第4話 出会い

黒い髪と青い瞳の男は甲冑の男を殴り飛ばした。

甲冑の男はそのままエイダと離れる様に吹き飛ばされた。


「全く子供をさらうなんて変態のすることだぜ。オッサン。」


そういうと黒髪の男は不敵に笑う。


「何者だ!どこから入った!」


甲冑の男は強烈な一撃を食らったのにもかかわらず。

気絶したり痛がったりする様子もせずに黒髪の男に話かける。


「エヴァンソ・ドンキホーテだ。よろしくなオッサン。」


そう言って黒髪の男は・・・ドンキホーテは剣を構えた。





遡ること1時間前ドンキホーテとアレン先生はロバのロシナンテにまたがり、追跡呪文により可視化された足跡をたどっていた。


「先生の呪文はいつもながら便利で助かるぜ。」


ドンキホーテは自分後ろでロシナンテの背中にしがみついている。猫の姿の魔女、アレン先生にそう話しかけた。


「ふふん、そうじゃろ。物理的な痕跡は消せたとしてもとしても魔法の手にかかればお茶の子さいさいじゃ!時間があまり経っていないのも幸いしたのぅ!」


と自慢げにアレン先生は鼻を鳴らす。しかしとドンキホーテはまた話し始めた。


「こりゃあ一体どこに続いてるんだ。こんな森の中拠点でもあるのかねぇ。一向に見えないが」


そのドンキーホーテ の疑問はすぐに解消されることになる。

ドンキホーテ達が走っていくと再び森の開けたところに出たすると。暗くわかりづらかったが捨てた古城があることに気がついた。その古城には火が灯っておりそのことからドンキホーテ達はおそらくあそこに例 の族がいるのだと目星をつけた。


「間違いねぇあそこだぜ先生。こんなところに古城があるとはな。元は誰の城だったかはわからないがもしかしたら緊急脱出用の転移の魔法が残ってるかもしれねぇ急がないといけなねぇな!。」


ここで完全にドンキホーテは自分の「エイダは連れ去られた」という推理に確信を持った。

しかしその確信のせいか気持ちがはやってしまう急がないと、エイダが完全に手の届かないところに行ってしまうと、するとアレン先生はそんなドンキホーテの心情を悟ったのか。落ち着けと言い

「良いかドンキホーテ転移魔法というのは距離が長くなる分様々な工程が必要となる。おそらくじゃが星から魔力を借り星の位置で座標を特定するはずじゃ。そうなると今と天気は曇りつまりはまだ時間があるはずじゃ。慎重に行こうぞドンキホーテよ。」


とドンキホーテを制止した。するとドンキホーテは再び落ち着きを取り戻しこう言った。


「ありがとな先生、確かに焦ってもしょうがないか。」



ドンキホーテは本人に自覚はなかったが怒っていた。面識のない少女といえど何者かの都合により若者の未来が奪われるということはドンキホーテにとって許しがたいことだったのだ。


ドンキホーテ達は静かに古城に忍び寄ると近くの草むらに身を隠していた。古城の付近には見張りが巡回していた。


「どうするドンキホーテ見張りを排除しようにももし気づかれたらエイダはどこかに連れて行かれるかもしれん、しかし見張りがこうもいては潜入しようにも難しいぞ。」


「先生いい考えがある。俺のいつものアレで行くぜ。

先生は俺が騒ぎを起こしたら・・・」


「皆まで言わんでもわかるわ外側から攻撃を仕掛ければいいじゃな!」


「そういうことだ。よろしくな!よしじゃああそこのベランダなら見張りはいないな」


そういうとドンキホーテは集中し目を閉じた。するとぼんやりとドンキホーテの体がぼんやりと光り始めた。次の瞬間ドンキホーテは突然淡い光と共に消えドンキホーテは古城の見張りのいなかった古城ベランダへと転移していた。これはドンキホーテが得意とする魔法の一つであるテレポートだ。

そのまま古城の中に入り込んだドンキホーテはエイダを探しに行こうとした時だ。少女の助けを呼ぶ声が聞こえた。その声を頼りに玉座の間へとドンキホーテは導かれる。ドンキホーテがその玉座の間の中を扉の隙間から見回すと男が2人に少女が1人いることが確認できた。2人の男はドンキホーテは見覚えはなかったが族というにはあまりにも立派な甲冑、そして高価そうないかにも魔法使いが好みそうなローブ着込んでいた、そういえばとドンキホーテは思い返した。

「思えば外の見張りも族というよりもどこか兵士っぽかったなどういうことだ。どこか有名な傭兵部隊か?それか・・・」

どこかの国の廃止なのか、そう考えた時再び少女の助けを呼ぶ声が聞こえた。ドンキホーテは我にかえって再び空間を転移し甲冑の男の背後に回り込んだ。


そして事態は冒頭へと戻る。ドンキホーテは剣を片手に持ち正眼に構えていた。


「エヴァンソ?聞いたことのない名前だな!」


甲冑の男はそのまま剣を引き抜きドンキホーテに襲いかかる。甲冑の男の剣とドンキホーテの剣が混ざり合い火花を散らす。それは薄暗い古城の中ではまるで花火かの様に思われた。


「ガウス!なにをぼさっとしている!」

「あ、ああ!すまない!」


ガウスと呼ばれた魔術師らしき男は甲冑の男の一言で混乱していたところを解き放たれ魔法の詠唱を始めた。ドンキホーテはこの魔法の詠唱を知っていた。高威力の火属性魔法ファイアボールだ。しかしガウスという男は場の展開についていけず、ドンキホーテが空間を転移する魔法が使えることを忘れてしまっていた。詠唱をする一瞬の隙それをドンキホーテは見逃さなかった。ガウスの前にテレポートしまずは剣の柄で喉をつぶし、その次に右腕を切り落とした。


「ガウス!」


一瞬の出来事により甲冑の男自身対応が間に合わなかった。ガウスは痛みと失血により悶絶し、しばらくは動けないとドンキホーテは悟り甲冑の男へと向き直る。そしてドンキホーテは再び精神を集中させた。すると青い光がドンキホーテの体包み込む。


「やはり闘気使いか・・・」


そう言って甲冑の男もまた赤い光に体を包み込まれた。先に仕掛けたのドンキホーテの方だった。彼は明らかに甲冑の男に対して剣が届かないところで剣をを

払った。ただ剣が虚空を切り裂くだけに思えたが剣を振るった瞬間、剣から三日月状の光線が放たれ凄まじい速度で甲冑の男に向かっていった。男はあまりの速さにその光線を自分剣による斬撃で威力を減らすことしかできないまま光線の爆発を受けてしまった。そのまま体制は崩れなかったものの立ったままの姿勢で衝撃により滑ってしまう。

ドンキホーテはさらに追撃を加える再び2人の剣が交わり火花が散った。しかし勢いはドンキホーテの方がある様だ。そして数撃剣が交わったあとドンキホーテの力強い一撃が甲冑の男の体制を崩す。その時の体制を元に戻そうとする刹那の隙をドンキホーテ見逃さなかった。すれ違いざまに一閃、ドンキホーテは甲冑の男の左腕を切り落とした。

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