描かれる天賦の才能に手触りを感じる

以前読んだ作品でしたが、機会があったので再読しました。
才能というものへの向き合い方、その描き方という点においてまさに出色。
創作において凄まじい才能、というものを書こうとすれば、どうしても誇張された嘘くさいものになりがちですが、この作品に描かれた針打ちの才能は朴訥で、果てしない極みにありながら等身大でもあります。

実のところ凄い凄いという記憶はあっても何がそんなに凄かったのかいまいち思い出せないので、頭の中でイメージだけ膨らんでいるのかな、と思いつつ改めて読んだのですがやはり圧倒されました。
理解を越えた凄みを感じる傑作だと思います。


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