第16話 とけるスライム

 午後からは来客の予定は無いため、神崎は早速、猫を探すことにした。

 異世界の少女 (?) は放っておくこともできないので、一緒に行動することにした。


 しかし、今日の強い日差しの下ではスライムはだんだん融けていく。

 なんとかならんものか。

 異世界の少女 (?)の顔に融けたスライムがたれている。


「その融けちゃうのなんとかならんのか?」

「そう言われても困るっス。

 融けても死なないから大丈夫っス」


 ともかく、神崎は異世界の少女 (?)と一緒に新宿の街を歩いた。

 失踪した3匹の猫はみな、この新宿の街でいなくなったという。

 この広い雑多な街でどうやって猫を探せばいいというのか。


 前から見るからにガラの悪い男が歩いてきた。

 やくざのセイヤだ。


「神崎の兄貴! お出かけですか?」

「お出かけというか、仕事だ」


 セイヤは神崎のことを兄貴と呼ぶ。


「仕事っすか、探偵の?」

「そうだ。猫を探して欲しいっていう依頼だ」


 セイヤと会話しているうち、スライムは完全に融け、異世界の少女 (?)の体から流れ落ちた。

 セイヤの目に白河桂里奈の姿が映った。


「ああ!! 白河桂里奈っす!!!」


 セイヤが驚いている。

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