ショートでショートなお話し

三上 南

中学生、勢い余って投稿。

着陸

『コーラ宇宙大船団』はコーラが大好な仲間達による集まりだ。


そして今、地球から遥か遠いこの場所でコーラ星を発見した。星の表面は全てコーラで、地球と似た酸素の大気を持っている。


「ついに、ついにやったぞ!とうとう我々はこの日を迎えた!さぁ心ゆくまでコーラを愛でようではないだろうか!」


船団長は高らかに宣言した。声の成分表は分析の結果を見ずとも興奮に振り切っていることがわかる。そして、この日の為に装備には抜かりない。


同志達の士気が沸騰していくのが手に取るようにわかる。


歓喜が飛び交う船団の共通無線通信。そこからは着陸を今か今かと待ちわび、中には気分が高じてコーラを開ける者など、それぞれ喜びを分かち合い、発散しているのがわかる。


そんな時、船団長に一報が入った。


「せ、船団長。そういえば我々には水に浮く為の装備がありません…」


それは若い航海士の声だった。その声には昂りは感じられない。


「それがどうしたと言うのだ?」


「何処に着陸すれば良いのでしょうか?」  


次の瞬間、全船通信に轟いたのはどこかの船にいるのであろう猫の鳴き声のだった。

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