうしてです？　あの、何か……たとえば胸とか……そ、それなら、まだ未来があります！　それに、セカイから戴いた本にも、揉めば大きくなると……セカイの手でこれからいっぱい……」

「ねぇ、ダーリン。できれば結論……すぐに出さないで欲しいの。わ、私たち、男の子を好きになるの初めてで、どうアプローチしていいか分からないけど、努力したいっていうか……」

　しかし、断られてもやはり諦めずに食い下がるなぁ、二人とも。もう、本気になっちゃったんだね。羨ましい……

「そうじゃねぇよ。その……あ～、ほら、俺はこんな身体だし……」

「「それは私たちが治します（治すから）！！」」

「……お前らも幼馴染同士で取り合うとか……」

「「帝国は一夫多妻制だから最終的に問題ないです（ないわ）！！」」

　うわ～、逃げ道ドンドン塞いでるよ……ってか、二人して重婚歓迎なんだ……ん？

「あれ？　二人がセカイくんの嫁になったら……私だけ本当にのけ者じゃん！？　え、ねぇ、セカイくん！　それは寂しいよぉ！」

「ちょ、お前、ややこしいから出てくんな！」

　どんどん恋に積極的になり過ぎる二人に置いてきぼりだと思った瞬間、すごい寂しくなって、焦っちゃって、別に私はまだ「セカイくんいいな～」ぐらいだけど、二人がそうしちゃうなら、私もってなって、慌ててセカイくんに飛びついちゃった。

「ほれほれ～、セカイく～ん、今なら三人の美少女ヴァージン食べ放題だぞ～♡」

「ええい、離れろバカ！　ベタベタすんな！」

「シャイニ！　あ、あなた、私たちは真剣に……しんけん……いえ、セカイ！　あなたがそれを望むのなら！」

「ねぇ、ダーリン！」

　抱きつきながら、何となく想像しちゃった。

　私たちがもしこのまま押し切ったらどうなっちゃうのか？

　四人で学校でも外でもイチャイチャ。

　四人でデート。もしくはローテーションを組んで？

　初体験は１対１……もしくは４人で……？

　でも、流石に子供は卒業後がいいなぁ……でも、私たちも子供産んで、みんなで協力し合って育てて……

「うん、みんなで……それいいかもね♪」

「ヲイッ！？」

　恋には憧れてるけど、現在特定の誰かに恋してるってわけじゃない。

　でも、彼氏のいない青春時代は過ごしたくない。

　それなら、こういう形もいいかなって私は思って、最初は焦って後ろから抱き着いたセカイのくんの体に、私は自然ともっと強く抱きついていた。

「あぁ、もうやめろっての鬱陶しい！」

　だけど、そこで暴れて私たちを引き剥がそうとするセカイくん。こんな男冥利に尽きるハーレム展開を拒否るとか、ほんとセカイくんってば……むっふっふ、だけど、そうはさせないよ？　私には秘策があるのだ……

「むっふっふ……セカイくん、手を貸りま～す」

「あ？」

「はい、ディーちゃんのお胸……モミモミ～♡」

「あ、ぅ！？」

「ッ！？」

「ちょ、シャイニッ！？」

　セカイくんの手をディーちゃんのカワイイお胸に制服の上からモギュ♡

　エッチなことがダメなセカイくんはこれで全身の力を失って……

「あっ、だ、ダーリン……♡」

「っ、てめぇ、オレンジ！　いきなり何しやがる！」

　……あれ？

「お前、いい加減にしねーとマジで頭をカチ割るぞ？」

「え？　あれ？　ええ？」

　セカイくん……ディーちゃんのお胸を揉んでも何も……なし？

　いや、何もないのは男の子としてどうかと思うけど、あれ？　セカイくんの体……治った？

「待ってください、セカイ！　あなた……ディーの胸を触っても……なんともないのですか？」

「……え？　あ……」

　アネストちゃんも気付いたようだ。

　うん、だってパンツ見ただけでゲーゲーしてたセカイくんが、ディーちゃんの胸を触って……ん？　いや、逆に……

「ダーリン治っ……ううん、それとも……わ、わ、……私の胸では興奮しないとか……そんなこと、な、ないわよね？」

　あっ、不安そうな顔でディーちゃんが……だよね……だって、もしそうなると、ディーちゃんに女の子としての魅力が……

「…………い……や……ど、どうなん、だろう……」

「だ、ダーリン、た、試しに私と……ついでにアネストの胸ももっといっぱい……も、揉んでみてよ！」

「え？！　わ、私もですか？！」

　おっと、そこでディーちゃんはアネストちゃんも巻き込んだ。

　セカイくんの左手首を掴んでアネストちゃんの胸に。

　そして、アネストちゃんは驚きながらも、抵抗することも無く受け入れ……

「ん……♡」

「セ、セカイ……」

「お、おお、じゃぁ、いくぞ……」

　モギュモギュモミモミ……とセカイくんは……だけども……

「せ、セカイ、ん、ど、どうでしょうか！？」

「ね、ねぇ、どうなの？　わ、私たちの……ん……胸……ねぇってば！」

　セカイくんに変化なし！？　

　こ、これは……

「せ、セカイくん……ま、まさか、こ、これが噂の……け、賢者モードってのに入ったんじゃ……」

　もはや悟りの境地に至ったためにセカイくんはトラウマを克服と同時に女の子への性的興味を失った？

　い、いや、違う！

「セカイくん、そ、ソレッ！？」

「ん？　あっ！？」

「「あっ！！！！　あら♡」」

　私は見た。ディーちゃんとアネストちゃんも気付き、そして顔を赤らめながらも歓喜の表情。

　なぜならば……

「せ、セカイってば……うふふ、んもう♡」

「ふふふ、ダーリンったら硬派ぶっちゃって……しっかりエッチな気分になってるんじゃない♡」

　一言で言うなら……セカイくんのズボンに山が……デッカイ山が！　って、おっきいよ！？　アレがセカイくんの！？　じ、実物を見たの……ふ、服の上からでも初めて見た……

「あ、でも……」

「こ、これが、ダーリンの……」

「つっ、あ、あんま見んなよ！」

　それはあまりにも衝撃過ぎて、思わず私はよろけて抱きついていたセカイくんの体から「離れ」てしまった……その時だった！

「うぷっ！？　う、うぐううぅ！？」

「「「ふぇ？」」」

　私が、セカイくんの体から離れた瞬間、セカイくんは突如顔を青くしてえずいちゃった……アレ？

―――あとがき――――

すんません。そろそろ真面目にやります。