お茶

残り2分で電車が行ってしまう。焦りながら駅構内を早歩きしていた。しかしムスカ大佐より条件が厳しいとは電車もなかなか鬼畜なものだ。


視界がにじむ。この季節に冬物のスーツは大変暑く、全身汗だくである。そして喉の渇きはサハラ砂漠級。再度時間を確認して財布を取り出す。


目の前の自動販売機にお茶視認。位置は自販機中段端。こんな時に電子マネーは超便利。


念のためお茶のラベルを確認する、と「ほう…茶」であった。まぁ「ほう」まできてほうじ茶じゃないなんてことはないだろう。


すぐさまお茶を取り出し一気に喉に流し込む。その瞬間、あまりの不味さにむせかえってしまった。


ペットボトルのラベルを確認すると「ほうち茶」の文字が。いやダジャレかよ。



結果として電車にも放置されたことは言うまでもない。せめて三分間だけ待ってほしかった。

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