第22話 矛盾


泣いてもいいよと、君は言った


どれ程涙を流しても聞こえぬ声にどうやって


悲しみを載せて運べと言うの



この声は届かないから意味が生まれ


伝わらないから存在している


矛盾に塗れて絡まる糸が


やっと僕達を繋いでいた



背中の孤独は引き剥がせない


僕の矜持か足枷か


どっちであっても 変わりはしない



暖炉の側は暖かいのに


僕の背中は雪を欲しがる


矛盾に塗れて固まる糸は


切り落とさねば始末が悪い



僕の孤独は剥がせやしない


君の孤独も剥がせやしない

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