第31話 bell




涙の止まらない夜は


少しだけ、誰かと話したい


でも心配をかけたくないから


繕って笑ってる



すると心のどこかが引き攣って


涙がまた溢れそうになる


止まれと心の中で呟くたびに


孤独を噛み締める





僕を照らしてくれるのは誰


どれ程僕が嘆いても


諦めようとしても


守るべきものがあるだろうと


正気のベルを鳴らしてくれる



君の苦しみは 僕には分からない


だけど少しだけ


ほんの少しだけ


君の苦しみを僕にくれてもいい


ほんの少しだけ


分けてくれればいい

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